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最終更新日:2022年8月8日

株式会社Atomisが神戸医療産業都市の新拠点建設に着工

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記者資料提供(2022年8月8日)

◆趣 旨◆

 このたび、ポートアイランド(第2期)への進出が決定していた株式会社Atomisが、令和4年8月にポートアイランド新拠点建設に着工しましたのでお知らせします。
 株式会社Atomisは平成27年に京都大学発スタートアップとして設立し、多孔性配位高分子(PCP/MOF)の設計評価及び新用途開発を行う企業です。PCPは微細な孔が無数に空いた素材で、二酸化炭素・水素など特定の気体、小分子を吸脱着するように自在にデザイン可能な、ライフサイエンス・環境・エネルギー等の様々な産業分野に大きなインパクトを与えることが期待される次世代の新素材です。また、PCP研究の世界的パイオニアである京都大学高等研究院iCeMS北川進特別教授は、同社のアドバイザーとして参画しています。
 京都市内に本社・研究所を構える同社は、神戸医療産業都市へ設ける新社屋へ本社・研究所を移転し、PCPに関する基盤技術を活用して、多くの企業様へのソリューション提供のみならず、ライフサイエンス・環境・エネルギー分野における新用途開発を実施する予定です。

◆概 要◆

株式会社Atomis

 ≪企業概要≫
  ・所  在  地:京都市上京区梶井町448-5  クリエイション・コア京都御車208室
  ・設     立:平成27(2015)年2月
  ・資  本  金:1億円
  ・代     表:代表取締役CEO 浅利 大介
  ・事業内容:多孔性配位高分子の設計評価及び新用途開発
  ・従  業  員:17名

 ≪新施設の概要≫
  ・進  出  先:神戸市中央区港島南町7丁目4番9
  ・事業内容:多孔性配位高分子の基盤技術を活用し、ライフサイエンス・環境・エネルギー分野での新用途開発を実施
  ・敷地面積:3,000.01平方メートル
  ・契約内容:土地売買契約
  ・施設内容:事務所、研究所、試作棟
  ・着工年月:令和4(2022)年8月7日
  ・営業開始:令和5(2023)年4月(予定)

 ≪問い合わせ先≫
  株式会社Atomis
  代表取締役CEO 浅利 大介(あさり だいすけ)
  TEL:075-746-7845
  E-mail:daisuke.asari[at]atomis.co.jp

 ≪位置図≫
地図

 ≪ポートアイランド新拠点完成予定図≫
写真1

◆開発素材概要◆

≪多孔性配位高分子の特徴  – デザイン性≫
 多孔性配位高分子(PCP)とは有機金属構造体(MOF)とも呼ばれ、金属と有機化合物が規則性を持ち連続的に三次元構造を形成し、ナノレベルに制御された多孔性を有する物質である。金属及び有機配位子を選択する事により自由に細孔空間を設計できる(デザイン性)特徴がある。

図1
 

≪多孔性配位高分子の特徴  – 多機能性≫
 多孔性配位高分子(PCP)の整列された細孔を用いて、分子の吸着、分離、輸送、整列、合成、触媒等の機能を利用することが可能である。エネルギーや環境ソリューションの業界だけでなく、食品、医薬品、電子部品、電機、建材、化学、半導体、宇宙開発といった幅広い業界で検討されており、産業分野に大きなインパクトを与えることが期待されている。
 例えば、排気ガスや大気からのCO2分離回収や、メタン・水素といったエネルギーガスの運搬貯蔵、砂漠での大気造水、ドラッグデリバリー用途等で世界的に開発が行われている。PCPは吸脱着させたい分子の種類や用途に応じて自由に設計することが可能であり、様々な事業分野においてイノベーションを起こすことが期待される次世代の素材である。

 図2
◆企業関係者◆

 株式会社Atomisのアドバイザーである京都大学高等研究院iCeMS北川進特別教授は、多孔性配位高分子PCP/MOF研究の世界的パイオニア。金属と有機分子を用いた自己集合による新しい多孔性材料を開発し、1997年に世界で初めて、気体を大量に貯蔵できることを立証した。多孔性配位高分子の学術的・産業的価値を大きく拡げ、「配位空間の化学」という先駆的分野を創造した。これまでに数々の国際賞を受賞。ノーベル化学賞候補にも挙げられている。

お問い合わせ先

企画調整局医療・新産業本部医療産業都市部誘致課