2011年(平成23)7月16日(土)
〜9月4日(日)
※開館時間:
午前10時から午後5時まで
(入館は午後4時30分まで)
金・土曜日は午後7時まで開館
(入館は午後6時30分まで)
※休館日:
月曜日・7月19日(火)
*ただし、7月18日(月・祝)・8月15日(月)は開館
平成23年(2011)は、黄檗山萬福寺(おうばくさんまんぷくじ、京都府宇治市)の開創350年にあたります。承応3年(1654)、長崎に住む中国人の熱心な要請により、黄檗僧・隠元(いんげん)が中国から渡来しました。彼は大名や徳川将軍、天皇の帰依も得て、寛文元年(1661)宇治に黄檗山萬福寺を創建、日本の黄檗宗の開祖となりました。隠元がもたらした中国の最新の文化は当時の日本人を大いにひきつけるもので、美術にも大きな影響を与えています。
本展では、当館が所蔵する黄檗絵画のなかから、河村若芝(かわむらじゃくし、1638〜1707)と鶴亭(かくてい、1722〜85)という二人の黄檗宗ゆかりの画家に迫ります。奇矯な造形美が特徴的な若芝、色彩豊かな花鳥画や個性的な水墨表現が斬新な鶴亭。本展では、もとは対幅として制作されたものの、長らく別々に所蔵されていた河村若芝筆「拾得図」(神戸市立博物館蔵)と「寒山図」が再会を果たします。江戸時代に活躍した二人の魅力的な世界をお楽しみください。
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河村若芝筆「達磨図」(部分)
貞享元年(1684)賛 絹本著色 90.8×35.3cm 神戸市立博物館蔵
所々に虫食いのある円座に座しているのは、朱衣をまとった達磨。ぎろりとした大きな目、太い鼻、カールした髭や体毛で、常人ならざる姿を若芝は表現しています。衣紋の墨線の硬質な感覚などは伊藤若冲の作品にも指摘できる特徴です。正面を向く達磨は、強烈な感覚を与えます。上部には、萬福寺第5代住持・高泉性敦(こうせんしょうとん)の賛があります。若芝はこのような達磨や羅漢などの道釈人物画を多く手がけました。
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鶴亭筆「牡丹綬帯鳥図」(部分)
明和6年(1769) 絹本著色105.2×43.5cm 神戸市立博物館蔵
奇怪な石にとまる一羽の綬帯鳥と満開の牡丹―淡いピンクのグラデーションで立体感を表現した牡丹や、青色や白色が目を引く綬帯鳥など、鮮やかな色彩が鶴亭の作品の魅力のひとつです。現実にはあり得ない奇石の曲がり方はインパクトがあり、このようなかたちのおもしろみも、鶴亭のもうひとつの魅力です。写実的な花鳥の表現は、享保16年(1731)に来日した中国人画家・沈南蘋の画風を引き継いでいます。富貴の象徴である牡丹と、繁栄の象徴である綬帯鳥を組み合わせた吉祥画です。
★入館料(同時開催の特別展・常設展示なども合わせてご覧いただけます。)
| 当日券 | 前売券 | 団体券(30名以上) |
一 般 | 1000 円 | 850円 | 750 円 |
高校・大学生 | 700円 | 600円 | 550円 |
小・中学生 | 400円 | 300円 | 250円 |
※65歳以上で「神戸市すこやかカード(老人福祉手帳)」持参の方は当日一般料金が半額。
※障がいのある方は身体障がい者手帳・療育手帳などの提示で無料。
※神戸市および隣接6市1町、淡路3市、鳴門市、徳島市の小中学生は、
「のびのびパスポート」の提示により無料。
学芸員によるギャラリートーク 8月20日(土) 午後2時〜
★同 時 開 催★