毛染めについては、年代・性別を問わず一般に広く行われていますが、一方で毛染めによる皮膚障害の事例が多い状況です。
これを受け、消費者安全調査委員会が厚生労働省に対し、毛染めによる皮膚障害の重篤化を防ぐための取組みを行うよう求めました。
理容業および美容業の営業者の皆さまにおかれましては、酸化染毛剤やそのアレルギーの特性、対応策について確実に知識として身に着け、衛生・安全の確保・向上に努めてください。
(詳しくは下記リンクをご確認ください)
酸化染毛剤およびアレルギーの特性、対応策について
酸化染毛剤およびアレルギーの特性
- ヘアカラーリング剤の中では酸化染毛剤が最も広く使用されているが、主成分として酸化染料を含むため、染毛料等の他のカラーリング剤と比べてアレルギーを引き起こしやすい。
- 治療に30日以上を要する症例が見られるなど、人によっては、アレルギー性接触皮膚炎が日常生活に支障を来すほど重篤化することがある。
- これまでに毛染めで異常を感じたことのない人であっても、継続的に毛染めを行ううちにアレルギー性接触皮膚炎になることがある。
- アレルギーの場合、いったん症状が治まっても、再度使用すれば発症し、次第に症状が重くなり、全身症状を呈することもある。
- 低年齢のうちに酸化染毛剤で毛染めを行い、酸化染料との接触回数が増加すると、アレルギーになるリスクが高まる可能性がある。
対応策
- セルフテストを実施する際、以下の点に留意してください。
- (1)テスト液を塗った直後から30分程度の間及び48時間後の観察が必要。
(アレルギー性接触皮膚炎の場合、翌日以降に反応が現れる可能性が高いため、48時間後の観察も必要)
- (2)絆創膏等で覆ってはならない(アレルギー反応を促したり過度のアレルギー反応を引き起こしたりする恐れがあるため)
- 酸化染毛剤を使用して、かゆみ、赤み、痛み等の異常を感じた場合は、アレルギー性接触皮膚炎の可能性があるため、アレルゲンと考えられる酸化染毛剤の使用をやめる、医療機関を受診する等の適切な対応を取る。
毛染めの施術時の注意点
- コミュニケーションを通じて、酸化染毛剤やアレルギーの特性、対応策等について、顧客へ情報提供を行いましょう。
- 顧客が過去に毛染めで異常を感じた経験の有無や、施術当日の顧客の肌の健康状態等、酸化染毛剤の使用に適することと確認しましょう。
- 酸化染毛剤を用いた施術が適さない顧客に対しては、リスクを丁寧に説明するとともに、酸化染毛剤以外のヘアカラーリング剤(染毛料等)を用いた施術等の代替案を提案すること等により、酸化染毛剤を使用しないようにしましょう。