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江戸積みの酒とは、文字通り上方から江戸へ廻船によって送られた酒です。十七世紀初頭、徳川家康によって江戸にはじめて幕府が開かれ、江戸は将軍の居城する政治都市としてこれまでにみられない膨大な人口を抱えた大消費地となり、これらの人々の需要を賄うための大量の生活必需物資の供給地が大坂でした。大坂は、生産力・技術力の高い畿内農村を背景とし、また海上交通の盛んな瀬戸内海を西に、「諸国取引第一の場所」としてその役割を担いました。江戸積み酒造業もまた、このような流通体制のなかで展開された産業です。
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