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臨時会見 2022年(令和4年)3月11日

最終更新日:2022年3月11日

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市長会見の模様をお届けします。



NTTドコモとの事業連携協定の締結
-先進技術を活用した令和の社会課題解決実践型のまちづくり-


会見資料はこちら(PDF:3,865KB)

NTTドコモとの事業連携協定の締結
 -先進技術を活用した令和の社会課題解決実践型のまちづくり-

質疑応答

NTTドコモとの事業連携協定の締結
-先進技術を活用した令和の社会課題解決実践型のまちづくり-

司会:

 それでは、お時間になりましたので、ただいまから、神戸市と株式会社NTTドコモとの事業連携協定締結に関する共同会見を始めさせていただきます。

 

 初めに、登壇者の紹介をさせていただきます。

 株式会社NTTドコモ代表取締役社長、井伊基之様です。

 久元喜造神戸市長です。

 

 まず初めに、久元市長より、第3期目の協定締結にあたり御挨拶をさせていただきます。

 

久元市長:

 今日はNTTドコモさんと神戸市の事業連携協定の3期目ということになるわけですけれども、その内容を発表させていただきたいと思います。

 まず初めに、NTTドコモさんの井伊基之社長には、今日は御出席いただき、また、お忙しい中、神戸にまでお越しいただきまして本当にありがとうございました。

 NTTドコモさんは、改めて申すまでもなく、情報通信という分野にとどまらず、我が国のテクノロジーの進化を牽引していただいている代表的な企業ですね。  2016年にNTTドコモさんと神戸市は事業連携協定を結びまして、これは期間を3年ということで、その後1回更新をいたしまして、6年が経過をしたわけです。神戸市が、言わば神戸市をフィールドとして使っていただいて、NTTドコモさんの様々なテクノロジー、新たな取組も含めて、これも、実験も含めて展開をしていただいてきました。

 具体的にどのような取組が行われたのかというのはまた後で説明があろうかと思いますが、代表的分野としては、交通の分野で、様々なデータを活用して、これを地域交通に活用するということ、それから、介護の分野で、介護事業者の皆さんの負担を減らして、そして、介護に携わっておられる方、それから、介護を受けている方の介護事業サービスの満足度を向上させるということ、こういう取組も行われまして、実際にこれは使われているわけです。これは今後介護の分野、これはコロナ禍の中でも、介護の現場には様々な問題がありましたから、今後はこういう取組というのが広がっていけば物すごく大きな意義があるというふうに考えられます。あと、今日は3月11日、東日本大震災から11年がたったわけですけれども、防災という面でも、まだまだテクノロジーの活用ということが期待をされます。

 そういう意味で、3期目に入るわけですけれども、また私たちは新たなフィールドを設定いたしまして、そしてこの神戸をフィールドとする新たなテクノロジーの展開、活用を展望していきたい、そして、これを実際に動かして実装化につなげていきたいと考えております。

 どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 

司会:

 続きまして、NTTドコモ、井伊社長より御挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。

 

井伊社長:

 NTTドコモの社長の井伊でございます。

 このたびは神戸市様と第3期目に当たる連携協定の締結をさせていただく運びになりました。私も大変心より感謝を申し上げます。

 これまで、今、市長からお話もございましたけれども、6年間にわたって神戸市様と、市が抱える社会課題の解決に向けて、どうやって先進のテクノロジーを活用していくかということに取り組んでまいりました。これは決して私どもだけではなくて、多くの市民の方や学生の方や神戸の方にたくさん参加していただいて、課題を絞り出し、どういう対策がいいのかということを何度も何度も織り上げてつくってきたというふうに聞いております。このやり方が恐らく一番、先進技術を具体的な課題に適応するには適していると思います。

 そういった意味で、7年目に入ります第3期もテーマを4つぐらい、ジャンルを増やしまして、観光とか環境、あるいは教育、医療、こういった分野まで広げるというふうに聞いておりますけれども、まだまだたくさん課題がございますが、一遍には無理ではございますので、プライオリティーをつけていただいて、私どもの持っているテクノロジーがどれだけそれにお役に立てるかということをしっかり形として現していきたいと思います。

 私どもの体制としましては、ドコモの本社にございます研究開発部門(R&D)が直接神戸市様と一緒に仕事を進めさせてもらっています。もちろん地元の神戸支店も参加しています。なぜ我々がR&Dの部隊を投入するかというと、課題に対してあらゆるテクノロジーを導入したいということで、いろんな部門を全部動員できるのはこのR&D部門ですので、そういった形を続けながら、これからも日本国内あるいは世界に発信できるような事例を一生懸命つくっていきたいと思います。

 

 いずれにしましても、長きにわたり私どもをパートナーとして選んでいただきました久元市長を始めまして、神戸市の関係の皆様に厚く御礼を申し上げます。きっちり成果が出るまで責任を持って、最後まで頑張りますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 

司会:

 ありがとうございました。

 それでは、協定の具体の内容につきまして、神戸市の企画調整局つなぐラボ担当部長の藤岡より御説明させていただきます。

 

藤岡担当部長:

 それでは、私のほうから、神戸市と株式会社NTTドコモ様との「ポスト・コロナ社会を見据えた先進技術を活⽤した令和の社会課題解決実践型のまちづくり」に関する事業連携協定につきまして簡単に御説明させていただきます。

 資料を見ながら御説明させていただきます。

 ドコモ様と神戸市は、デジタルやデータの利活用の連携推進を目的にしまして、2016年に初めて「ICT及びデータ活用」に関する事業連携協定、そして、3年後の2019年に、「ICTを活用した安全安心なまちづくり」に関する事業連携協定を締結し、これまで様々な実験的な取組を展開してまいりました。

 今般3回目の協定となりますが、これまでの成果を踏まえまして、スマートシティ推進を核とした、先端技術を活用した社会課題解決型のまちづくりの展開を互いにコミットしまして、新たなステージの取組へと進化させてまいります。

 成果を踏まえまして、これまでの主な取組を御紹介します。

 まず1つ目が交通分野でございます。

 近年運送業界は、運転手の高齢化や担い手不足が社会課題となっております。この課題に対しまして、神戸市交通局とドコモ様とが連携しまして、市バスにAI通信型のドライブレコーダーを搭載し、走行中にドライブレコーダーで撮影した画像データなどをAIで解析しまして、運転手が急ブレーキをかけるなど、危険と感じた発生地点や加速しやすい場所などを分析、特定しまして、ヒヤリハット情報を各営業所にフィードバックするとともに、安全情報を共有できる仕組みを構築いたしました。来年度以降、これらの知見を基に、ドコモ様のサービスが開始されると聞いております。

 2点目が先ほどございました介護分野となります。

 神戸は他の大都市と比べまして高齢化率が高いという数字もございます。今後も高齢人口の急激な増加が予想される中で、先ほど話がありました介護現場における介護者の負担軽減が課題となっております。この課題を解決するために、市内の複数の介護施設の協力の下、いわゆる非接触型の先進技術を用いました、介護負担軽減に向けた実証を行ってまいりました。

 具体的には、小型のワイヤレスセンサーを被介護者の個室内に設置しまして、プライバシーに配慮した形で、被介護者にストレスをかけることなく、睡眠状況や、起きていらっしゃるかどうかの状態をリアルタイムで可視化する、把握できるシステムを構築し、介護人材の夜間巡回とか、起きた時点での介助など、こういったスタッフの負担軽減を図る実証実験を重ねた結果、このシステムが介護スタッフの負担軽減や介護サービスの質の向上につながると、有効であると実証されております。

 これを踏まえまして、市内を拠点に介護事業を広く展開していらっしゃる株式会社シーナ様と連携いただき、データのAI分析によって、介護記録情報、これのレポートの有効性などを検証して、これが社会実装に向けてもう既に研究開発を進めていらっしゃるところでございます。

 3点目が防災でございます。本日、3.11でございますが、近年全国各地で、従来では予測不能な局所的な豪雨が発生しております。河川が氾濫し避難が遅延すると深刻な人的被害を生じるという課題がございます。この課題を解決するために、市が管理する準用河川や普通河川の豪雨時における河川の水位などを監視するため、市内の4つの河川に小電力ワイヤレスカメラ12台、データ通信型水位計2台を設置しまして、従来はカバーできなかった河川の様子を遠隔で監視確認する実証を進めてまいりました。

 この実証実験は非常に有効でございますので、引き続き来年度もやっていきますとともに、来年度以降には、人工知能を活用しまして、気象庁が気象レーダーの観測データ活用をしている、降水の短時間予報を行っております高解像度降水ナウキャストとも連動しまして、河川水位などを高精度で予測できる監視システムがドコモ様のサービスとして商用化されると聞いております。

 こういった今までの取組の成果を踏まえまして、2025年3月までの3回目となる新たな協定として事業連携協定を締結することになりました。これまでの連携分野だった交通、介護、防災に加えまして、観光、環境、教育、医療の4分野を加えた7分野の取組に拡大していくこと、加えて、3つの重点エリアを定義しましてフィールドでの実装を推進してまいります。

 こちらはエリアになります。再整備、再開発が進みます都心エリア、ウォーターフロントエリアとともに、自然環境豊かな里山地域を含む中山間エリアの3つのエリアを中心としまして、エリアごとにそれぞれ抱えている社会課題の解決に向けた取組、ドコモ様の持つ日本屈指の先端技術を活用しまして、産学官民が連携しまして、海と山が育むグローバルな貢献都市神戸の実現に向けまして、共にポスト・コロナ社会における市民の生活利便性、生活の質を高める新しい価値を創出してまいりたいと思っております。

 具体的な取組内容につきましては、この後、NTTドコモの稲川様より御説明いただきます。よろしくお願いいたします。

 

稲川部長:

 それでは、ただいま御紹介に預かりましたドコモのイノベーション統括部の稲川と申します。座ったままで失礼いたします。

 これまで、第1期、第2期と6年間、神戸市の皆様と連携させていただいて、我々として感じたポイント等は3つほどあると思っています。

 1つ目は、失敗してもいいからとにかく変えてみようと思われる方が多いことです。市職員の方々だけでなく、企業や学生の方々もイノベーションに前向きな姿勢に驚かされます。

 また、2つ目は、歴史ある港湾都市として、海外や国内の種々の技術や多様なアイデアを受容し、育てる文化があることです。

 そして、3つ目は、風通しがよいこと。企画調整局つなぐラボの方々は、複数の領域への挑戦をワンストップで進められるよう、関連部署間を速やかに御調整いただいているところもありますので、非常にやりやすいと思っています。

 情報通信技術でまちの利便性を高めたい、また、人々の生活を豊かにしたいという私たちドコモにとって、神戸市の皆様は魅力的なパートナーとなっております。

 先ほど神戸市の藤岡様から御説明があった7つの領域には、様々な社会課題が存在します。ここに示した各々の課題はほんの一部ですけれども、神戸市の各部局の皆様、学生の方々、地元企業の皆様の声を丁寧に拾っていくと、課題がどれだけ深刻なものか、何を優先するべきなのかというところが徐々に明らかになってまいっています。その明らかになった点を踏まえまして、着目すべき2つの課題と取組について御紹介をしてみたいと思います。

 

 まず最初は、まず、観光×教育という分野ですね。

 

 最初は、コロナ禍の影響もございますけれども、毎年3,500万人の観光客の方々が神戸市に来られるそうです。あちこちに観光名所が点在する神戸市におきまして、訪れる観光客の多様化するニーズにどのように応えていくべきか、これは今後の観光を推進する神戸市にとって重要な課題の1つだと思っています。

 

 また、昨今では、観光業を学ぶ学生の中には、神戸のまちを自分の手で紹介してみたいけれど、どうやっていいのか分からない、また、将来観光業に携わるか分からないなという戸惑う学生の方も多いことに気づきました。

 

 そこで私たちは、神戸市の中にキャンパスを持ちます関西国際大学と連携をしまして、神戸に来た観光客に、今までにない観光体験の実現に向けて、ドコモが提供する技術を活用しながら、多くの人が神戸のよさに触れて感じてもらう仕組みづくりを整えます。

 

 具体的に、このARグラスですね。3月4日に発売になりましたけども、このARグラスを使って、まちを観光する際に、普段通り過ぎてしまう観光スポット、これに気づいていただいたり、そこにございますドローンですね。これは風船のドローンですけども、これの技術を駆使して俯瞰的に観光ルートを把握・案内できるようなアイデアがあります。

 

 しかし、いつの時代も若い人の想像力は無限です。私たち大人が思いつかないような先進技術の組合せによる革新的な事業アイデアが期待されております。

 

 2つ目、次に注目したいのは交通×防災です。

 

 神戸に初めて来られると、三宮の駅を降りた後、どうすれば港のショッピングエリアに行けるのかな、バスかな、地下鉄かなと戸惑われる方々もいらっしゃるかもしれません。2025年には万博も開催されますし、より多くの人が神戸のまちに訪れ、にぎわうと思います。大勢の方が1か所に集まるイベント等に対しては、交通手段にも気を配りつつ、災害発生に合わせた防災対策の柔軟な見直しも必要になってきます。

 

 そこで、私たちドコモでは、理化学研究所計算科学研究センターの方々と協働しまして、神戸のウォーターフロントエリアの再開発にデータを利用した先進技術で貢献したいと考えました。ウォーターフロントエリアに新設される建物や道路に即した防災対策には、人や車の流れが時間帯ごとにどのように変化するのかを事前に把握することが最も肝要でございます。ドコモのモバイル空間統計技術だけでなく、バイクシェアの利用状況、神戸市が公開する地理データ等を活用しまして、市内の研究機関の方々と協働しつつ、未来のまちの防災シミュレーションを実施したいと考えています。

 

 私たちは、今日御紹介した2つの取組を皮切りとしまして、先進技術ありきではなく、7つの領域の社会課題解決に最適な先端技術を何でやるか、これを神戸市の皆様と共に考え、取捨選択しながら適用をしていきたいと考えています。

 

 また、デジタル化に当たっては、もう1つ配慮すべき点がございます。

 

 現実世界のあらゆるものがデジタル化され、仮想世界に投影される時代がやってくると、そこに反映されるデータの取扱いはプライバシーに配慮されなくてはなりません。ドコモではプライバシーにも配慮して取り組んでまいります。

 

 これまでの長い歴史の中で、人類は新しい技術を次々と開発し、自らの生活をより豊かに彩りあるものにしてきました。ドコモR&Dが目指すWellbeing Society、一人一人が輝き、互いに寄り添いながら、生活を豊かにする社会の実現、これに向けて、今後も先進技術の価値検証を進めてまいります。

 

 以上の取組を通じまして、神戸市とNTTドコモとのより密接な連携によりまして、世界の手本となるような社会解決型のまちづくりを目指してまいります。

 

 私からは以上でございます。

 

 

質疑応答

記者:

 先ほど御説明いただいた稲川さんにお聞きしたいんですけども、実際持ってきていただいたあちらの羽根のない風船のドローン、どういうふうに使うかというのをもう少し具体的に教えていただけますでしょうか。

 

稲川部長:

 こちらのドローンは、ヘリウムガスを使って浮かんでおりまして、今、ちょっと天井にぶつからないようにワイヤーで留めてありますが、実際にはラジコンのプロポというドローンを操縦する操作機を持ちまして、ゆっくり上空を飛ぶことができます。これにカメラ等をつけて撮影等をしながら、実際の映像に起こして、それを見ていただくような形が1つ応用例として考えられると思います。

 

記者:

 通常の羽根のあるドローンとは、どういうところが違って、違うからこそできることというのはあるんでしょうか。

 

稲川部長:

 まず、音がほとんどしないですね。横についている黒いもので風を起こして、その風の風圧で動かしているので、例えば、イベント等で飛ばしても、ブーンと音がしないせいで、例えば結婚式とか、そういうものにも多分応用ができると思うんですが、そういったまちの中で飛ばすことで、風景を上から撮ることが可能ですし、あと、操作も割と楽に、ゆっくり飛ぶ分、難しいことがないので、より使いやすい形になっているものと思います。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 すみません、続いて、井伊社長にお伺いしたいんですが、先ほど稲川さんのほうから神戸市と連携するメリットというものを教えていただきましたが、社長から見て、引き続き神戸市と連携を続けていくメリット、会社としてのインセンティブみたいなものがあれば、教えていただけたらと思います。

 

井伊社長:

 ありがとうございます。やはり社会におけるいろいろな課題に対して、実は神戸市様は非常にその危機感といいましょうか、その課題解決に向けて非常にストレートに取り組んでおられて、そこにこの最先端の技術を使うということにも非常に前向きにお考えいただいているということですね。ですから、我々が持っているテクノロジーを非常に取り入れていただけるような前向きな姿勢が物凄くあるということと、それから、新しいことだから本当に最初からうまくいくかどうか分からないけど、やってみようよというこのチャレンジの精神が物凄くあるということで、我々のチームも非常に活気づいてやっているということで、やっぱり新しいことにはリスクがございますので、それを一緒に乗り越えていただけるパートナーの方というのは、新しいものを生み出すためには本当に不可欠だと思っております。

 

記者:

 先ほど稲川さんが御説明されたことで少し追加でまだ伺いたいんですけど、先ほどの御説明だと、風船型のドローンで飛ばした映像を撮影するというところで、それをいかに観光につなげるかというところがあまりまだつながらなかったんですが、そこら辺はどうなんでしょう。

 

稲川部長:

 こちらのグラスで見ていただくイメージでまず観光の御案内というのを例えば御説明しようと思うんですけど。グラス上にAR(拡張現実)ということで道路の道順が矢印が出たりするんですけど、実際にその画面に行くまでの間に、ガイドブックのように、例えば浅草のまちとか神戸のウォーターフロントのエリアとか三宮の駅前とか、そういったまちの具体的なところのその道順を画面で進んでもらえるストリートマップ的な画像ができると思うんですね。そういうのを撮影できたりするのかなと思っていたりします。

 

記者:

 そういった具体的なところは、結局は関西国際大学の学生さんと一緒になって進めていくという、そういうことなんでしょうかね。

 

稲川部長:

 そうです。学生さんとは、どういうニーズがあるのかという側面を、彼らの意見も聞きながらつくっていくということができると思いますし、そういった技術を彼らがまず知ることで、これはこういう利用ができるよねというアイデアの創出にもつながると思っています。

 

記者:

 現時点で大まかなスケジュールみたいなのがあれば、例えばいつまでにそういう少し実証的なことを始めて、実用化というのはいつ頃を目指すかとか、そういうものはありますか。

 

稲川部長:

 実用化についてはちょっとまだ検討中ですので、具体的な時期はお答えできないんですけども、定期的なミーティングを持ちまして彼らの意見を交換したり、提案をつくっていきながら、実証時期というか、そういうものを決めていきたいと思っています。

 

記者:

 稲川様にお伺いさせてください。この取り組み2のほうなんですけども、ウォーターフロントエリアって、具体的にどのエリアでどんな災害が起きたときのシミュレーションをされるとか、何か具体的に決まっていることってありますでしょうか。

 

稲川部長:

 ウォーターフロントエリアの突堤になっている部分ですね。ああいうところとか、あと、防災に関しては、その水の流れを監視する等の流れを予測しながら、洪水とかそういうものが起こらないようにするとか、そういった部分で技術を適用して未然にその予測をすることを、まずはソリューションとして考えたりしております。

 

記者:

 流れというのは川の流れということですか。

 

稲川部長:

 川ですね。川が増水して海に流れていきますけども、その途中で洪水が起こったりすることは予想があると思いますので、その水位の変化とか、そういうものをAI等を使って予測することは可能かなと思っています。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 あと、井伊社長もしくは久元市長にお伺いしたいんですけども、これから3か年計画でやっていかれるんですよね、3期目を。その後ってどのような御予定とかって、何が決まっているものがあれば教えてください。

 

久元市長:

 とにかく6年たって、7年目に入るわけですから、とにかくまずこの3年間、とにかく新しく加わる観光などの分野を新しい提案をNTTドコモさんにもしていただいたり、我々としても、こういう課題があってこういうことを解決していただきたいとか、あるいは、我々自身もこういう方法があるのではないかということを提案して、新たなチャレンジができればと思っております。とにかく3年間、全力で新たな課題、神戸をフィールドとして展開するということにまずは全力で取り組みたいと思います。

 

記者:

 ありがとうございます。

 あと、すみません、もう1点だけ。こういうのをもし公開していればあれなんですけど、大体これ、どのぐらいのお金がかかって、それをドコモさんと神戸市さんでどのように分担されているのかと言える内容ってありますか。

 

藤岡担当部長:

 この協定によってドコモさんとの契約関係ということではないんですね。個別のプロジェクトごとにお互い応分に出捐し合ってやっていますので、この協定締結によって(すぐに)何か神戸市が出捐するということはないですし、そこはちょっと御理解いただきたいと思います。プロジェクトによって異なってくるという御理解で。

 

記者:

 じゃ、これによって神戸市が何か出資するとか……。

 

藤岡担当部長:

 それはないです。

 

記者:

 分かりました。ありがとうございます。

 

井伊社長:

 やはりこれ、R&Dを投入しているのもそういうところもございまして、やっぱり新しい技術、新しいソリューションをつくっていくというのは、もともと私どもの仕事として、会社の仕事として取り組んでおりまして、それを神戸市さんという本当の実フィールドで実課題に沿ってそれができるということが我々にとってみれば大変ありがたいことなので、人件費をくださいとか、そういうことは目的ではありませんので。我々はそれで出来上がったソリューションとかがやっぱり全国、世界に対しても通用するものであればありがたい話ですので、そういう取組だと考えております。

 

記者:

 分かりました。実際の実験場を貸してもらう代わりにそういう研究開発を行っていくということですか。

 

井伊社長:

 そこまでそんなビジネスライクな話じゃなくてですね。同じ志をそれぞれの持っている強みで課題解決に取り組むという、もう本当にそういう世の中が必要としていることを一緒にさせてもらっているということなので、あまりその計算ではないということでございます。

 

記者:

 すみません、改めてになりますが、久元市長にお伺いしたいのは、神戸がその実験場になることの神戸にとっての良さみたいなのを、これも改めてになりますが、お伺いしてよろしいでしょうか。

 

久元市長:

 ほかの都市と共通の課題というものもありますし、神戸の独自の課題というものもありますが、これを今までであれば職員が自分で考えて、仕様書を作って、発注をして、入札をかけて、請け負っていただく会社を決める。これは典型的な古い役所の仕事の仕方だったんですね。しかし、もうとっくにそういうやり方は終わっていて、例えば神戸はUrban Innovation KOBE(アーバンイノベーション神戸)、とにかく実務を担っている職員が、こういう課題で困っているんですよ、こういうことをやりたいんですよということをストレートに提案して、スタートアップの皆さんに応募していただいて、そして、膝詰めで議論をして、とにかく実験をやってみようと。うまくいったもの、うまくいかなかったものもありますが、うまくいったものは実装すると。そういうやり方を入れておりますね。こういう新しい地域社会あるいは行政が掲げる課題の解決の手法というのをどんどん入れていきたいわけです、神戸市としては。

 そういう基本的な視点、アプローチに立ったときに、NTTドコモさんは我が国でも最もテクノロジーを追求しておられる会社の1つですよね。代表的な企業であるわけです。そこの、しかもR&D部門の皆さんが、つまり最先端を走っている企業の中の最先端の部門の皆さんがこの神戸で実験をしていただけるということは、そこから私たちが得られるものというのはたくさんあるはずです。それを直接実装化されたら、いち早く神戸でこれを展開していただければ、それはそれでありがたいことですし、一緒に作業する中で、我々いろんな気づきをいただくということもできるかもしれませんから、そういう意味で、神戸はある意味で実験都市でありたいと思っておりまして、とにかく、先ほど井伊社長からも非常にかたじけない言葉をいただいたのは、とにかく失敗してもいいからやってみようという、そういうようなマインドで職員の皆さんも頑張ってくれているというふうに思いますから、とにかく実験をしていただいて、それを地域課題の解決に結びつけていくということを基本に考えております。

 

記者:

 あと、すみません、これはどなたにお伺いするのがふさわしいのかあれなんですが、過去6年間の事業連携というか、うまくいっていたからこその更新だというふうに理解しているわけですが、過去6年の協定、事業連携がうまくいっていたことを定量的に示すものって何かあるんでしょうか。

 

藤岡担当部長:

 私からお答えします。定量的というのはないです。実験ですからね。ただ、先ほど説明しましたように確実に成果が出ております。例えば介護の分野では、今、市長から話がありましたように、市内の介護事業者さんが本当に介護人材の負担軽減になるような技術、これを実装化される予定でございますけども、そういった成果が出ているということですね。

 

記者:

 じゃあ、特にこの協定自体に何かKPIを設けていたとか、そういうことは特にないわけですね。

 

藤岡担当部長:

 今まではございません。

 

記者:

 市長と井伊社長にそれぞれお伺いしたいんですけれども、いろんな分野で実験をしていくという話なんですが、特にこの3年間で期待しているジャンルのものと、その理由を教えてください。

 

久元市長:

 4分野ですね。観光、環境、教育、医療。とにかく何か初めからこの4つの分野の中でこれをやってみましょうということを、恐らくこれは初めから決められているものではないわけですよね、これが。これからテーマを設定するということですが、これは全くの思いつきになりますが、観光という分野では神戸は遅れているんです、明らかに。

 ただ、その遅れている理由としてよく挙げられるのは、京都に比べれば、京都は豊臣秀吉の頃から地震がないんですよね。空襲もなかった。ですから、江戸時代あるいはそれ以前からの様々な歴史遺産というものが多数残されていて、外国人観光客は、コロナの前のインバウンドの外国人観光客はやはり日本文化ということに非常に憧れているから、京都は圧倒的な優位。神戸は空襲と震災でかなりそれが壊されて、京都に比べれば圧倒的に劣位に立っているということを挙げられるわけですけど、しかし、観点を変えれば、神戸もまだまだ海外の方に関心を持っていただけるようなリソースというのは必ずあるはずで、そこにどうやって焦点を当てるのかということはいろんなアプローチがあるはずです。

 どうそれを発見するのかということと、どうこれを磨きをかけて発信するのかという、そういうやり方、ここはテクノロジーが介在する余地というのはまだまだあるはずです。この羽のないドローンというのがどういうふうに活用されるのかまだ分からないですけれども、これをうまく活用すれば新たな観光ルートの開発ということもできるかもしれませんし、我々の気づかなかったところが、実はひょっとしたらこれとこれとこれを結びつけて、こういうようなアプローチをすれば、これは海外の方から見たら魅力的なことになるかもしれないというのは、あるかもしれないですね。

 そういうことを具体的に、今日、今、私がしゃべっている内容というのは非常に抽象的だというふうに思われるかもしれませんが、これを具体的な発見、気づきに結びつけていくという可能性は十分あるのではないかというふうに思います。

 あと、環境の分野でやはり期待をしたいのは、カーボンニュートラルの取組です。カーボンニュートラルは、水素エネルギーの利活用というのをどんどん進めていますけれども、例えばブルーカーボンですよね。CO2を海の中の藻場の造成、海藻の育成で吸着量を増やすとか、ここはまだまだ新たなテクノロジーの導入というのは必ずあるはずです。そういうカーボンニュートラルの取組というのも、ぜひこれは期待したいと思います。

 

井伊社長:

 一言だけ、違う観点で。私はこのプロジェクトを通じて、ドコモと神戸市の職員の方だけでなくて、そこに参加する若い方とか学生さんとか市民の方、こういう方々がこれに取り組むことによって、これが面白いなと、仕事になるんじゃないかな将来、という機運が盛り上がってくれることをすごく期待していまして、やはりデジタルというのは技術を入れるだけでは駄目で、やっぱりそれをどんどん変えていくとか違う分野に応用していくには本当にたくさんの方が必要で、コンサルティングすることもそうですけども、それは我々だけじゃなくて、若い方々がこういう技術に対して非常にフレンドリーな方々が多いですから、これを私たちも取り組んでみようというふうになってくれることをすごく期待していまして、久元市長も同じようなお考えをお持ちだと先ほどお伺いしていますので、そういう意味では、それが産業になるかもしれないというふうに思っています。

 

記者:

 2つの取組があったと思うんですけども、これをもうちょっと具体的に、どこが、例えば今年度のどのぐらいからスタートしてみたいなところをちょっと教えていただければと思います。

 

稲川部長:

 まず、2022年度の頭から、いろいろと各プロジェクトごとにメンバーを集めて、課題の目標設定をどこをゴールにするかというところから議論して、そこを決めた上で、そのゴールを設定していくというプロセスをまず走らせようと思っています。

 さっき挙げた2つの掛け算というのも、1つの分野であるとそこだけのフォーカスになるんですけど、実はもっと複雑な問題、課題を抱えているところも結構あると思いますので、そういうところで、皆さんが本当にそこで必要なソリューションであるというところを、地域の皆さんも参加していただいた上で議論できればという流れでスタートさせればなと思っています。

 

記者:

 例えば今年度中にどれかスタートするとか、そういう言い方って。

 

藤岡担当部長:

 まず、観光の部分ですね。これに関しては、今、関西国際大学さんとNTTドコモさんで何回か打合せしております。関西国際大学というのはやっぱり人材育成の部分があるので、カリキュラムをこれで組んで、今年度中にそのカリキュラムを実装されるというふうに聞いております。もちろんその前にちょっと覚書みたいなのも締結しないといけないので、そういった手続があるんですが。

 

 理化学研究所さんとも一応そういった形で、役割分担なんかを決めながら、まず覚書を結んで実装していこうということでございます。

 

 目途としては、それは年度ごとというところがあるんですが、何が起こるか分かりませんので、ちょっとまだそこの具体的にここまでというのは決められておりません。

 

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