摘要
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前年の1月から12月までの市がおこなった行政事務の概要を記載したもの。明治22年(1899)施行の市制第108条の規程により、予算表・財産明細表とともに市参事会が作成し市会に提出。市会の予算審議で市会議員が予算を議決する際、1年間の市政を評価する重要な資料となった。その内容は、庶務・戸籍・兵事・衛生・教育・勧業・土木など、基本的な行政事務について網羅しており、近代の神戸市政の具体像を明らかにしていくために、それを概括的にとらえることのできる重要な史料である。
各項目は、統計的データと、それについて文章化された概要説明からなる。この形式は、昭和8年(1933)以降大きく変更される。概説は省かれ、各項目はほとんど表となり、数字も詳細となって、統計資料としての性格が強まった。
また、事務報告書の項目名やその順序は時期によって異なる。たとえば大正元年(1912)の事務報告書は、先頭に都市計画についての記載があり、同時期の神戸市政の関心の所在を反映していて興味深い。
当館では、明治37〜大正12年、大正15〜昭和21年分について閲覧可能。 |