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定例会見 2022年(令和4年)3月22日

最終更新日:2022年3月22日

ここから本文です。

市長会見の模様をお届けします。



・ウクライナ避難民受け入れ支援
・新型コロナウイルス感染症対策
・マンションの管理適正化の推進
 -マンション管理状況の届出・情報開示から1年-

会見資料はこちら(PDF:1,944KB)

・ウクライナ避難民受け入れ支援
・新型コロナウイルス感染症対策
・マンションの管理適正化の推進
-マンション管理状況の届出・情報開示から1年-
・質疑応答(発表項目)
・質疑応答(その他)

ウクライナ避難民受け入れ支援

司会:

 それでは、3月2回目の定例会見を始めます。

 市長、よろしくお願いします。

 

久元市長:

 よろしくお願いいたします。

 今日お話を申し上げたい案件は3件です。ウクライナ避難民の受入れへの対応、それから2番目がコロナウイルスへの対応、3番目がマンションの管理につきまして、御報告を申し上げます。

 ウクライナへの対応ですけれども、ロシアがウクライナに侵攻した直後、神戸市は議会の決議を踏まえまして、直ちに支援金をユニセフに寄附させていただきましたし、また、「BE KOBE」のモニュメント、ポートタワー、市章山のライトアップなどを行いまして、ウクライナへの市民の共感の気持ちを表明させていただきました。

 残念ながら、その後、状況は極めて深刻になっておりまして、多数のウクライナの人々が周辺国に避難をしている。こういう状況を受けて、我が国もウクライナの方々を受け入れる方針を国は示しております。これを受けまして、神戸市もウクライナの避難民の方を受け入れる体制を構築いたします。これは状況の推移に応じて逐次行っていくことが必要になろうかと思いますので、当面の対応ということで御理解をいただきたいと思います。

 神戸市は市内で、外国人の皆さんに対する、外国人の市民の皆さん、それから外国人で神戸市内に滞在されている方々に対する支援をするNPOや様々な団体が多数存在をしておりまして、活発に活動をしているというのが、これは神戸の特徴ではないかというふうに思います。したがいまして、ウクライナの皆さんを受け入れる際にも、こういうような皆さんとしっかりと連携をしながら、一体的に効果的な支援をすると、こういう体制をつくっていくということが重要ではないかと思います。神戸市が言わばつなぎ役といいますか、コーディネーター役になって、これらの思いを持った方々がたくさんいらっしゃいますので、効果的なネットワークをつくっていくということが重要ではないかというふうに思います。

 そういうような考え方の下に、まず行わなければいけないのは、ワンストップで生活相談をする窓口の設置です。国際コミュニティセンター、貿易センタービルから新長田のほうに移転をしましたけれども、このコミュニティセンターにおいて、ワンストップの相談窓口をつくる。つまり、生活の全般の相談、それから在留資格の相談、これは出入国在留管理庁の所管になりますが、こういうような部分も含めて相談を受け付けると。兵庫県のほうも既に支援相談窓口も開設をしておられますから、緊密に連携をして対応するということです。

 それからもう1つは、日常生活をしっかりサポートするということで、国際コミュニティセンターが中心になりまして、神戸市内の外国人支援団体のネットワークをつくるということです。神戸市、それから国際コミュニティセンター、そして兵庫県の国際交流協会、そのほかに市内のNPOの法人、例えば神戸定住外国人支援センター、あるいはNPO法人Oneself(ワンセルフ)、公益財団法人PHD協会、それ以外にもたくさんの支援団体がありますから、こういうような方々と「KOBEウクライナ支援ネットワーク」、これを設置いたしまして、こういう方々に集まっていただいて、情報交換をして、神戸に避難をされたウクライナの方々に対して一体となって、連携して、効果的な支援をすることができるようにしたいというふうに考えております。

 それから、神戸で受け入れる方々への生活支援を目的とした独自の募金もスタートさせたいと思っておりまして、近々、神戸市社会福祉協議会の中にこの募金を設置するということにいたします。

 それから、日本に来られたウクライナの方々への言語サポートも重要です。国際コミュニティセンターの中には、災害時の通訳ボランティアの方々がいらっしゃいますし、これらの方々以外にも、市内にはたくさんの留学生の皆さん、あるいは語学が堪能な学生の皆さん、それから、国際的な分野で活躍をして一線を退いておられる方々も多数いらっしゃいます。そういうような方々の協力をいただきながら、通訳の支援をしたいと思っております。

 それから住宅の関係です。市営住宅については、当面50戸を提供する体制は整いました。それ以外にも、JICAの国際研修員宿泊施設、それから、民間のNPOで宿泊施設を持っている団体もいらっしゃいます。そういうことで、現在は神戸市が市営住宅50戸、それ以外で大体50室ぐらいを確保できるのではないかというふうに考えていますから、当面100室ぐらいの住居を提供できるのではないかというふうに考えております。

 こういうような形で、状況がこれから目まぐるしく変わっていくと思いますので、そういう状況の推移に応じながら、神戸市としてのウクライナの方々に対する支援を行っていきたいと考えております。

新型コロナウイルス感染症対策

 2番目はコロナの関係です。今日の数字ですね。今日は247件ということで、1週間前に比べれば減っていることは事実です。しかし、下げ止まっているというのが表現としてはふさわしいかもわかりません。減っているけれども、なかなかすとんと落ちないということですね。この原因は必ずしも解明できていないわけですけれども、やはりそういうことを前提にして、私たちは注意深く行動していくということが重要です。

 行政の役割は、やはりコロナの感染の状況ということをできるだけ具体的に、正確に伝えていくということが大事です。神戸市として力を入れてきたのが、変異株のサーベイランスの状況を、できるだけ迅速に正確に市民の皆さんにお伝えをするということです。現在はオミクロン株の系統の状況についてのサーベイランスに力を入れております。

 前回も少しお話をしましたけれども、その後の状況を見ますと、現在は国内のコロナウイルス、これは完全にオミクロン株に置き換わったというふうに考えられています。このオミクロン株の中で、BA.1の系統とBA.2の系統があるということで、私どもの健康科学研究所のサーベイランスでは、ここ最近急速に、オミクロン株の中のBA.1の系統からBA.2の系統に急速に置き換わっているということが起きています。

 直近の3月7日から3月13日のゲノムの、これは確定した数字です、ゲノム解析をして、確定した数値でいうと、19.2%、2割ぐらいがBA.2の系統に置き換わってきているということが分かっています。このBA.2について、どういう特徴があるのかということですけれども、これはBA.1に比べて世代時間が15%短い。つまり、感染してからほかの人にうつすまでの期間が短いということが指摘をされておりまして、実効再生産数が26%高いということ。この状況は厚労省の感染症対策アドバイザリーボードの説明ですけれども、つまり感染させるまでの時間が短い、それから感染力が若干強いということ、こういうことが分かっておりますが、同時に、入院リスクや重症化リスクについてはBA.1の系統とは大きな違いが見られないというようなことが分かっております。

 ぜひ、こういう変異株の特性ということについては、これは自治体の力ではなかなか解明できませんから、そういうところを国立感染症研究所などでしっかりと、国民に対して周知してほしいというふうに考えております。

 自治体としてやらなければいけないのは、変異株の感染の状況です。ゲノム解析をすれば、これが最終的に確定できるわけですけれども、検体を採取してからゲノム解析の結果が出るまで大体2日から5日ぐらいかかるということが分かっています。

 もっと早くできないかということで、これは神戸市健康科学研究所の独自の研究によりまして、早い段階で、PCR検査でBA.2の変異株かどうかということを解明する、そういう手段を開発いたしました。このPCR検査はT547K変異株PCR検査というものです。T547K変異というのは何なのかというと、これはコロナウイルスのスパイクたんぱく質、547番目のアミノ酸が、T、スレオニンからK、リジンに置き換えられたもの、これがこのT547K変異と呼ばれる部分です。これが学術論文、これは研究所で見つけた学術論文ですけれども、このT547K変異は、BA.1系統に存在する変異で、これがあるかどうかというのは、PCR検査でこれが分かるわけで、このPCR検査でこの変異があれば、BA.1系統ではない。これがなければ、全てオミクロン株に置き換わっているという状況では、これはBA.2系統の疑いが大変強いということが分かりました。このPCR検査は、これは1日で分かるわけです。3時間ぐらいで分かるわけです。そして、2日から5日ぐらいかけて、このゲノム解析の結果で確定するわけですが、これが最終的に、このPCR検査で、先ほどの変異がないものは、全てゲノム解析の結果、このBA.2系統であるということが確定をいたしましたので、つまり、このPCR検査は、これでBA.2系統であるということが解明できるということが実証されたというふうに考えられます。

 

 こういうことで、できるだけ早く、ホームページにもこのPCR検査の速報値と、それからゲノム解析の確定値、これをできるだけ早く掲載をいたしまして、この置き換わりの状況を市民の皆さんに迅速、正確に伝えて、そして感染予防の行動につなげていっていただきたいというふうに考えております。

 

 それから、このコロナの対応で、今日お話をしたいことは、後遺症の状況です。コロナに感染をし、回復をした後、後遺症に苦しまれる方が多数いらっしゃるということは、これは報道されてきました。神戸市は、昨年の11月からこの後遺症相談ダイヤルというものを開設いたしまして、そして様々な相談に乗ってきました。11月から3月21日までの間に、1,340件の相談が寄せられております。相談の内容は、受診可能な医療機関を教えてほしいとか、あるいは症状についての相談など、そういうような相談が寄せられてきます。あわせて、この後遺症がどれぐらいの感染者の方に残るのかということ、どれぐらいの期間残るのか、どういう後遺症が残るのかということについては、これまであまりその実態が知られていなかったわけですが、神戸市はこの後遺症の状況をやはり正確に把握する必要があるというふうに考えまして、後遺症に関する実態調査を行いました。後遺症ですから、この調査は、感染されてからしばらく時間がたった時点で調査をする必要があります。

 

 今回の、今日、御報告をいたしますこの実態調査は、第4波の感染者の方です。第4波は、おおむね3月1日から6月30日まで、アルファ株によって引き起こされた波だと考えられておりまして、今回の調査は、この期間の中の4月中の感染者の方、4,276人の方を対象にアンケートで調査をいたしました。そして、この4月中に感染された方に対して、大体半年以上たった、去年の12月から1月にかけてアンケートを実施して、4,276人のうち1,621人、4割弱の方から回答をいただきました。

 

 この調査の結果ですけれども、ほぼ半数近くの方が、48%の方が、回復をしたけれども、その後、後遺症が残った、あるいは現在もその後遺症があると、こういうふうに答えられています。半数近くの方が後遺症に悩まれた、あるいは現在も悩まれているということです。そして、その年代別に見ると、70代が56%、60代が58%、50代が53%ということで、年齢が上がると、80歳以上になると下がるんですけれども、シニア世代の方が、かなり後遺症が残っているということが分かってきました。それから、基礎疾患がある方は、54%が後遺症があった。基礎疾患がない方が44%ですから、10%程度、基礎疾患がある方のほうが、後遺症が残る傾向が見られたということが言えます。しかし、これが有意な差であるのかどうかと、有意な差というか、基礎疾患がない方でもかなり後遺症が残ると。基礎疾患があれば後遺症がすごく残って、なければ後遺症が残らないというふうには言えないということも、一方で言えようかと思います。

 

 それで、この症状ですけれども、倦怠感、だるさ、咳、筋力低下、息苦しさ、味覚障害などが後遺症として挙げられます。そして、この後遺症が治るまでの期間が、この青が30日以下、オレンジが31日から60日、グレーが61日以上で、黄色が今も継続をしているということです。これで見ると、筋力低下とか、あるいは息苦しさとかだるさとかというのが、現在も残っている方が多数いらっしゃるということが分かります。このアンケートで、困ったこととしては体調面や健康面での不安、それから家族への感染などが困ったこととして挙げられております。

 

 こういう後遺症に悩んでおられる方に対して、どういう対策が考えられるのかということですけれども、やはり後遺症が終了した方についても不安があると思いますし、現にまだ後遺症がある方については、やはり無料で健診をしてほしいという要望がかなりあります。そこで、神戸市はもともと健康診査を行っておりまして、この健康診査の対象に、この後遺症、コロナにかかって後遺症がある方も対象にするということをしたいと考えております。神戸市の健康診査は、40歳未満で健診の受診機会がない、あるいは生活習慣病の治療中でないような方を対象にしているわけですけれども、この健康診査に後遺症のある方を加えるということで、無料で検査ができるようにしたいというふうに考えております。

 

 もう1つはリハビリです。特に筋力の低下に悩まれる方がかなりいらっしゃいますので、このリハビリをしていただく。神戸市は、健康ライフププラザ、兵庫区の健康ライフプラザで健康リスク改善事業というのを行っております。市内在住の65歳以上の方、あるいは健康面でリスクがある方を対象に6か月間、月1回の体力測定や運動指導などを行っているわけですが、ここに行っていただくと。後遺症に悩んでおられる方は、ここに行っていただいて、無料でそういう筋力を回復するための運動指導などをしていただきたいというふうに考えております。

 

 もう1つは、後遺症相談を充実させるということで、アンケート結果を医療機関にも提供して、適切な受診につなげていただきたいと思っておりますほか、精神面のダメージもあると思いますので、心の相談、あるいは周囲への理解ということも言われておりますので、後遺症というものの症状の周知や、あるいは啓発なども行っていきたいと考えております。後遺症相談ダイヤルに、お気軽に御相談をいただければというふうに思っております。

 

 こういう形で、現在の状況をどう捉えたらいいのかということですけれども、やはり感染がなかなか急激に減少はしていない、下げ止まっているわけですから、やはりオミクロン株は重症化することがない、感染してもたいしたことがないというふうには、これは言えないと思います。やはり感染のリスクということをいかに抑えるか、そのためにどういう行動をすれば危ないのか、どういう行動をすればリスクを下げることができるのかという、経験とか知恵とかというのは、もう2年余りの間に、私たちの間に蓄積されていますから、そういうような知識、経験に依拠して、そして感染予防の行動につなげていただく。緊張感を持って対応すると同時に、私たちの平穏な日常生活をしっかり守っていくと、ここのところが、今、私たちは問われている。行政は、そういうような賢明な行動をしていただくために必要な情報を、正確、迅速に提供をしていきたいと考えております。

 

 今までの経験から、やはり家の中に閉じ籠もりっきりになるということは、いろいろな幅広い年代を通じて、健康面のリスクがあります。やはり感染に気をつけていただきながら、外で体を動かしていただく、適切な外出の機会も持っていただくということも重要ではないかと思います。開かれた空間で、外の世界も楽しんでいただくということも大事ではないだろうだろうかと。決してそのことを目的としてやるわけではありませんけれども、例えば三ノ宮駅の、JRの三ノ宮駅の南側の広場、これは今、更地になっていますので、キッチンカーが毎日出店するような取組も、4月1日からスタートをさせます。開かれた空間で、外の空気を吸って体を動かしていただくような取組、例えば、これは外ではありませんが、六甲アイランド、これは長いことがらんどうの殺風景な空間だったロビーが、見違えるような形で、子供たちが遊ぶふわふわドームを置いたりして、芝生広場も置いて、ここでゆったり楽しんでいただく空間をつくりますし、それから北神急行が市営化されまして、市街地との距離が近くなった。谷上にハイキング拠点ロッジ谷上を既に3月19日から運用しております。神出山田自転車道を数年前にリニューアルいたしました。ここで5月19日までの間、クロスバイクの貸出しも行っていただいて、野外で伸び伸びと体を動かして、日常生活とコロナとの両立をやっぱり図っていただくということ、そういうような取組も神戸市として行っていきたいと考えております。

マンションの管理適正化の推進

 

 3つ目のテーマがマンションの適正管理です。神戸市は、独自のマンション管理の取組として、届出・情報開示の仕組みをつくりました。これが1年たちましたので、その状況を御説明いたします。

 

 市内の分譲マンションは約22万戸あります(市内全住戸82万戸)。神戸市は震災があったこともあって、集合住宅の割合が大都市の中でも高い、マンションが多いということが言えます。同時に、マンションは次第に築年数が経過していきますと、管理が重要になってくる。5年、10年、15年もたつと、新築のマンションはもちろんできるわけですけれども、築年数が長い、大分以前に建てられたマンションが増えていくことになります。神戸市は、大都市の中でというか自治体の中では極めて独自の取組だと思うんですけれども、高層タワーマンションを規制するという考え方を取ってきました。そのために条例改正も行ってきました。一方で、高層タワーマンションを規制するだけではなくて、この目的はやはり分譲型の高層タワーマンションが本当に持続可能なのかどうかという観点からの対応ですから、高層タワーマンションも含めてしっかりと管理が行われることが重要です。そういうことで、神戸市は届出・情報開示の仕組みをつくったわけです。

 

 その背景としては、マンションの管理について様々な問題がある。役員の担い手不足、私も東京で管理組合の理事長を2回やったことがありますが、これはなかなか大変でした。マンションが大規模・複合化している、修繕積立金が不足している、それから区分所有者が高齢化あるいは住んでおられない方がいらっしゃる。高経年マンション、修繕不足、こういうような問題が生じる。これは全て管理組合、居住者の皆さんの責任で解決していただかなければいけないのが分譲マンションの宿命です。

 

 そこで、神戸市は分譲マンションの適切な管理が行われるようにいろいろな研究会も行って、去年の3月にマンションの管理状況の届出・情報開示制度をスタートさせました。そして、神戸市の取組も恐らく国のほうも参考にされたと思いますが、マンション管理適正化法が制定されて、この4月に施行されることになります。

 

 神戸市が去年の3月にスタートさせた管理状況の届出・情報開示の仕組みですけれども、マンションの管理組合が、神戸市がお示しする項目についての情報を神戸市に届出をしていただく。そして、届出をいただきました内容について、もちろん管理組合の了解を得た上で、神戸市のホームページで個々のマンション管理組合ごとにその状況の情報公開する、情報開示するというものです。この情報開示の制度は、恐らく神戸市が自治体として初めて取り組んだ内容です。

 

 どういうような届出をするのかですけれども、管理の状況、総会の開催状況、空き住戸、賃貸化住戸の割合、管理費の状況、修繕積立金、金融機関からの借入れの有無や大規模修繕工事の実績や予定、あるいは防災対策、訓練の取組やコミュニティー活動の状況を届け出ていただいて、その届出内容を神戸市のホームページに個別に開示するというものです。

 

 この仕組みによって、マンションの状況を十分分かっていただいた上で中古マンションを購入するかどうか判断していただくことができるわけです。これが広がっていくと、神戸市に移り住んで、外から神戸市に来られる方はどこに住むのかが非常に重要な要素ですから、マンションに入居される方もたくさんいらっしゃるわけですから、マンションを購入する場合の的確な情報の把握につながる、ひいてはこのことが神戸市に移り住んでいく1つの誘因にもなっていくのではないか、きっかけになっていくのではないかとも思います。

 

 現在の運用状況ですけれども、市内には3,800の管理組合がありまして、届出をしていただいているのが、2月末の時点で473組合804棟です。そして、情報開示していただいているのは7割を超える350組合が情報開示していただいています。こういうような形で、マーケットでの評価にもつながるわけですが、まだ3,800の中ではごく一部ですが、これをやはり広げていくことは非常に大事なことではないかと考えているわけです。神戸市としても管理運営について相談に応じていますが、これが、去年3月から届出・情報開示の制度をスタートさせてからかなり増えていますし、出張相談も全体としてはまだ数が少ないですけれども増えてきています。こういう形で、マンションの管理の改善に取り組む管理組合も増えてきている。成熟社会、成熟都市においてマンションの適正管理は非常に重要な課題ですから、この取組を広げていきたいと考えております。

 

 こういう取組を積極的に働きかける、また、新たに立ち上げる市独自の専門家チームを継続的に派遣する。専門家はマンション管理士や建築士、弁護士などの皆さんです。こういう方々に管理規約がないとか、大規模修繕工事を実施したことがない、といった内容に対する具体的なアドバイスをして、適正な管理に向けた取組を支援していきたいと考えております。神戸市のすまいるネットで管理相談の専用ダイヤルもつくっておりますので、積極的に相談していただければと考えております。

 

 私からは以上です。

質疑応答(発表項目)

記者:

 いくつかお尋ねしたいんですけれども、最初にウクライナの避難民の支援の関係で、今後の受入れ方なんですけれども、国からいつ頃何人とかって、今既に何か示しが来ているのか、それとも神戸市と関係のある人とかを神戸市独自にあたったり、どういうふうな計画でいらっしゃるんでしょうか。

 

久元市長:

 国からは特段何らかの具体的なアプローチがあるわけではありません。ただ、ウクライナ支援に取り組んでいただけるかどうかを募集しておりまして、神戸市ももちろんそれにはしっかり対応しますということは国のほうにお伝えしております。

 あと、数がそんなにあるわけではありませんが、神戸にお住まいのウクライナの方が、やはり当然のことながら母国に残しておられる家族の方、親族の方が心配で、そういう方を呼び寄せるにはどうしたらいいでしょうかという相談はちらほらあります。

 

記者:

 そういう神戸在住のウクライナ人の方の家族から話があれば、優先的にじゃないですけれども、受け入れていく考えですか。

 

久元市長:

 これは自治体独自ではできませんから、やはり国としてどういうような在留資格、在留資格を求めることはないと思いますけれども、どういう手段で、あるいはどういうルートで受け入れて、あとは、ゆかりがある方は、例えば神戸に家族がおられる方は神戸で家族と一緒に、家族というか友人や親族と一緒に過ごしたいと言われる方は、その希望を聞いた上で対応することになろうかと思いますし、そうでない方々については国の方針を待って対応したいと思います。いずれにしても、国からそういう相談があったときに、自治体として用意しなければいけない事項をあらかじめ我々としては準備するというのが、今日御報告をした趣旨です。

 

記者:

 分かりました。じゃあ、受入れの具体的なスケールとかについては国と連携して相談しながらということですよね。

 

久元市長:

 そうですね。

 

記者:

 分かりました、ありがとうございます。

 あと、PCRの件なんですけれども、このT547K変異株PCR検査、この検査の試薬を開発したということになるんでしょうか。

 

職員:

 この試薬を開発しましたと格好よく言えればいいんですけれども、実際は、この方法そのものは、学術論文のほうに国立感染症研究所のチームが発表した方法であります。しかしながら、その方法というのは、オミクロン株を検出するPCR法ということで報告がなされておりました。その開発の当初というのは、一部の国を除きまして、ほぼ世界的にBA.1系統がオミクロン株の代表でありました。この方法というのは、BA.2を検出できないという欠点、むしろその当時は欠点として報告、欠点はあるものの、BA.2というのは非常にマイナーな存在なので、オミクロン株を検出するには問題がないという形での報告でありました。

 

 現状におきまして、私たちは逆に、この欠点というのはBA.2疑い株を検出するのに使えると判断して今回用いたのがこの方法になります。しかしながら、BA.2疑い株を本当に効率よく高精度に区別できるのかどうなのかということに関しては何ら検証がなされたものではないので、私どもは2段階、つまり、最初に国際的なゲノムデータベース上に登録されているデータを用いまして、T547Kの変異というのがBA.1系統に特有の変異であると。それで、BA.2系統は持っていない、変異はないということをゲノムデータベース上での確認、そして最終的には、我々のゲノム解析での結果とこの変異株PCRでの結果を突き合わせることで完全に一致するということで、この方法というのは、オミクロン株に完全に置き換わった現状におきましては、BA.1系統とそれ以外を高精度に区別できる。したがいまして、BA.2疑い株を効率的に検出できる方法であるということで、この方法を導入することで、より迅速に、いち早くBA.2の推移を市民の皆さんに伝えていくための方法として活用していこうと判断いたしました。

 

記者:

 そうすると、試薬自体は前からあって、その活用の方法というか目的を変えたということですね。

 

職員:

 そうですね。目的と検証を行ったということになります。

 

記者:

 分かりました。御説明があったように、今までもゲノム解析だったらできるんだけども、それには時間がかかるので、もう少し早くということですね。

 

職員:

 そうですね。常に翌日までには結果が出る、常に検体を受け取った後、1日以内に結果が出るという、ここが大きな利点かと思います。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 あともう1点だけ、後遺症のある方への健診のところなんですけども、16ページのところ、アフターコロナ健診というのは、今まであった神戸市健康診査は生活習慣病とかのチェックとホームページには出ていたんですけど、これに検査項目を加えるみたいな形になるんでしょうか。

 

久元市長:

 その対象者にコロナの後遺症を訴えている方も加えるということです。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

記者:

 ウクライナの支援のところで、日常生活のサポートで、市内避難中の生活支援を目的に募金などを開設とありますけど、具体的な、この生活支援というのはどういったことを検討されているんでしょうか。

 

久元市長:

 1つは住居です。それから、全く見ず知らずの土地に来られるわけですから、あらゆるものが対象になると思います。まず着のみ着のままと最小限の身の回りのものしか持ってこられないわけですから、食料の調達をどうするのかとか、それから病気になったときにどうするのかとか、子供さんを連れてきた場合には入学をどうするのかとか、家族がおられる方は別にいいんでしょうけど、全くそうでない方々が初めて日本に、初めて神戸に来られる方は、ごみの捨て方も分からないと思いますから、とにかく神戸で過ごしていただくために必要なあらゆる情報が対象になると思います。

 

記者:

 分かりました。それから、現在、市内在住のウクライナの方って何人ぐらいいらっしゃるんでしょうか。

 

職員:

 2月末の時点で65人が神戸に在住、お住まいになっています。

 

記者:

 ありがとうございます。あと、全体的な話といいますか、ウクライナの不安定な状況というか、かなり長引いていると思いますけど、今のウクライナの情勢というのを市長としてどのように感じておられるんでしょうか。

 

久元市長:

 バイデン大統領が、ロシアがウクライナ侵攻の準備をしているという報道があったときから、これはひょっとしたら大変なことになるのではないかというような予感のようなものもありましたけれども、恐らく第二次大戦が終結してから最大の他国に対する侵略であり、現実に起きていることは民間人に対する極めて非人道的な攻撃であり、言葉を失うような状況の中にウクライナはある。そしてウクライナの周辺国もその影響を受けている、そういう状況ではないかと思います。

 

記者:

 ありがとうございます。

 

記者:

 マンションの管理の関係で、まずお伺いしたいのが、30ページにある新たな取組で、一定の管理水準を満たす管理計画を持つマンションを市が認定という、この取組をもう少し詳しくお伺いできればと思います。

 

職員:

 管理計画の認定というのは法律に基づく制度になっておりまして、一定の管理基準を持ったマンションを市が認定していくという仕組みになります。

 

記者:

 西宮市とか大阪市とかで防災マンションという取組があると思うんですけど、それとはまた少し違うものになってくるんでしょうか。

 

職員:

 マンション管理適正化法に基づく新しい制度になっておりまして、この4月から施行される内容になります。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

 あと、後遺症調査のほうで、これは後ほどでもいいですけれども、これ、資料だとパーセンテージで見やすくまとめられているのでこういう形になっていると思うんですけども、質問して、どういう回答があって、それぞれ何人いたかという個別の数字がもし分かれば、改めてお願いいたします。

 

久元市長:

 後ほど健康局から情報提供させていただきます。

 

記者:

 ありがとうございます。

 あと最後、ウクライナの支援のところで、発表内容と少し反れるところで恐縮なんですけれども、エネルギーの価格が高騰して、国会のほうでは原発を再稼働すべきじゃないかというような議論が上がっていますけれども、神戸市も関電の株主でもありますので、原発の再稼働については、どういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。

 

久元市長:

 これはやはり我が国全体のエネルギー政策に関することですから、国のほうで考えていただきたいと思います。非常に難しい判断になろうかと思うんです。今日も東京電力管内、東北電力管内は極めて電力需給が逼迫して、初めて警報も出されたということだと思いますが、これは突然の寒波の襲来とか電力需要の急激な増大に起因するものかもしれませんけれども、やはり電力需給を安定させるという要請と、あと原発をエネルギー源としてどう位置づけるのか、これは議論が相当積み重ねられてきたと思うので、そういうところをしっかりと踏まえながら国において判断していただきたいと思います。

 やはり神戸市としては、従来から原発の安全性ということをしっかり担保していただくようにということをお願いしてきましたので、今、神戸市としての何か姿勢を変えるということはありません。

 

記者:

 ありがとうございます。

 

記者:

 念のための確認で恐縮なんですけども、ウクライナの避難民受入れの関係で、呼び寄せたいという相談は幾つかあるものの、現状まだ受入れというか、来られたというケースはまだ市としては把握は特にないということでよろしいですか。

 

久元市長:

 電話相談があったぐらいで、これは二、三件です。

 

記者:

 実際に到着したとか、そういう話はまだないと。

 

久元市長:

 ないと聞いております。というか、把握はしておりません。

 

記者:

 ありがとうございます。それからマンションなんですが、23ページで建築後35年を超えるとあるんですけど、この35年って法律か何か根拠があるような数字なんですか。

 

職員:

 特に決まったものはございません。定義として、高経年マンションが何年以上という定義もありません。ただ、神戸市として、高経年に当たるのではないかというところで35年と置いています。

 

記者:

 今言っていただいた高経年というのはこの35年という年数を境にして、次のページにあるような周辺住環境に悪影響を及ぼすおそれというのが高まるという、そういう理解でよろしいですかね。

 

職員:

 高経年というのが、住んでいる方、そして建物、両方2つの老いというところが出てきますので、そのあたりを含めて35年というふうに見ています。

 

記者:

 分かりました。

 ちょっと長期的な話なのかもしれないんですけども、現状、管理を適正化してほしいということで、弁護士さんとかが入ったチームを管理組合のほうに支援として派遣をするというお話が今日の段階だと思うんですけども、例えばの話、管理組合が機能しなくなったとか、金銭的に修繕等ができないような状況に陥るようなケースというのも中には出てくるんじゃないかと思うんですけども、そういった事態が近い将来生じたときに、現状の合意形成の支援とかに加えて、金銭的な手当てをする必要が出てくるということも想定はされているんでしょうか。

 

久元市長:

 マンションの管理状況が不備なために、あるいは管理組合が存在をしない、そのために老朽化が進むという、そのことを気にして何らかの金銭的支援をするということは、公平の見地から十分市民の理解が得られるのかどうかということ。これは、一戸建ての家を購入するか、分譲マンションを購入するかというのは、これは選択の問題ですから、そういうことを考えたときに、分譲マンションの管理責任というのは、これは区分所有者にあるわけで、金銭的支援をするということについては、相当これは議論をしないといけないだろうと思います。

 大事なことは、そうならないように、築35年以上のものが、1つの経年、年数がたったマンションということなんですけど、別に、きちんと管理していれば、それ以上マンションは居住し続けることができるわけで、そのために必要な管理をしっかりしていただくような支援をするというのが私たちが力を入れているところで、ぜひそこは自分事として区分所有者の方に考えてしっかり対応していただきたいというふうに思います。

 特に大規模なマンションでは、誰かがやってくれるというふうに、どうしてもそうなりがちなんですけれども、やっぱりそれは必ず、放置しておけば、自分の問題としてはね返ってくる。同時に、これをきちんと管理しておれば資産価値の劣化も防げるわけですから、自分たちにもメリットがあると。そこをしっかり理解をしていただくということが必要ではないかと思います。

 

記者:

 マンションの関連で引き続きお伺いできたらと思うんですけども、届出が473の組合からあったということなんですけども、これは全体から見ますと1割ちょっとという数字なんですが、これは市長としてはどういうふうに、協力してくれる方が多いと見ていらっしゃるのか、とても少ないというふうに見ていらっしゃるのか、そのあたり、どのようなお考えでしょうか。

 

久元市長:

 正直、1年ですから、こういうところかなと。別に決して、絶対数からいうと、あるいは割合も決して多くはないんですけれども、まだまだこれを広げていかなければいけないというふうに思います。

 私もこれは自分の経験をことさら強調するつもりはないんですけれども、東京で2回マンションの組合の理事長をしたとき、やっぱり大変でしたよ。やっぱり区分所有者の方がなかなか自分事として考えてくれないし、役員も回り持ちですから、やっぱり役員会にもなかなか出てこられない方もいらっしゃるし、どう自分事としてこれを考えていただくのかということはまだまだ十分ではないと。

 ですから、神戸市は、こういう取組をスタートさせて、これを大いに情報発信して、ぜひ適切な管理に加わっていただきたい。役員にも積極的になっていただきたい。管理運営に自分事として協力をして、協力というよりも参画をして、自分たちがマンションの管理の責任者なんだという、そういう自覚を広げていっていただきたいなというふうに思います。

 

記者:

 私が聞いているところでは、このうち80ぐらいが長期修繕計画がないというふうに答えているということなんですけども、80もこの市内の中に計画がないというのはかなり多いのかなと。しかも、まだこれは1割ちょっとの回答の中で82ですから、今後、3,800もし全部回答しましたら、かなりの数が出てくることも予想されると思うんですけども、今回、弁護士とか専門家を派遣する制度を始めるということですけども、この現状をどういうふうに市長は見ていらっしゃいますでしょうか。

 

職員:

 長期修繕計画がないという答えがあったということなんですが、全国的な割合で見ても、別に神戸市が突出しているというわけではなくて、全国的に同じような課題、同じような率で数としてはあります。長期修繕計画がないというところについては、まずはその区分所有者の方が管理をしていくという必要性を感じていただいて、それに応じた専門家の支援、相談というのを受けてまいりたいというふうに考えています。

 

記者:

 分かりました。

 あと、オミクロン株の件なんですけども、先ほど市長は感染者数は下げ止まっているというふうなお話をされましたけども、このBA.2のパーセンテージの向上と何か因果関係というものが考えられるのか、そのあたり、どういうふうに見ていらっしゃいますでしょうか。

 

久元市長:

 それは、正直なところ、分かりません。ただ、これは断定することはできないと思うんですけれども、可能性としては否定できないとも思います。やはりBA.2に置き換わっているということは、先ほど申し上げたことは、知られていることというか、このBA.2が持っている特性の中で分かっていることはごく一部だと思うんですよね。まだ分からないことがかなりあって、未知の部分が。ですから、未知の変異株に置き換わるということは、やはりそれだけ未知のリスクが高まるということだろうと思うんですよ。

 ちょっと補足していただきたいと思うのは、このBA.1とBA.2というのは同じオミクロン株ですけれども、変異株の進化の系統からいえば、かなり早い段階で分岐したということのようです。ですから、これは相当違う種類の変異株ではないかということです。その辺、ちょっと専門的な説明をお願いします。

 

職員:

 BA.1系統、それからBA.2系統、これは同じオミクロン株というくくりになっておりますが、もちろん共通している部分もあるんですが、この2つのゲノムを比較しますと、非常に違いも大きいと。それが、遡れば、共通の祖先は、ざっくり1年ぐらい前には既に違うものとして分岐した。そういった進化をたどっているのではないかというふうなことが考えられております。

 この違いが一体何を意味するのか。これに関しては、本当に分からないとしか言えないです。ただし、感染症というのは、ささいな違いというのが、ちりも積もればといいますか、結果として増幅に増幅を繰り返して、結果は大きな違いにたどり着く、そうした形のものであると私は思っております。したがいまして、今回、何が起こっているのかに関しましても、これはあくまで本当に推測にしかすぎませんが、BA.1が最初に完全に優先した。これは私たちも他の諸外国も経験しております。

 そして、そうしますと、神戸の方々の間でBA.1に暴露された人の数というのは、BA.2に暴露された人の数に比べて圧倒的に多いはずです。今現状。そのような方々全てが発症したわけではなく、感染したことによって、その次にBA.1に暴露されたときには感染予防効果があったとします。そうした場合は、そのような方々はBA.1は発症しない。ただ、BA.2に対しての防御効果は全く同じかというと、やはりここにはゲノムの違いを持ち出されるように、ささいな違いがあるのかもしれない。そのささいな違いが、BA.1は減っていっているんだけれども、BA.2はむしろ数は増えていっている。比率だけではなく、数として増えていっているというところに、私は今後の追跡、そしてそのささいな違いが本当に引き起こすかもしれない大きな違い、それに関して監視の目を向けていく、そういうスタンスで見ております。

 

記者:

 コロナの後遺症の関係で、かなりまとまった形で調査をされて、後遺症の実態についてはまだよく知られていない部分もあるということで、そういう意味で、神戸市の得られた結果は結構貴重なものかもしれないと思うんですが、そのあたり、当事者に関する継続的な支援とか新しい支援というのは今日お話にありましたけれども、今後、この回答について、生かしていったりとか、どういうふうに考えていらっしゃるか。

 

久元市長:

 今回、こういう形で初めて後遺症に関するアンケート調査を行って、結果が出たわけですが、やはり我々は研究機関ではありませんから、行政機関ですから、出た以上は何らかの対応を取らなければいけないということで、先ほど申し上げましたような健康診査だとか、あるいはリハビリだとか、あるいは医療機関における対応だとか、そういうことを実施することにしたわけです。ほかにも考えられる方法があれば、また知見も集めながら考えていきたいと思いますが、当面はこういう方法でいきたいと思います。

 もう1つは、これはアルファ株の調査です。

 先ほど申し上げましたように、オミクロン株の感染が極めて大規模なものですから、これの後遺症調査もやっぱりやらなければいけない。同時に、後遺症は一定の期間がたってからでないと分からない部分がありますから、オミクロン株の調査はこの秋に予定をしています。その調査の結果を踏まえて、神戸市としてできることはその時点でしっかり考えたいと思います。

 

記者:

 ありがとうございます。

 別件で、マンションのほうで1点なんですけれども、神戸市のほうが先行的に制度をつくっていて、国が4月から法改正によって、新たに今、御質問にもありましたけれども、管理計画の認定ということで神戸市もそれに合わせて始められるということですが、今、神戸市が既に始めている制度と、この認定が連携していくということで、それによってメリットだったりとか、あるいは、もともとの神戸市の制度との補完性だったりとか、神戸市が先に始めていて、国が始めたことに対して市が歩調を合わせてやっていくということの影響というんですか、そういうものがもしあれば教えてください。

 

久元市長:

 これは先ほど説明がありましたように、マンション管理適正化法に基づく管理計画の認定は、一定の基準に合致しているものを認定するというものですね。言わば国と自治体がお墨つきを与えるものです。神戸市が独自に始めたものは、神戸市が実際にお示しをした項目について自主的に届けてもらって、そしてそれを管理組合が必要と考える、さらに公開してもいいと考えれば、個別に神戸市が情報を公開するというものですから、これは両方がそれぞれ必要な役割を果たして、全体として分譲マンションの管理の向上につなげていければと思っています。

 

記者:

 マンションの件で引き続きなんですが、例えば、28ページのところに、情報開示350組と書いていただいているんですが、その下の流通市場での評価、先ほど市長から資産価値という言葉もありましたが、実際に350組を情報開示したということは、自信を持って情報開示したということで、それなりに管理に自信があるということだろうと思うんですが、実際にそこで出た、例えば空き室とかが、ほかの物件よりも高く値がついたという、流通市場での評価というのは観察できているものなんでしょうかということが1つと。

 あと、この制度が浸透するためには、やっぱり実際に値段をつける人たち、具体的には仲介業者への浸透というのが不可欠なのではないかと思うんですが、そちらのほうへの情報発信というのは工夫があるのであればお伺いしたいです。よろしくお願いいたします。

 

久元市長:

 これが、私どもの届出・情報開示制度によって開示されたマンションが、ほかの開示されていないマンションと比べてどうなのかというのは、これは比較のしようがないと思うんですよね、個々には比較のしようがありません。しかし、実際に今マンションを購入する、あるいは借りるといった場合にはネットで調べるのが普通ですから、多くの方々については、そのマンションの管理状況というのは当然関心があるはずです。そういうものがきちんと開示されているということは、そのマンションに対する国が制度に基づく認定、お墨つきとは別に一定の安心感を与えるだろうと思いますから、そういうようなマンションが神戸市内でずっと増えていくということは、やはり長い目で見て、あるいは広い視野から見れば、神戸に対する居住の選好度というものを向上させる手立てになるのではないかと思います。つまりマーケットの中で、こういう神戸市の独自の取組が神戸市内で広がっていけば、そしてその結果、多くのマンションの管理の状況ということが改善していけば、神戸で住む、神戸でマンションを購入するという誘因にもつながっていくのではないかと思います。

 それから、研究会をつくる段階から宅建業界については、頻繁に意見を聞いたり、連携を取っておりますから、この制度についても当然のことながら宅建業界には協力をしていただいています。

 

記者:

 基本的には格差みたいなものは出ているのかどうかというのは、やっぱり分からないというのが実情だということなんでしょうか。

 

久元市長:

 出ているのかもしれませんが、行政としてそれを自信を持って「出てる」と胸を張って言えるだけの根拠は残念ながらないということね。

 

記者:

 マンションの件で1つ追加なんですけれども、届出とか情報開示をしているところというのは、ある程度管理に自信があってやっているところだと思うんですが、逆に自信がないところはこういう届出とか開示をするモチベーションがあまりないのかなと思うんですけども、その人たちに届出をしてもらう動機づけとしては、助言とか支援を市のほうからしますから「積極的にこれを使ってください」と、そういうことになるんでしょうか。

 

久元市長:

 この点は建築住宅局長ともよく議論をしてきているところです。適切に管理されていない分譲マンションについては、全て把握しているのは無理ですけれども、やはり問題があるマンションについては、それなりに建築住宅局も情報を持っていて、必要な助言や指導も行っています。

 

記者:

 じゃ、そういうところについては、別にこの制度を使ってほしいというわけではなくて、市から別の方法で働きかけをするということですか。

 

久元市長:

 マンションの管理レベルは正直様々です。ですから、その状況に応じていろんなアドバイスをするということになりますが、やはり非常に管理の状況が悪いマンションについては、正直言って届出にはまだ至らないレベルですから、それはそういう状況に応じたアドバイスなりをするということ、そうして管理のレベルを、とにかく管理組合3,800あるわけですから、建築住宅局だけではなかなか対応できませんが、今のすまいまちづくり公社、今度4月から組織は改編いたしますけれども、この公社が中心になって、そういうマンションに対する助言とかアドバイスはしっかり行っていかなければいけない。これは神戸市のまちづくりの中でも非常に重要な部分を占めると思います。

 

記者:

 じゃ、3,800という中には、そういういろんなレベルのマンションが含まれているということですよね。

 

久元市長:

 はい。

 

記者:

 ありがとうございます。

質疑応答(その他)

記者:

 よろしくお願いします。

 2つテーマありまして、1つが新長田の関係で、市の検証を検証された市民団体の皆さんが先週末にシンポジウムを開催されて、市の職員さんも出席されていたようですけれども、何か市長に報告とかがありましたら、どんなものがありましたでしょうか。

 

久元市長:

 週末のようですから、まだ報告はありません。そのうち報告はあるだろうと思います。

 

記者:

 実際に面会されたときにもお話しされていましたけれども、検証会の皆さんがいろんな提言をされていらっしゃって、何か市としてこれはちょっと検討の余地があるなとか、これは検討ができそうだなみたいなところは、現状何かお考えはありますでしょうか。

 

久元市長:

 私がやはり報告書の中でなるほどなと思ったのは、やはりまちには界隈性がいるということですね。にぎわいとか界隈性ということを強調されていたと思います。検証委員会の皆さんは新長田の再開発が極めて大規模過ぎた、スケールが大き過ぎた、無機質なまちをつくったということをおっしゃっているわけです。それが100%正しいとは思わないですけれども、現実に焼け出された方々に住まいを提供する、あるいはなりわいの場所を提供するという意味はあったわけですが、しかし、あそこで指摘されているそういうようなかつての人々のつながりとか、あるいはにぎわいとか、界隈性とか、そういうようなものがある意味で犠牲になって、とにかく住居や商業施設を提供しなければいけなかったと。

 前を向いて考えたときに、やはりその視点は大変重要です。もう1回再開発地域の中でそういうような要素、人と人とのつながりとか、にぎわいとか、界隈性というものを考えていくということは大事ですし、あと、再開発地区とその周辺もあるわけですね。この周辺地区には、まだ震災の前の下町のよさのようなもの、あるいは課題もあると思うんですけど、そういうものもあると。そういうことを考えたときに、やはり再開発地区だけを考えるのではなくて、その周辺エリアを含めた活性化をやっぱり考えていかなければいけない。そのときに、やはり界隈性というものをどう維持、あるいは再生、回復させていくのかというのは非常に重要だと思います。

 あと、これはそう簡単ではないかもしれませんけれども、再開発ビルの中に、諸外国のいろんな再開発の事例も写真で紹介していただいたりしながら、やはり居住空間というものをつくっていく必要があるのではないかという提言もありますね。これは検討の余地がひょっとしたらあるかもわかりません、そういうようなことができるのかできないのか。すぐにこれが実現できるとは思わないですけれども、やはり今の再開発地区の現状というものを、これはスタートして20年以上もたっているので、もうこれから一切手を加えないんです、もう変えられませんということではなくて、前を向いて、再開発地区のにぎわいをどうつくっていくのか、人と人のつながりをどうつくっていくのかということを考えたときに、居住機能をもう少し再開発地区の中に入れていくこともあそこで提案されていたわけですけれども、これはある意味、1つの参考になるのではないかと思います。

 

記者:

 ありがとうございました。

 あと、まちづくり会社を公益財団法人にしてはどうかというような内容もありましたけど、そのあたりの受け止めというのはいかがでしょうか。

 

久元市長:

 これはなかなかいろんな経緯がある話でしたし、それぞれの棟ごとにどこの会社を管理会社として選ぶかという議論が重ねられてきて、まちづくり会社に管理をお願いしているところもあるし、それ以外のところにもお願いしていることもあるしという現状ができていますから、全く新しい組織をつくることについては、これはかなりハードルは高いのではないかと思います。

 

記者:

 ありがとうございます。

 あと、また別のテーマで、王子公園の関係です。関西学院さんが特別検討委員会を立ち上げられているということですけれども、前向きに検討されているのかなという印象なんですけど、そのあたりの受け止めというのはいかがでしょうか。

 

久元市長:

 それは報道でしか承知しておりませんが、いずれにしても、私たちは大学誘致するということを申し上げているので、関西学院大学さんも含めて関心を持っていただく大学があるということは、これはありがたいことだと思います。

 

記者:

 ありがとうございます。

 議会の答弁では、多分、副市長がおっしゃられたと思うんですけれども、問合せが複数大学からあるというようなお話もされていて、多分その中に関西学院さんも含まれていたのかなと思うんですけれども、市長としては、関西学院さんが関心を持っているというふうに認識というか、承知されたのはいつ頃だったんでしょうか。

 

久元市長:

 正式に組織を立ち上げられるらしいということは、企画調整局の幹部からは聞いておりましたが、しかし、それはそんなに以前のことではありません。あの報道がなされるほんの少し前だったと思います。

 

記者:

 組織が立ち上がるんじゃなくて、関心を持ってそうだというところは、どれぐらいから御存じだったでしょうか。

 

久元市長:

 関心をお持ちではないかということについては、いつ頃というわけではありませんが、それはもう少し前から、お持ちらしいということは感じてはおりました。

 

記者:

 分かりました。

 あと、大学の公募をこの先行われる今のお考えということだと思うんですけれども、この選定の手続というのは、例えばどこまでオープンにするかとか、どういう形でやられていくというのは、今のところどんなふうに考えているんでしょうか。

 

久元市長:

 いずれそういうような手続の段階に移行していきたいと思うんですが、今は基本方針の素案を出して、それで、ごく大まかな土地利用のレイアウトを出して、様々な意見をいただいていますから、今の段階では、この基本方針の素案をやはり見直すという作業を我々はまずやらなければいけないと。

 そして、その手順、段階を踏んで、その次に移っていくことになるわけですから、パブリックコメントも含めていろんな御意見をいただいている、それに対して我々は、答えるべきところをしっかり答えるということと、あとは、今ある既存施設についていろんな意見をいただいているわけですから、これをどこまで見直せるのか、手直しすることができるのかというような作業を行うことが、今、我々がやらなければいけないことですね。

 

記者:

 今の王子公園で1つ補足で伺いたいんですけども、議会のほうでも、見直しの案について、令和4年度の早い時期にというふうにおっしゃっていましたけれども、その早い時期、4月5月とかのお話なのか、もうちょっと、半年ぐらい時間をかけてなのか、そのあたり、伺ってもよろしいでしょうか。

 

久元市長:

 未定です。

 

記者:

 最後に、今度、27日に西宮市長選がありまして、現職と新人2人ということで、特に日本維新の会が独自の候補を立てるということで注目されていまして、阪神間の首長がそろって現職を応援されたりとか、明石市長も現職の応援ということを訴えておられたりしています。選挙期間中ではあるんですけど、神戸市長としては、今のこの西宮市長選をどのように見ていらっしゃるでしょうか。

 

久元市長:

 もちろん、西宮は隣の自治体ですし、非常によくお付き合いをさせていただいておりますし、石井市長ともお話しする機会はよくあります。もちろん関心を持って見守っております。

 

記者:

 実際に候補を応援に入られたりとかいうような計画はありますでしょうか。

 

久元市長:

 どなたかの候補から私に何かこうしてほしいとかというお話は、今のところはありません。

 

記者:

 選挙結果として注目はされていらっしゃるということでしょうか。

 

久元市長:

 はい。

記者:

 すみません、最後に。まん防が明けまして、開かれた空間で楽しむという、こういった自治体としてのこういう取組もありますが、外出自粛も呼びかけつつも外に出て外の空間を楽しむという、このバランスも難しいところではあるかなと思いますが、オミクロン株で後遺症に悩んでいる方もいらっしゃる中で、市民に対してどう市長として呼びかけたいか、お願いします。

 

久元市長:

 まん延防止等重点措置が解除されたことは、感染の収束は意味しないと思います。現実に、今日も詳しく御説明しましたように、感染は下げ止まりをしていますし、新しい系統に置き換わりつつあるということですから、感染しないように十分注意をしなければいけない。感染をしないための行動をぜひ取っていただきたいと思います。

 ただ、そのことは外出しないということを意味するものではないということ、これを今までもずっと申し上げてきたことです。今日御説明をしましたのは、まん延防止措置が解除されたから説明したわけではありません。神戸市は、これは繰り返し申し上げてきたところですが、新型コロナウイルスの感染が始まってごく初期の時点は、よく分からなかったので、外出自粛を呼びかけた時期は短期間ありましたけれども、しかし、それはすぐにやめることにしました。むしろ第1波のときも、野外活動に対する支援の助成ということも行ったりして、感染に気をつけながら外で体を動かしてくださいという呼びかけは、これはもう2年近く前から行ってきたところです。

 大事なことは、感染を防ぐためにはしっかりとそのための行動を取らないといけないわけですけれども、同時に、人間の健康に与える要因というのはコロナだけではもちろんありません。家にずっと閉じ籠もりきりになれば、感染のリスクは多少下がるかもしれないけれども、シニア世代はフレイルになるし、認知症の方は認証が進行する、現にそういうことが起きています。子供たちは、スマホ漬けになったりゲーム漬けになったりします。体力の衰えは全ての世代に及ぶわけで、やはり感染に気をつけながら外で体を動かしていただくことは必要なことではないか。これはそういう意味で、一般的な不要不急の外出自粛を呼びかけないというのが一貫した神戸市の方針です。

 私たちの間には、先ほども申し上げましたけれども、この2年以上にわたるコロナとの闘いの中で、どういうような行動をしたら感染のリスクが高くなるのか、どういう行動をしたら感染のリスクは下げられるのかということに関する知識や知恵や経験が蓄積されてきているはずですから、それらにのっとって適切な行動をし、そして、感染のリスクをできるだけ下げながら、私たちの健康を守り、私たちの平穏な日常生活をしっかりと守っていく、そういうことが求められていると思います。

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