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記者資料提供(2023年1月13日)
環境局自然環境課
令和3年7月に神戸市東灘区の六甲アイランド内で樹木を食害する外来昆虫のツヤハダゴマダラカミキリを確認しました。そこで、神戸市では、幼虫等が越冬している被害木を令和4年1~2月に計429本伐採・焼却処分し、駆除を進めてきました。
令和4年度においては、①ツヤハダゴマダラカミキリの分布が拡大していないか確認するため、生物判定スマホアプリ「Biome」を活用し、市民参加型の生物調査を実施しました。また、地元団体の協力を得て、②六甲アイランド情報交流センターにカミキリポストを設置し、市民が採集したツヤハダゴマダラカミキリを回収・駆除するとともに、③六甲アイランド内の公園で、親子で昆虫採集をしながらツヤハダゴマダラカミキリを防除するイベントを開催しましたので、これらの結果について下記のとおり報告します。
神戸市では、今後も継続してツヤハダゴマダラカミキリ対策を実施していきます。
中国が原産の外来昆虫です。日本固有のカミキリムシであるゴマダラカミキリに非常によく似ていますが、頭の下に白い紋がない点等で区別できます。公園の樹木や街路樹として植えられている様々な木に寄生します。神戸市では特にアキニレを中心に好んで食害しており、食害された樹木は枯死する場合もあります。国内では2002年に横浜市で初めて確認された後、一度根絶されましたが、近年、全国的に被害が拡大しています。
成虫は6月~8月に発生し、産卵後死滅しますが、卵や幼虫、蛹は樹木の中で越冬します。本種の対策として、冬期に個体が潜んでいる樹木を伐採することは最も有効な方法とされています。なお、ツヤハダゴマダラカミキリは毒性は無く、人体への被害は報告されていません。
(1)スマートフォンアプリ「Biome」とは
株式会社バイオームが開発・運営している無料のスマートフォンアプリです。生きものの写真を撮影することにより、独自のAIが種を判定します。生きものに詳しくない方でも気軽に生物を調べることができます。図鑑機能もあり、撮影した生きものの情報をその場で調べることも可能です。
「Biome」にはクエストというイベント機能があり、今回このクエストを活用し、神戸市全域を対象とした調査を実施したところ、たくさんの投稿をいただきました。
(2)調査期間
令和4年6月1日(水曜日)~令和4年8月15日(月曜日)
(3)調査対象種
外来種であるツヤハダゴマダラカミキリ、アカハネオンブバッタ、よく似た在来種のゴマダラカミキリ、オンブバッタに加え、カブトムシ、ミヤマクワガタ、クマゼミなど12種類の昆虫を対象としました。
(4)調査結果
452人の参加の下、1,152件の情報が集まりました。この中でツヤハダゴマダラカミキリについては57件の投稿があり、その全てが東灘区、大部分が六甲アイランドでの投稿でした。六甲アイランド外での投稿があった場所周辺を現地調査しましたが、成虫や樹木の被害は確認されませんでした。このことから、六甲アイランドから分布は拡大していないと判断されますが、今後も継続した調査の実施や駆除等の対策が必要であると考えています。
一方、在来種のゴマダラカミキリについては117件の投稿があり、市内全域に広く分布していることが確認されました。
詳細は別添の資料(夏休み!生きものクエスト結果発表)をご覧ください。
夏休み!生きものクエスト結果発表(PDF:9,256KB)
外来種「ツヤハダゴマダラカミキリ」について
地元団体の協力を得て、六甲アイランド情報交流センターにカミキリポストを令和4年6月1日~8月31日の間設置し、市民が採集したツヤハダゴマダラカミキリを神戸市が回収・駆除しました。
カミキリポストには、六甲アイランド内で採集されたツヤハダゴマダラカキリ162匹(オス73匹、メス89匹)の投函があり、全て回収し、駆除しました。
地元団体の協力を得て、六甲アイランド内の公園(向洋西公園・向洋東公園)で、親子で昆虫採集を楽しみながらツヤハダゴマダラカミキリを防除するイベントを、令和4年7月9日に実施しました。当日の参加者は親子48組120名でした。
ゴマダラチョウ、カナブン、シロテンハナムグリ、ニレハムシ、マダラバッタ、ケラなど様々な昆虫を子供たちが採集しました。
子供たちが採集したツヤハダゴマダラカミキリ18匹(オス9匹、メス9匹)は、全て回収し、駆除しました。