この神戸市文書館は、もともと南蛮美術館だったのをご存知ですか。
それも、昭和初期に有名な富豪だった池長孟(いけながはじめ)氏が、神戸を世界的な文化都市にしようという意図で、莫大な私財を投じて、世界的に有名な美術品を体系的に収集され、私立美術館として公開したところから始まっているのです。
池長氏の世界的美術品収集への情熱は、1枚の絵を買うため1軒の別荘を売ることさえありました。苦心の末収集した7000点以上の一流美術品のために、小川安一郎氏設計のアール・デコ調のしゃれた美術館を建て、昭和13年(1938)5月、『私立池長美術館』を開設し、昭和15年(1940)4月より一般公開しました。
戦後、池長氏より神戸市が美術品ごと館を譲り受け、昭和26年(1951)に『市立美術館』として開館。昭和40年(1965)4月『市立南蛮美術館』と改称。昭和57年(1982)11月京町筋に新設の『市立博物館』内に『南蛮美術館』を設け発展的に美術品を全部移転したため、こちらは閉館。改修や書庫新築を経て、平成元年(1989)6月、『神戸市文書館』として、新たに開館し、現在に至っています。
これから、池長孟氏とそのコレクション(現在神戸市立博物館所蔵)のごく一部をご紹介しましょう。 |
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