摘要
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神戸市の通史。神戸市役所編発行。第1輯は、大正7年(1918)に神戸開港50年記念事業として編纂に着手された。同10年から刊行を始め、同14年に完結。編纂顧問は『広辞苑』編纂の新村出。本編総説、本編各説、別録1、2、資料1〜3、附図・年表・書目・索引・編集顛末の9冊からなる。本編総説は、古代から大正7年までの通史で、兵庫開港以後の記述が中心。本編各説は、産業の発展及び富の蓄積、生活状態の変遷など15章で開港後の状況が詳しく述べられている。別録1は、古代の兵庫及び附近の沿革(喜田貞吉)、中世の兵庫(三浦周行)、近世の兵庫及び附近の沿革(古田良一)、近世人物列伝(中井伊與太)の4編を、別録2は、神戸の気象(堀口由己)、神戸の港湾(森垣亀一)、神戸海運五十年史(神戸海運業組合)、神戸港外国貿易の変遷(石橋五郎)を収めている。資料1は、中世の兵庫及び附近に関する資料、資料2は、近世の兵庫及び附近に関する資料、資料3は、兵庫開港に関する資料を収録している。附図は、図版59枚と地図10枚を採録。第1輯9冊は、昭和12年(1937)に再版となり、同46年にも名著出版(東京)から復刻されている。
第2輯は、昭和9年(1934)に着手され、同12年に本編総説各説、別録、附図・資料・年表・書目・索引・編集顛末の全3冊が刊行された。本編総説各説は、世界大戦後の神戸、昭和元年以後の神戸の2章からなる総説と、ほぼ第1輯の各説の章立てにならった各節からなる。別録は、中世の兵庫と外国関係(小葉田淳)の1編と、神戸の気象、神戸の港湾、神戸の海運、神戸港外国貿易の変遷の4章を収載。附図・資料は、前輯の未収附図などを収録した。
第3集は、昭和32(1957)年に着手。主題別に編纂され、昭和37年(1962)に行政編が刊行されたのをはじめとし、40年社会文化編、42年産業経済編、43年年表・索引の4冊で完結。行政編は昭和9年から33年までの市政発展のあとを、人口、市域の拡張など18章にまとめている。社会文化編は、9年から37年までの社会文化の変遷を、社会編9章、文化編8章にわけて記録している。産業経済編は、昭和元(1926)年から40年(1965)までの神戸産業経済史で、工業、貿易、商業など8章で構成。各巻目次はこちら |