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祇園遺跡で確認された園池遺構
(神戸市教育委員会提供)
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兵庫区平野上祇園町周辺に広がる遺跡で、2004年まで11次にわたる調査が実施されています。主に有馬街道東側沿いの調査ですが、庭園の池と導水路・排水路、 石垣・土坑などが確認されました。池は最初に作られてから、2度の大きな作り替えがおこなわれ、土器の編年から存続の時間幅が、
12世紀後半内に収まることが明らかになっています。また池の南の地点からは、多量の京都産の軒瓦・かわらけの他、
中国産の陶磁器類が出土しました。瓦を葺(ふ)いていた建物は、京都から移築したもの、と見られています。
出土陶磁器で注目すべきは、中国長江中流域の吉州窯で焼かれた玳玻盞(たいひさん)天目小碗です。
吉州窯系陶器の日本での出土例は、博多・京都・鎌倉に数点あるだけで、大変に珍しい。文献から推して、近隣に清盛邸があったことはまちがいなく、
同遺跡は清盛に近い有力者の邸の一部、もしかしたら清盛邸ないしその関連のものと、考えられています。
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