摘要
|
大正14年(1925)9月刊、神戸市役所編・発行、B5判、全211頁、神戸都市計画図など附図3枚。大正11年(1921)10月、市長代理助役永田亀作が学制頒布50年記念事業のひとつとして刊行を企画。その内容は、神戸市の歴史と概況を述べた「地理と歴史」、立憲政治、自治の精神、住民と公民の違い、市会(議員)と市参事会の役割、市吏員の職務などについて述べた「自治制」、都市計画の必要を啓蒙する「都市問題」、商工業、財政、社会事業、市営事業の現況、青年団と処女会などについて述べた「市勢の現況」、「愛市」精神の涵養を目的とした「市民の修養」からなる。編集方針は、「立憲の大義」「自治の本義」を理解させることを目的とし、尋常小学校卒業者程度のものが理解できるよう平易な文章でありながら、かつ「市民の愛読書」として「興趣に富む」ものが目指された。この時代に神戸市がもとめた市民像や、社会のあり方を理解するうえで興味深い史料である。 |