3月26日、摩耶山上で摩耶山春山開き・摩耶詣祭が開催されました。
摩耶詣祭は、江戸時代の初め頃から、旧暦2月の初午の日に、近隣の人々が馬を連れて天上寺に参拝し、馬の息災と一家の無事繁栄を祈り、みやげに摩耶昆布を授かって帰る、という珍しい風習があり、現在も3月末の土曜日に実施され、摩耶山の春の風物詩として広く知られる行事です。
本来であれば掬星台に集合し、そこから天上寺まで飾り馬のパレードをする予定でしたが、当日は雨のせいでパレードは中止となりました。今回、天上寺に祈願に来てくれたのは、六甲山牧場のミニチュアホース、サニーちゃん(3歳)です。可愛らしい花飾りをつけた姿を披露してくれました。
天上寺のお堂の中で、伊藤浄厳貫主より皆さまの息災と山の安全祈願についてご祈祷があり、その後、春山開きの宣言がされました。今年は雨の中でしたので、霧が立ち込め幻想的な雰囲気となりました。昨年は晴天の下での開催でしたが、霧の中の開催も素敵なものだと思いました。
摩耶山は自然が豊かで、独特の歴史・文化を有する山です。ふもとに住む地域の皆さんに永く愛され、「摩耶山を守ろう会」の皆さまにより、清掃・保全活動を熱心にしていただいています。「摩耶山再生の会」の皆さん、「摩耶山観光文化協会」の皆さんにより、活性化に向けた魅力づくりや情報発信なども進められています。
コロナ禍で、さわやかな自然の中で過ごすことの魅力が改めて注目されており、摩耶山はもってこいの場所だと思います。気合を入れて登山をするのも良し、ケーブルやロープウェイを使って気軽に登るのも良し。山上で何もせずただボーッとするだけでも心地よい時間を過ごすことができます。
これから一層春らしく、温かくなり、たくさんの観光客やハイカーがこの摩耶山に訪れられると思います。ぜひ自然を楽しみにお越しください。