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最終更新日:2022年8月10日

神戸市立博物館開館40周年記念特別展  よみがえる川崎美術館 ―川崎正蔵が守り伝えた美への招待― 令和4年10月15日(土曜)~12月4日(日曜)

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記者資料提供(2022年8月10日)

川崎展展覧会ポスター 
100年ぶりに国宝を含む伝説のコレクションが再会。夢の美術館がついによみがえる。

明治23年(1890)9月6日、神戸市布引の川崎邸(現在のJR新神戸駅周辺)に日本初の私立美術館「川崎美術館」が開館しました。創設者は、川崎造船所(現川崎重工業株式会社)や神戸新聞社などを創業した川崎正蔵(かわさき しょうぞう/1837~1912)です。
明治時代、西洋文化の流入が急速に進むなか、川崎正蔵は廃仏毀釈や海外流出から日本・東洋の美術品を守るために、それらの収集をはじめました。それらの優品を秘蔵せず、公開することを目的に美術館を開館したのです。
美術館は川崎正蔵の歿後も活動を続けましたが、昭和初期の金融恐慌をきっかけにコレクションは散逸。美術館の建物も災害などにより失われてしまいましたが、川崎正蔵が愛した作品は、今なお国内外で大切に守り伝えられています。
本展では、約100年ぶりに珠玉の作品が再び神戸に集います。今秋期間限定でよみがえる川崎美術館へと、ぜひ足をお運びください。
※会期中、一部の作品は展示替えを行います。展示期間の記載のないものは通期展示。

 川崎美術館外観





 
 川崎美術館外観(川崎芳太郎編『長春閣(ちょうしゅんかく)鑑賞』第6集、國華社) 
 大正3年(1914) 川崎重工業株式会社蔵

本展のみどころ

みどころ―1 名品ぞろい「川崎コレクション」
国宝2件、重要文化財5件、重要美術品4件を含む、絵画、仏像、工芸品約80件と貴重な資料を合わせた約110件を展示。 
宮女図










 

 国宝 伝銭舜挙「宮女図(伝桓野王(かんやおう)図)」
 元時代・13世紀~14世紀 個人蔵
 (展示期間:11月15日~12月4日)


みどころ―2 円山応挙の襖絵(ふすまえ)でよみがえる美術館の空間
本展では、川崎美術館を彩った襖絵を立体的に展示し、館内の空間の一部を再現します。
また、『陳列品目録』(出品リスト)を手がかりに、当時の展観の様子の一端をご覧にいれます。
応挙襖




 円山応挙「海辺老松図(かいへんろうしょうず)襖」(部分)
 天明7年(1787) 東京国立博物館 Image:TNM Image Archives


襖再現
川崎美術館1階広間 再現イメージ Image:TNM Image Archives 東京国立博物館から提供の画像を加工

みどころ―3 煌びやかな「名誉の屏風」
明治35年(1902)の明治天皇の神戸行幸で御用立てられ、「名誉の屏風」と呼ばれた5双の金地屏風。その内、海外から初の里帰り公開となる狩野孝信筆「牧馬図(ぼくばず)屏風」をはじめ、伝狩野孝信筆「桐鳳凰図屏風」、狩野探幽筆「桐鳳凰図屏風」の3双が登場します。
牧馬図左 牧馬図右
狩野孝信「牧馬図屏風」 桃山時代~江戸時代・16世紀後期~17世紀初期 個人蔵
林原桐鳳凰左 林原桐鳳凰右
重要美術品 伝狩野孝信「桐鳳凰図屏風」 桃山時代~江戸時代・16世紀後期~17世紀初期 林原美術館
サントリー桐鳳凰左 サントリー桐鳳凰右
狩野探幽「桐鳳凰図屏風」 江戸時代・17世紀 サントリー美術館(展示期間:11月8日~12月4日)

展覧会の構成

造船王と呼ばれた大実業家
第一章 実業家・川崎正蔵と神戸
天保8年(1837)薩摩に生まれた川崎正蔵は、長崎や大坂で海運業などに携わり、明治11年(1878)には東京築地に「川崎造船所」を開設しました。同14年、神戸に「兵庫川崎造船所」を開設、同19年には神戸へ造船所を集約すると、実業と生活の拠点を神戸に移しました。川崎造船所や神戸新聞社、神戸川崎銀行などを創設・経営し、日本を代表する実業家として神戸で活躍した川崎正蔵の功績を紹介します。
正蔵像 














グイード・モリナーリ「川崎正蔵翁像」 
明治33年(1900) 川崎重工業株式会社

垂涎のコレクションをご覧あれ
第二章 収集家・川崎正蔵とコレクション
川崎正蔵による日本・東洋美術の収集は、明治初期から始まりました。古美術品の看過、海外流出を憂慮した川崎正蔵は時代・地域・ジャンルを問わず、金額がいくらであろうと優品の購入を進めます。その結果、千数百点を数える一大コレクションを築き上げました。本展では、大正3年(1914)の川崎正蔵三回忌に刊行された豪華図録『長春閣鑑賞』の掲載作品を中心に、旧蔵品を通して彼のコレクションと審美眼に迫ります。
康円









重要文化財 康円「広目天眷属像」 
文永4年(1267) 静嘉堂文庫美術館

100年ぶり、ついに姿をあらわす夢の美術館
第三章 よみがえる川崎美術館
川崎正蔵は、長年かけて集めたコレクションを秘蔵することは「国の宝が埋もれること」と考え、これを公開するため、明治23年(1890)に川崎美術館を開館しました。美術館の建物は現存しませんが、当時の『陳列品目録(出品リスト)』や室内を彩っていた円山応挙の障壁画によって、室内の状況が部分的に明らかとなりました。本章では、1階の上之間・広間・三之間の3室を再現展示するとともに、『陳列品目録』を手がかりに、当時の展観の様子の一端をよみがえらせます。
猫















宣宗「麝香猫(じゃこうねこ)図」 
明時代・宣徳元年(1426) 個人蔵


「名誉の屏風」奇跡の再会!
第四章 美術とともに
川崎正蔵は美術家の支援者(パトロン)でもありました。尾張の七宝工・梶佐太郎を神戸に呼び、中国・明代の七宝焼を範とした「宝玉七宝」の製作にあたらせると、寺社への奉納、知人への贈呈など、美術の普及と交流に努めました。
また、明治33年(1900)パリ万博で名誉大賞を獲得した「宝玉七宝大花瓶」をはじめ、皇室へ美術品を献上しています。同35年の神戸行幸では舞子の行在所(あんざいしょ、有栖川宮舞子別邸)に川崎正蔵の金地屏風5双が御用立てられ、当時の新聞記事で「名誉の屏風」と称されました。そのうち、3双が本展で再会を果たします。
七宝花瓶







梶佐太郎「牡丹唐草文鐶付七宝花瓶」
明治時代後期~大正時代・19世紀~20世紀初期
名古屋市博物館

思いをつなぐ名品
第五章 川崎正蔵が蒔いた種―コレクター、コレクション、美術館
川崎正蔵の歿後(ぼつご)、金融恐慌をきっかけにコレクションは散逸し、昭和13年(1938)の阪神大水害や同20年の神戸大空襲により、川崎美術館も姿を消してしまいました。しかしながら、彼の熱意は同時代そして後世のコレクターや美術館・博物館に継承され、旧蔵品は国内外で約200点の現存が確認されています。川崎正蔵が日本・東洋美術の優品を守り伝えてくれたことが、今の私たちの、美術館・博物館における展覧会のたのしみ、美術品との出会いにつながっていると言えるでしょう。
本展の最終章では、川崎正蔵が愛蔵した2つの作品―足利将軍家から伝わる元時代の人物画の名品「宮女図」、命に次いで大切にしていた「寒山拾得図」―を紹介します。
作品を守り伝え、未来へとつないでいく―その種を蒔いた川崎正蔵の功績を顕彰します。
寒山 拾得
重要文化財 伝顔輝「寒山拾得図」 元時代・14世紀東京国立博物館 Image:TNM Image Archives (展示期間:10月15日~11月13日)

開催概要 

会場:神戸市立博物館 〒650-0034  神戸市中央区京町24番地

Tel:078-391-0035 Fax:078-392-7054 https://www.kobecitymuseum.jp/

● JR「三ノ宮」、阪急/阪神「神戸三宮」

ポートライナー/地下鉄(西神・山手線)「三宮」から南西へ徒歩約10分

● JR/阪神「元町」から南東へ徒歩約10分

● 地下鉄(海岸線)「旧居留地・大丸前」から南東へ徒歩約8分

● 新幹線「新神戸」から地下鉄(西神・山手線)に乗換え、「三宮」下車

● 神戸空港からポートライナーで「三宮」下車

会期:令和4年10月15日(土曜)~12月4日(日曜)【44日間】

※会期中、一部の作品は展示替えを行います

日:月曜日

開館時間:9時30分~17時30分(金曜と土曜は19時30分まで)※入場は閉館の30分前まで

主催:神戸市立博物館、神戸新聞社、毎日新聞社、NHK神戸放送局、NHKエンタープライズ近畿

特別協賛:川崎重工業株式会社

協賛公益財団法人日本教育公務員弘済会兵庫支部、一般財団法人みなと銀行文化振興財団

公式HPhttps://kawasaki-m2022.jp/

入場料:
 
(消費税込)  一般  大学生 高校生以下
当日券  1,600円  800円 無料
前売・団体券  1,400円  600円


※神戸市在住で満65歳以上の方は当日一般料金の半額。(確認できるものをご持参ください)

※団体は20名以上。

※障がいのある方は障がい者手帳などの提示で無料。(確認できるものをご持参ください)

前売券:令和4823日(火曜)~1014日(金曜)まで各プレイガイドで販売。

※チケットの詳細・販売場所などは展覧会公式HPをご覧ください。

※本展の入場に事前予約は必要ありません。ただし、展示室内の混雑状況により、入場をお待ちいただく場合があります。

〇新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、展覧会内容を変更させていただく場合があります。

〇新型コロナウイルス感染症対策のため、ご来館の際には、マスクの着用、検温、手指の消毒等にご協力をお願いします。館内ではできるだけ会話をお控えください。

〇館内の混雑状況によっては、入館、入室を制限する場合があります。

広報用画像に関するお問い合わせ

「よみがえる川崎美術館」広報事務局(共同PR内)担当:三井

〒104-0045 東京都中央区築地1-13-1銀座松竹スクエア10階

TEL:03-6264-2382

FAX:0120-653-545

E-mail:kawasaki-m-pr@kyodo-pr.co.jp

お問い合わせ先

文化スポーツ局博物館学芸課