@は単純に色と材質でよぶ。赤糸威・紫韋威などである。ただし、白韋威は韋を漂白しただけなので洗韋(あらいがわ)威といい、黒糸威・黒韋威は、黒ではなく、藍を深く染めたものである。 |
Aには、樫鳥(かしどり)威・小桜(こざくら)威・伏縄目(ふしなわめ)威などがある。樫鳥威は、縹(はなだ)糸と薄縹糸(ともに藍染め)を打ち混ぜにした組紐による威毛。小桜威は桜花を小文染めした韋緒による威毛で、全体を黄で染めて黄返(きがえし)とすることが多い。伏縄目威は、斜めに藍・浅葱(あさぎ)・白で(たん)染(二色以上を交互に染めることをいう)としたこれも韋緒による威毛である。 |
Bは、南北朝期以降には種類が増えるが、鎌倉時代までは、下段ほど色が薄くなる匂(におい)威(最下段は白)や、逆に下段ほど濃くなる裾濃(すそご)威(最上段は白)、また、沢瀉(おもだか)という水草の葉を意匠した沢瀉威、その葉を天地逆にした意匠の逆沢瀉(さかおもだか)威などがあった。 |