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定例会見 2023年1月12日

最終更新日:2023年1月23日

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発表項目

  • 新型コロナウイルス感染症対策
  • SDGs貢献都市 神戸 の実現を目指して
 ・KOBE里山SDGs戦略 ~生物多様性を守り、育てるために~
 ・神戸SDGs表彰の創設

 


会見資料はこちら(PDF:6,613KB)
 

新型コロナウイルス感染症対策

司会:

 それでは、ただいまより1月1回目の市長定例会見を始めさせていただきます。

 よろしくお願いいたします。

久元市長:

 よろしくお願いいたします。今日、お話を申し上げたい案件は2件です。コロナ感染症対策と、それから神戸はSDGs、持続可能な社会に向けた取組みの中で、SDGs貢献都市、ほかの地域やグローバル社会の中でも貢献したいという、そういう方向性を目指していますが、これに関連する施策を2件、御説明を申し上げたいと思います。

 コロナの感染は増えています。今日が2,972件ということで、先週に比べましたら3倍近くの数字ということで、この週単位の数字を見ても、相当大幅に増えているという状況になっております。一方で、インフルエンザの同時流行が懸念されていたわけですが、神戸市の第1週、1月2日から8日までで神戸の48か所の医療機関、これ、インフルエンザ定点と呼んでおりますが、ここから発表されましたインフルエンザの患者数が165人ということで、定点当たり3.4人ということで、流行の目安となっております1人を上回っておりますので、市内は流行期に入ったというふうに考えております。他の都市や自治体に比べて数字がすごく高いというわけではありません。

 こういう状況の中で、神戸市の現在の医療提供体制と感染の状況ですが、現在、兵庫県はフェーズⅤということとされております。病床の使用率は71%、物すごく病床の使用率が高い自治体もありますが、そこまではいっておりません。徐々に上がってきているということが言えようかと思います。

 重症者病床の使用率は53床のうち26床が使われ、53床のうち重症者は10人ということで、徐々に今上がってきているという状況です。こういうことで感染が拡大をしているわけですが、まだ通常医療を制限するというところまでは至っておりません。さらに感染が拡大し、病床が逼迫するという事態になれば、市民病院におきまして、通常医療を制限し、さらに最大465床を確保したいと考えております。ワクチンの接種につきましては、オミクロン株対応ワクチンの接種実績は、人口の分母といたします接種率は32.6%ということになっております。引き続き、接種体制を強化、拡大をいたしまして、ワクチンをしっかりと打っていただくようにしていきたいというふうに思っております。

 この感染の拡大がどういう原因で起きているのかということは、必ずしもよく分かっていないわけですが、海外における変異株の状況にも関心が集まっておりますので、その状況を説明させていただきますと、ここのところ、オミクロン株、変異株が次々に発生をするわけですが、第7波、それから第8波の初期から、BA.5系統の変異株が、これが大部分を占めていたわけです。それが徐々に減ってきておりまして、直近のこのゲノム解析、ゲノム解析には少し時間がかかりますから、直近の12月19日から12月25日の、この期間のゲノム解析の状況で言えば、従来主流であったBA.5の系統が54.5%、半分強ということで、それ以外のこの変異株の系統が増えてきているということで、いろいろな変異株がまた出現をしているということが言えようかと思います。

 この中で、報道などで注目が集まっているのがXBB.1.5の系統で、これは米国におきまして検出割合が増加をしてきていると。この米国の感染拡大というのが、このXBB.1.5の系統の増加ではないかということが議論をされております。このXBB.1.5、これは分類上はXBB系統に入るわけですが、このXBB系統の中の1つがこのXBB.1.5になるわけです。米国で感染が拡大している。それもこの中に入るわけですけれども、神戸市におきまして、初めてこれが1月5日のゲノム解析の結果、1例、発見されました。このXBB.1.5の変異株につきましては、松野官房長官が国内で4例発見されているということを定例記者会見でおっしゃいまして、この4例の中、神戸で発見されたこのゲノムの解析の結果が含まれる可能性はあるだろうというふうに思います。これははっきり分かりません。国のほうはこの4例がどこで発見されたかということについては発表しておりませんし、私どもも知らされていないので分かりませんが、神戸市で1月5日にゲノム解析の結果発見された1例、これが4例に含まれる可能性はあろうかと考えております。

 この変異株XBB.1.5がどれぐらい危険なのかということについて、必ずしもよく分かってはおりません。これまでの研究では、これはWHOの監視下のオミクロン株の亜系統として定めているものでして、ヨーロッパでも若干増加傾向があるということで、先ほど申し上げましたように、アメリカではこれが非常に増えている。どうしてアメリカでこれが増えているのかというのは、必ずしもこれも分からないわけですが、いずれにしても、この免疫逃避の傾向があって、感染者増加数につながる可能性が指摘をされています。

 一方で、感染力の強さ、それから重症度に対する影響の違いというのが、これは正直分かっておりません。いずれにいたしましても、神戸市は、新たな変異株のサーベイランスに従来から力を入れてきましたので、引き続き緊張感を持って、この変異株のサーベイラスを続けていきたいというふうに考えております。

 コロナについては、以上です。

SDGs貢献都市 神戸の実現を目指して

里山SDGs戦略の策定

 2番目が、里山SDGs戦略を策定いたしました。SDGsに貢献するということが、特に最近における神戸市政の重点課題になっておりますが、その中でも、この里山の再生ということは大事なテーマだというふうに考えております。SDGsの中でも、海の豊かさを守る、そして陸の豊かさも守る、気候変動に対応をするということなどがうたわれておりまして、それにも資するものであるというふうに考えております。この里山再生に力を入れるということは、SDGsを実現していく上での有用な項目であるということと、神戸市の都市戦略といたしまして、やはり山があり、海があり、豊かな自然の恵みを神戸市民は古くから受け取ってきた。そういう神戸市の都市としての特性を踏まえたものです。

 里山は日本の各地に見られるわけですけれども、これの価値というものが、SDGsの観点からも最近は見直されてきているのではないかと考えられます。里山は、知床半島とか白神山地など手つかずの自然ではなくて、人の手が入り続けることで維持されてきた自然です。薪を取ったり、あるいはかやぶき屋根のふき替えるカヤを取る、そういう中で人との関わりが出てきました。この里山の恵みというのを、私たちはこれからも受け取りたいというふうに考えております。

 目指すべき里山は、多種多様な動植物を育み、人と自然が共生する里山の価値が多くの人々に共有され、保全・管理・利用が継続的に行われることで、生物多様性がもたらす多様な恵みを持続的に享受できる里山を神戸市としては目指したいというふうに考えております。

 里山はまさに持続可能な姿で、本当に気が遠くなるぐらい長年維持されてきました。しかしながら、この神戸でも半世紀以上前から里山の荒廃が進んできたわけです。生活様式が変わって人の手が入らなくなる。そうすると、里山が荒廃をしていく。落葉広葉樹から常緑広葉樹に置き換わるということで、樹叢が単調になっていく。日の光が中に差し込まなくなる。日本中至るところで取れたマツタケが取れなくなってきたのは、そういうことにも原因があるのではないかと考えられています。昔の竹林、非常にきれいに整備をされて、タケノコなども取ってきたわけですけれど、こういうものも放置されて、竹やぶが繁茂をして、これが集落の中に入り込んできているというような状況が起きています。そして、耕作放棄が広がる。それからため池も管理されなくなって、水質や周辺の環境が非常に悪化するということが見られます。一方で、人と生き物が一定の距離を持って共存してきたわけですけれども、そのバランスが崩れることによってイノシシ、あるいは鹿がどんどん生息域を拡大して、生活にも影響をもたらすようになっている。また、アライグマなどの外来生物、有害鳥獣が入ってきて、生物の多様性が損なわれるようになってきている。

 私たちは、こういう状況をやはり放置できないのではないか。そのためにどういう考え方で、どういう対応をしたらいいのかということを議論してきました。その対応と戦略といたしましては、1つは里山をしっかり知る。そして、里山を守る。様々な活動をつなぎ、広げていく。そのことによって里山の生物多様性を確保していく、里山の恵みを持続的に享受できるようにしたいというふうに考えているわけです。

 里山を知る上では、里山の恵みを知るための様々な機会を提供している。例えば、やはり今注目を浴びている、自転車で移動していくような農村ツーリズム、あるいは絶滅が危惧されている非常に希少な生き物や植物などを、これがどういうものかということをレッドデータとして提供する。その前提として、市民の皆さんに、神戸市内にどんな生き物がいるのかということを調査していく取組みも進める。一方で、この生物多様性に非常に大きな悪影響を与えている外来生物というものについて理解を深めていただくために、既に自治体としては初めての外来生物展示センターもつくりました。これをさらに充実させていきたいというのが、里山を知るというための戦略です。

 里山を守っていくためには、里山を保全する区域を設定するということが考えられます。1994年からCOP、国連生物多様性条約締約国会議が2年ごとに開かれておりまして、直近では、去年の12月にカナダのモントリオールで開催をされました。そこでは、30by30、陸と海の30%以上を保全していこうという方向性が合意をされたわけです。これに対して、日本では、環境省を中心にどう進めるのかということがこれから検討されると思いますけれども、国立公園や国定公園などの保護地域、それ以外の地域、OECMと呼んでいますが、生物多様性の保全が図られていると客観的に認められる地域、これを国が登録するという仕組みが今、検討されています。神戸市でもぜひそういう方向で、里山保全区域を神戸市が指定いたしまして、そして国に報告をし、国の登録を受けられるように進めていきたいというふうに考えております。

 里山を守るためには、様々な活動が必要です。里山にいる生物のモニタリングですよね。神戸は神戸大学の環境DNA分析調査、例えば川の水を採集して、そこでDNAを分析すると、そこにいる生き物の種類が捕獲しなくても分かるというような調査、これも進める。それから、ミシシッピアカミミガメの増殖などによって生息数が極端に減っているニホンイシガメのモニタリングなども行う。暗くなった里山の森林を整備する。間伐などを行ったり、下草刈りなども行う。棚田が耕作放棄地になって、そういうエリアが広がっているわけですけれども、これを保全する活動というものも広げる。市民との協働による外来生物対策、あるいは有害鳥獣の捕獲を猟友会や農業者の皆さんと一緒に行っていく。こういうような取組みを進めていくということですね。そして、こういう里山の活動をつなぐ、広げるためにも多様な活動。耕作放棄地を減らしていくためには、やはり農業の振興、集落営農が必要で、新規就農していただく皆さんを確保することが重要です。神戸市独自のネクストファーマー制度、これはかなり多くの皆さんが登録して、参加していただいています。たくさんの皆さんに参加していただいた森林の整備も行う。それから、里山での活動を支援する補助制度ということも新しくつくりました。有害鳥獣の侵入を防止するための対策、里山の資源というものは、もともと有効に使われてきたわけですけれども、これまた新しい知恵を入れながら有効活用していく。バイオ炭を作って、これを活用するということ。それから、里山の間伐した木材などを公共建築物の内装材としても使っていく。こういうような取組みを進めていきたいと思っております。こういう形で、この神戸の財産である里山を、たくさんの皆さんに参加していただいて、守り育てていきたい。そういう基本的な考え方のKOBE里山SDGs戦略を策定いたしましたので、今日はそのポイント、基本的な考え方などを紹介させていただきました。

SDGs表彰の創設

 もう1点、このSDGsを推進していく上での表彰制度を創設したいというふうに考えております。SDGsの実現の目標に向けて、自然との共生、脱炭素、資源循環、こういうところを当面は対象とした表彰制度です。

 具体的には3つの種類、カテゴリーを設けたいと考えておりまして、神戸SDGs大賞は革新的な活動を行って、功績が極めて顕著な団体または個人を、それから神戸SDGs功労賞は長年にわたって活動し、かつ功績が顕著な団体または個人を、それから神戸SDGs奨励賞は先進的な活動を行って、今後その活躍が特に期待される新進気鋭の団体や個人を対象といたします。

 スケジュールといたしましては、1月16日に募集を開始し、3月の下旬には表彰ができるように進めていきたいというふうに考えております。

 今日はKOBE里山SDGs戦略、神戸SDGs表彰を紹介させていただいたわけですが、神戸市はこれまでも、こうべSDGs肥料、下水汚泥から作られたリンの精製、あるいはブルーカーボン、グリーンカーボン、さらに、市民の皆さんに、神戸市が取り組む様々なSDGsの施策に資金を提供していただくという形で参画をしていただく、こうべSDGs市民債の発行、こういうことを行ってきました。こうべSDGs市民債は1月11日、昨日から募集を開始いたしました。ぜひ、こういう形で、資金の提供ということも1つですけれども、市民の皆さんにこういう実際の活動に加わっていただく。その前提として、いろいろなSDGsの取組みの状況を知っていただく。いろいろな形で市民の皆さんに参画をしていただいて、また、企業の皆さんからも支援をしていただいたり、あるいは企業に働く皆さんからも参画をいただいて、神戸のSDGsの取組みということをこれからさらに広げ、深めていきたいというふうに考えております。

 私からは以上です。

※会見での説明の様子

質疑応答(発表項目)

記者:

 コロナのところで、ゲノム解析はされているということで、今、少しずつBA.5から置き換わっている傾向が見られるということなんですが、今のオミクロン対応ワクチンというのは、BA.5以降の新しい派生型の変異株にも対応するものになっているんでしょうか。

久元市長:

 それは絶対100%そうであるということは、なかなか専門家の間でも言いにくい、はっきり明言はできないと思いますけれども、いずれにいたしましても、これは変異株の中のオミクロン株の系統なんです。ですから、例えば先ほど御説明いたしましたXBB.1.5については、免疫逃避、つまり、ワクチンが効きにくくなるのではないかという指摘が一部にはありますけれども、これも必ずしもよく分かっているわけではありません。いずれにいたしましても、オミクロン株対応ワクチンの効果というものは、オミクロン株の中で変異をしてきた、そういう亜種についても効果があるのではないかというのが大方の意見ではないかというふうに思います。

記者:

 ありがとうございます。

 それともう1点、日々、感染者の数を市のほうで発表しているかと思うんですが、曜日によって結構人数が少なかったりする日とかがあって、何か今の時点でこういった特徴というか、曜日ごとのサインみたいなのってありますでしょうか。

久元市長:

これはもともと従来から、週末はPCR検査の数が減るということはやむを得ないので、月曜日には少なくなるというような傾向が見られました。今回は3連休でしたので、火曜日、水曜日については、そういうような影響もあったのではないかというふうに思います。

記者:

 XBB.1.5についてお伺いするんですけども、資料を見ていると14日以内の渡航歴はなしということで、主にアメリカで流行っているものが神戸市に入っているとなると、この方が発症したということは、市内で既に結構入ってきているという認識なんでしょうか。

久元市長:

 それは分からないですね。市内で感染したのか、あるいはほかのところで感染したのかというのは、よく分かりません。ただ、国内で感染をした可能性が非常に強いだろうというふうに思います。

記者:

 幾つか亜系統とか変異株があると思うんですけども、これについて、市長として特段気をつけてほしいとか、市民に対してのメッセージというのがあれば教えてください。

久元市長:

 やはりオミクロン株が変異をしていく。コロナウイルスが変異をしていくというのはずっと行われてきたわけで、これは想定内のことだろうというふうに思います。いずれにしても、現時点では、少なくとも神戸市内で新たな、今、米国などで話題になっている変異株が見つかったからといって、これによってコロナウイルスの危険性というのが上がったというふうには考える必要はないのではないかというふうに思います。

 いずれにいたしましても、感染は拡大していることは間違いない。それから、インフルエンザについても、流行期に入って、この流行はさらに広がっていく可能性がありますから、やはりこれまで以上に緊張感を持って、感染予防ということをしっかりしていただく。飛沫により、それが体内に入ることによって感染するということは、これもはっきりこれまで分かっているわけですから、そういうことに留意をしていただく日常生活をしっかり送っていただく。なかなか難しいと思うんですけれども、冷静にかつ緊張感を持って、注意深く日々を送っていただくということをお願いしたいと思います。

記者:

 今回創設したSDGs表彰は、今後も毎年やっていくような形で考えていらっしゃるのでしょうか。

久元市長:

 はい。今回、創設いたしまして、その状況を見ながら、2023年度以降も続けていきたいと思っています。

記者:

 50万円、10万円、30万円で大賞、功労賞とあると思うんですけれども、こういうのはどなたが審査するというか。

久元市長:

 審査委員会、選定委員会を設けることにしておりまして、今のところ、4名の有識者と環境局長を加えた5名の選考委員ですね。選考委員の5名の皆さんに選考していただこうというふうに考えています。

記者:

 SDGs戦略のほうでお伺いしたいんですけれども、これ、策定したのは今月、1月ということになりますか。

久元市長:

 これは、様々な意見を、環境局が中心になって、皆さんの意見を、実際に活動されている方の意見が多いんですけれども、学識経験者の方の意見もありますけれども、神戸市の内部作業でつくりましたので、今日、策定をしたというふうに御理解いただければと思います。

記者:

 今までも、おっしゃったように、いろいろな取組みをされてきたと思うんですけれども、今のタイミングでこの戦略をつくったというのは、今年、重点的に進めていきたい柱となるテーマの1つとか、そのあたりの思いを伺ってもよろしいでしょうか。

久元市長:

 やはりこれまでこの里山再生の事業というのは、かなりいろいろなこと、特にここ2、3年、新しい取組みを行ってきたわけですけれども、これは個別の施策なんですね。このような個別の施策というものを神戸市はどういうような基本的な考え方に基づいて、どういう方向を目指して、そして、全体としてどのような施策体系として取り組むのかということを明らかにしたいということが1つです。

 それと、やはりこの里山の再生ということについては、たくさんの皆さんに参画をしていただきたい。参画をしていただくためには、今申し上げましたような戦略というのはやっぱり要るだろう。例えば、今回、SDGs市民債を購入していただく方は、やはりSDGsということについて関心を持っておられる方が多いわけですから、そういう方に対して、この戦略もお送りをして、理解をしていただく。

 それから、こういう形で市民債を募集するということは、これからも、来年度も考えたいというふうに思いますから、やはり資金の提供をしていただく方に対して、その提供していただく資金がこういう考え方で、このような事業に充てられるんですよということをより明確にお伝えするということも目的としてはあります。これは、市民債だけではなくて、様々な分野で支援をしていただく。支援は、資金の拠出ということだけではなくて、活動への参画とか、あるいはSNSなどでメッセージを発信したり、議論が行われるということも頻繁に行われているわけですけれども、そういうような中でも議論の材料にしていただくということもあり得るのではないだろうかと。そういう思いで、大きく2つの目的で策定をいたしました。

記者:

 あと、コロナの変異株のところで1点だけ確認なんですけれども、変異株のいろいろな系統の割合というのは、全国的な傾向とそんなに変わらないという理解でいいんでしょうか。

久元市長:

 それは分からないです。ほかの自治体でここまで明確に発表しているところはないと思いますから、ほかの自治体と比較するのは多分難しい。国が発表している状況等がもし分かれば。

職員:

 同じようなことをやっているところとしましては、東京都がやはりこういう報告をされています。あと、国はアドバイザリーボードですね。このBA.5系統、これがこれまで優先しておりましたが、これが約半数程度になって、他のBF.7、BQ.1系統、それからBA.2.75系統を中心に置き換わっていっているという、この傾向は、国、そして東京都、そして神戸市、非常に似た経過をたどっております。

記者:

 1つ、コロナで感染がかなり広がってきているというところで、重症者はそれほどまだ多くないのかなという印象は受けているんですけど、現場のほうなのかもしれないですが、第8波の患者の傾向といいますか、重症、軽症などの状況を少し教えてほしいのと、それから、保健所と、あと、医療現場の業務の逼迫状況といいますか、現状についてお伺いできますでしょうか。

職員:

 患者さんの状況につきましては、重症化はどんどん減っていっているというか、軽症者が多い状況です。基本的に、入院をしないといけないような方は高齢者の方が大半でありまして、誤嚥性肺炎みたいな形での重症化がひどくなるのを防ぐというところになっています。入院が必ず必要な方につきましては、必ず24時間以内には入院できているような状況になっています。

 それから、保健所の職員につきましては、患者さんが増えれば増えるほど、やっぱり対応しないといけない業務量は多くなってくるんですけれども、基本的に少し休みを取らせるために、集中管理できるものは集中管理して、派遣の方とかにお願いして、少し職員の休みを取らせていただいたりとかして、少しずつですけれども、みんなの就業時間をちょっと短くするようにはしております。

記者:

 当時、第4波のような逼迫が大変な状況があったと思うんですけど、その状況にはもちろんなってはないと思うんですけど、そのあたりはいかがですか。

職員:

 第4波のときには本当に治療もなかったですし、酸素を必要とする人が自宅にいらっしゃることも多くありましたけれども、一定、治療ができているという、治療ができるようになったということと、それから、ワクチンを3回打っている方はかなり症状が軽く済んでいるような傾向もあって、たくさんの方が酸素を必要とするような状況に今なっていませんので、少しの酸素の人は、往診の先生の指示に基づいて、少し酸素が入っている方もいらっしゃいますけれども、以前の、いつどうなるだろうというような、精神的にかなり負担を持つような状況では今はないかなというふうに思っております。

記者:

 もう1点、SDGsのほうでいろんなことに取り組んでいかれるということなんですけど、SDGsに物すごく関心の高い人とそうでもない人でかなり感覚的に温度差があるのかなという印象を持っているんですけど、先ほど市長もおっしゃったように、いかにこの活動に参加してもらうかというところが大事になると思うんですが、そのあたり、市民に広く伝えていく上で、どんな工夫をしていこうとか、そのあたり、どのようにお考えでしょうか。

久元市長:

 まさにこのSDGs戦略をつくったのも、分かりやすく市民の皆さんに、SDGsの基本的な考え方、そこの中でも、神戸は自然に恵まれている大都市なので、神戸で古くから存在してきたこの里山の現状を考えると、これを再生していくことが不可欠だということをぜひ分かりやすく市民の皆さんに伝えたいというのがこの戦略です。

 この戦略につきましては、今日、こういう形でパンフレットも作りましたし、これをできるだけより端的に伝わるような、もっと簡略な、カードがいいのか、違う方法でこれを発信する方法、デジタルサイネージですとか、動画だとか。

 それから、全体から見れば割合は少ないかもしれませんけど、ものすごく熱心にSDGsの活動、その中でも、里山の再生に取り組み始めた方々がすごく最近は目立つようになってきています。「リコラボ」という団体がありますが、ここは大学生の皆さんが相当多数参加していただいて、神戸市外からもかなり遠くの方、学生の方々が参画をして、汗を流しているという、そういう姿に私も何回かお会いをして意見交換したこともありました。これをいかに広げていくのかということですよね。息長く、粘り強く、かつ効果的にそういう取組みを進めていきたいと思います。

記者:

 まず、XBB.1.5ですか、これは、県内初めてかどうかというのは分かりますか。確認です。

職員:

 私が把握している範囲では、ちょっと県内での報告は聞いておりません。ただ、ちょっとこれも確認のしようがないので、申し訳ないですけれども、分かりません。

記者:

 あと、コロナの発熱外来等がひっ迫している県とかの報告があるんですけど、神戸については外来とかのひっ迫状況というのはどうなんでしょうか。

久元市長:

 全体的な受け止めといたしましては、患者さんは増えています。しかし発熱外来で、もうとても対応し切れないから、診察が受けられずにお引き取りいただいたということはないというふうに承知をしています。

記者:

 ありがとうございます。あと、里山SDGsなんですけども、戦略にも書いてあるんですが、里山ってほとんど私の土地というか、私有地なんですけども、それに行政が関与して、いろいろするというのはなかなか難しい面があると思うんですけども、それについてはどういうふうに考えられているんでしょうか。

久元市長:

 やはり、これは神戸市が中心になって、そして参加していただく皆さんと一緒に、地権者の方に協力をいただくということ、従来からもやってきています。もちろん全てがスムーズにいくわけではありませんが、こういう山林を持っている方々の理解というのも広がっていると思っています。例えば北区の小河の山林なども、これも住友林業さんに、これは、住友林業さんは山林の管理についてはトップレベルのノウハウ、それから人材もおられる会社ですけれども、支援をいただいて、そして、そういう方々の理解をどういうふうに得ればいいのかということも含めてアドバイスをいただいて、かなり、小河の山林での活動も、取組みが進んでいますね。それから先ほど申し上げた学生の皆さんの「リコラボ」の活動も、これもまさに私有地なんですよね。耕作放棄地、あるいはもう放棄されそうな田畑で活動が行われているわけですけど、これも地権者の方がむしろ進んで協力しようというような話も承知をしておりますから、少しずつかもしれませんが、そういう理解が所有者の方にも、間でも進みつつあるというふうに受け止めています。

記者:

 コロナの関係で1つお尋ねなんですけども、今、感染者増える一方で、感染症の2類相当から5類への引下げという議論が本格化していると思います。昨日、厚労省の専門家会議が段階的に引き下げる場合の手順というか、そういう提言もしていたと思うんですけども、市長の考えとして、たしか半年ぐらい前に質問が出たときは、やっぱり普通の風邪とかインフルエンザとは少し違うので、5類への見直しというのは慎重になるべきだというお話だったと思うんですけども、現時点での市長のお考えを伺ってもよろしいでしょうか。

久元市長:

 そうですね、前回そういうふうに申し上げたときから比べれば、変異株、変異が進んできた今のオミクロン株については、少なくともいろいろな、さらに亜種が様々に発見されているということもありますが、全体としては、重症化のリスクというのは下がってきているということは事実だというふうに思います。

 ただ、これを完全に2類から5類に変更して、5類のほかの病気と同じようにしていいのかどうかということについては専門的な検討が必要で、例えば、重症化のリスクは低くても、感染が爆発的に拡大したときには重症化する方の割合が低くても数が相当増えると、そうする入院調整がなかなか難しくなるというようなこともありますし、それからこれを通常の保険診療にするのか、あるいは従来どおり公費で負担するのかといったような問題とか、あるいは、5類にした場合に、どのような状況に応じてどのような行動抑制についての対応をするのかというようなこと、これ、課題はたくさんあると思うんです。これにつきましては、やはり自治体として、もう2類から5類にすることが適切ですということを言うほどの自信はありません。こういうことについて、今まさにアドバイザリーボードで検討されているところだと思いますが、そこをしっかりと議論をしていただきたいというふうに思います。

質疑応答(発表項目以外)

記者:

 今日、新年最初の定例会見ということで、年頭の職員向けの御挨拶の中でも、地元の経済の回復と、それから神戸空港の国際化、それに向けていろんな対応をしていかないといけないと、触れておられましたけど、改めまして、この1年、どんなことに取り組んでいきたいというふうにお考えでしょうか。

久元市長:

 やはり、今日も御説明しましたけれども、感染が拡大していますから、目の前の、まさに危機と言ってもいいと思うんです、危機がずっと続いている状態、こういう、今、目の前の危機に対して緊張感を持って、的確にスピード感を持って対応するということが不可欠です。その上で、やはり私たちの日常生活をしっかり守る、経済活動との両立を図っていくということが不可欠で、これもいろいろな経験とか知恵とかが積み重ねられてきましたから、そういうようなものに依拠しながら、今申し上げたような対応をしていきたいというふうに考えております。

 その上でやはり、昨年は神戸空港の国際化も決定されました。あと長年、ここ10年近く計画を立ててきた三宮の再整備とか、都心の再生、ウォーターフロントの再整備、それから郊外を含めた拠点駅のリニューアルというのはかなり確実に進んできましたし、それから、神戸がやはり発展してきたのは陸・海・空の交通の要衝であったということだと思いますから、これの陸・海・空のインフラというものをしっかりと、より強固で力強いものにしていく、こういう取組みが神戸の発展にとって不可欠ですから、こういうインフラ整備とまちづくりですよね、これをしっかり行っていくということ、これを、スピード感を持って進めていきたいと思います。

 同時に、やはり格差の拡大、それから子供たちの貧困の問題、なかなか光が行き届いていないという問題が従来から、コロナの前からあったわけです。これが、コロナへの対応が、感染が長引いている、それからウクライナ、戦争に伴う社会経済の混乱によって物価がすごく上がってきているということで、厳しい状況に置かれている方がより厳しい状況にあるということが今ありますから、これについてはなかなか、一自治体で全て対応することはもちろんできないわけですけれども、国の支援をしっかりと、神戸市の施策の中にも取り込んで、こういう格差問題ということに対して、有効な施策ということを企画し、実行していくということ、これは、今、編成中の2023年度予算でも大きなテーマです。大きく言いますと、そういうような基本的な考え方で今年度の神戸市政に取り組んでいきたいというふうに思います。

記者:

 そのメッセージの中にも、もう1つ、市役所内部の業務改革についても積極的に取り組んでいくというお話があって、そこの中に、庁内の業務に時代に合わない業務がまだまだあるなというふうに感じますというふうにおっしゃっていますけども、例えば具体的にこういったところはまだまだ変えないといけないなとか、実際に市長が今、思いを持っておられることがありましたら教えてください。

久元市長:

 例えば市民の皆さんとのいろんなやり取りがありますね。市民の皆さんから見て、例えばこういうところが、例えば街灯が切れているとか、防犯カメラが作動しなくなっているとか、道が壊れているとか、街路樹が生い茂っていて非常に広範に問題になっているとか、そういうことを、情報を収集する。市民の皆さんから提供していただくためにいろんな改善策を講じてきたんですけれど、まだまだそういう点は十分ではないと。あとは、いろいろな手続ですよね。市民の皆さんからの申請や届出の手続とか、例えば保育所への入所手続も大分改善してきましたけれども、これもまだまだ市民の皆さんが求めるレベルには達していないと思うんですね。こういうところを、DXをさらに有効に活用して取り組んでいくということが不可欠です。

 特に、これ、率直に申し上げますと、頭を悩ませているのは、規模の小さな自治体であれば、これは比較的、例えばDXが担当する部局が旗を振れば、小さな自治体であればそれが浸透します。これは神戸だけに限らず、特に都道府県よりも大都市自治体というのは業務がものすごく多岐にわたっていて、市民の皆さんと接触する、直接関わる分野というのはものすごく幅広いわけです。ですから、それぞれの部局がそれぞれの仕事ごとにいろいろな手続を決めて、そして今まで長いこと紙ベースでやってきた、電話とかファクスというようなことでやってきた。これをできるだけ統一的な考え方で進めていくということは、どこの自治体も頭を悩ませているところなんですね。これをぜひ、企画調整局が全体の企画・立案とか、実際に実施も当たっているんですけれども、これをばらばらではなくて、横串を刺して、縦割りではなくて、統一した考え方と方針の下に利便性を高めていくということが大変大事だと。ぜひそういう方向で、職員が一丸となって、より便利で、親切な市民サービスができるように取り組んでいかなければいけないということを年頭に当たって改めて強く決意をいたします。

記者:

 一部報道で出ていたことについてなんですが、神戸空港と三宮を結ぶ新たな鉄道を敷設するということについて神戸市で検討しているというのは事実ということでよろしいでしょうか。

久元市長:

 検討しているというところまでは言えないと思いますね。少なくとも勉強しているということは事実です。ただ、新しく地下鉄をつくるということを、そこに絞って勉強しているわけではありません。少なくとも神戸空港が国際化をする、そして2030年に定期便が就航するというふうになったときに、今のポートライナーで十分なのかということは、これは考えないといけないわけですね。

 そのためにどんな方法があるのかということについては、これはやっぱり幾つかの選択肢を当然考えないといけないわけで、その1つが新しく鉄道を引くということが可能なのかどうかということです。まだこれは、どういうシステムで、どこが事業主体になって、ましてやどういうルートにするのかなどは全く何も材料はありません。こういうことを考えなければいけないというところです、今の段階ではね。

記者:

 では、三宮と神戸空港を結ぶということも課題だというふうに世間的には言われているかと思うんですが、三宮以外にも、新神戸と結ぶというのが大事なのではないかといった議論であるとか、あるいは既存の阪神、阪急、JRが神戸空港まで乗り入れることが必要なのではないかといった議論なんかもあったりするかと思います。今、市長としては、そういったもの、どこと神戸空港を結ぶのが、順番といいますか、優先度みたいなのを考えになっていたりすることはあるんでしょうかということなんですが。

久元市長:

 まず考えないといけないのは三宮と神戸空港ですね。それから、新神戸駅と神戸空港ですね。それから、それ以外のエリアとのアクセスですね。特に3空港懇談会では、神戸空港の国際化を含む利活用に当たっては、神戸以西の需要をしっかりと喚起して取り組んでいくということが指摘されていますから、そういう神戸以西とのアクセスというのも、これも重要なテーマなんですね。そういうことを考えていかなければいけません。

 その中でも、特に最初の2点について言うと、新神戸駅とは、これは道路で結ぶというのが基本だろうと思います。これは新神戸駅だけの問題ではありませんが、空港連絡橋も4車線化が、近い将来というか、間もなく実現をいたします。港島トンネルを北伸させる、新神戸トンネルを南伸させるという方法が、これは一番現実的で、これもまだ計画が具体化しているわけではありませんが、それは、そういう必要性を私どもは国土交通省にも相談をしながら、これを、具体化に向けた検討をしているということは事実です。

 一方で、三宮との間では、これはバスと、それからポートライナーがあって、ポートライナーが主要な輸送機関になっているわけですね。しかし、このポートライナーは、開通して、あれは1981年でしたかね、開通したのはね。もう40年以上になるわけですよ。状況が非常に大きく変わっている。それから、もともと車両が小さいという問題があって、そういう神戸空港の利活用が大きく進んだときに対応できるのかという問題があるわけです。

 一方で、このポートライナーについては、これはコロナで状況が少し変わってきているという面もありますが、時間帯によって乗客数がかなり違う。特に朝の通勤時間帯が非常に混雑すると。そこのピークに対して対応するということがこれは不可欠ですね。今もその時間帯はバスを走らせているわけですね。しかし、それで十分なのかという問題がやっぱりあって、そういう観点から、三宮と神戸空港の間には鉄道輸送ということを、今のポートライナーの存在を前提として、考える必要というのは、これは間違いなくあるということは言えようかと思います。

記者:

 逆に言うと、三宮と神戸空港以外のアクセスというのは、新たな鉄道というのは基本的には必要ないであろうというふうにお考えだということですか。

久元市長:

 必要ないと断言できるかどうか分かりませんが、先ほど申し上げましたように、新しくポートライナー以外の鉄道システムをつくるとしたときに、それをどこが、事業主体をどうするのかということについては、まだそこまで検討は行っていないので、どこと組むとかというのは、まだその問題、そういう論点自身が現時点ではまだないということです。

 

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