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定例会見 2020年(令和2年)10月8日

最終更新日:2020年10月8日

ここから本文です。

市長定例会見の模様をお届けいたします。

 

会見資料はこちら(PDF:5,815KB)

 

 

新型コロナウイルス感染症対策

久元市長:
 今日、私からお話を申し上げたい案件は3件です。1点目はコロナウイルス感染症の発生状況、2件目が六甲山上スマートシティ構想の現在の具体化の状況、3件目が神戸医療産業都市の中にクリエイティブラボ神戸(CLIK)がオープンをいたしましたので、その概要をご説明申し上げます。
 まず、新型コロナウイルス感染症の発生状況ですが、直近1週間では50件ということになっています。次の資料を追って直近2週間の比較をしていただければ、直近1週間の新規検査数1,118件で、3月から6月のピーク時、312件に比べまして大幅に検査数を増やしてきております。直近1週間の陽性件数を見ますと、これは増加傾向にあります。
 入院、入所患者数ですが、御覧いただきました資料が現在の直近1週間の状況です。10月7日時点で入院が46人、入所が17人となっています。重症は2人ということで、変わっていません。直近1週間で見ますと感染者が増加傾向にありまして、入院、入所患者数も増加をしてきているという状況になります。
 医療提供体制の状況ですが、これもそんなに状況は変わっておりませんので、説明は数字をご覧いただければと思いますが、医療提供体制が逼迫している状況にはないというふうに考えております。
 2施設用意をしております宿泊療養施設の入所状況ですが、ニチイ学館が100室のうち6室、東横インが110室のうちの11室ということで、現在17名が入所中ということになっております。あわせて、210室対応できておりますので、これについても十分な対応ができているというふうに考えております。

六甲山上スマートシティ構想が続々と事業化!~豊かな自然の中で新たな働き方を実践する空間に~

久元市長:
 2件目が、六甲山上スマートシティ構想の現在の事業化の状況をご説明申し上げます。この構想は、六甲山が有する先人たちが守り育ててきた豊かな自然、ここにwithコロナ時代の密を避けた新しい働き方ができる場所にしていこうと、こういう構想です。withコロナ時代にはテレワーク、あるいは自然調和型のワーケーションと、こういうような都会の密な環境を避けた新しい働き方が注目をされています。六甲山上はそういうようなニーズに対して場所を提供できる、そういうエリアではないかというふうに考えまして、この構想を5月28日に発表いたしました。まだ4か月余りしかたっていないわけですけれども、かなり具体的な動きが出てきました。
 少しおさらいになりますが、国立公園ですので施設の用途制限、あるいは新規開発の規制がありました。乱開発につながらないように合理的な内容でこれを見直し、緩和していく必要があるということで、県と協働した再生委員会などでも検討をして、緩和手続を進めてきたわけです。去年の4月1日には、これは神戸市が所管をしているわけですが、都市計画法上の市街化調整区域の開発許可基準を改定いたしました。観光資源の有効な利用上必要な建築物につきましては、既存建築物からの建て替えに加えまして、開発行為の目的に新築を加えまして、さらに事前同意を廃止いたしました。手続を簡素化することにしたわけです。9月30日には自然公園法の規則、通知などが改正になりまして、要件に合致する分譲型ホテルなどをここへ、国立公園事業として認可がしていただけるということになりました。さらに、12月ですけれども、既存建築物の建て替え、増改築、用途変更などを目的とする開発行為・建築行為規制を緩和いたしまして、既存建築物を都市型創造産業のオフィスなどに建て替えることができる、そういうような行為規制も緩和をするということになりました。そして2020年、今年の4月には新築建て替え、改修の補助上限額を増額いたしまして、6月には都市型創造産業に資する事業の事務所の建て替え、改築経費などの補助の新設を行うと、そういう支援策を強化したわけです。
 早速動きが出てきまして、今年の7月から9月まで創設をいたしました都市型創造産業振興事業の補助金の公募を実施いたしましたところ、4件の応募がありまして、9月に2件を選定いたしました。この2件をご紹介させていただきますが、1件はアマデラスホールディングス、2件目がリネスト・ジャパン合同会社です。このアマデラスホールディングスさんは須磨区に本社がある会社でありまして、六甲ケーブルの山上駅の北側に、これはすぐのところにあるんですが、六甲山カフェをつくっていただいております。この六甲山カフェにオフィスを増築していただきまして、そしてここに、新しく社員の方もここに移っていただけると、そういう構想です。来年の夏頃に完成をするというふうに承知をしております。このアマデラスホールディングスさんは坂井幸嗣さん、大変この環境を気に入っていただいています。
 2件目がリネスト・ジャパン。これは自社の保有する地上3階建ての元保養所を改修いたしまして、都市型創造産業のレンタルオフィス4室、さらにコワーキングスペースをつくっていただく、こういう形に転用をしていただくというものです。
 この会社は、もともとはこれ、保養所だったわけですけれども、9月に購入をしていただきました。このリネスト・ジャパンの代表社員、テン・ジン・ユさんはシンガポールの方です。シンガポールの方で、日本中を北海道から沖縄まで、随分いろんなところを御覧になって、六甲山が一番いいということで気に入っていただきました。そして、この保養所を購入し、先ほど申し上げましたようなレンタルオフィス、コワーキングスペースに転用していただけるわけです。あわせて、このテン・ジン・ユさん、この施設のほかに山上の別の場所、丁字ケ辻付近にも宿泊施設を整備していただけるということになっています。そして、さらにシンガポールの企業の日本オフィスをこの六甲山上に展開できないか、こういうようなこともおっしゃっていまして、こういう形でシンガポールから六甲山にこれから移っていただける企業が出てくる可能性が出てきた、非常にこれはありがたい動きではないかというふうに考えています。
 もう早くもこういう動きが出てきまして、これをもっと広げていきたいと思います。そこで、六甲山のこういう動きをサポートする、相談に乗る、トータルコーディネートの役割を果たす企業を選定することにいたしました。六甲山スマートシティ運営共同事業体というようなものなんですけれども、株式会社いきいきライフ阪急阪神さん、そしてLusieさんを選定いたしました。これから説明いたします共創ラボ交流拠点を設置、運営をしていただく、進出企業の誘致、ワンストップ相談窓口、六甲山で働く魅力の発信、ブランディングの支援、こういうことをやっていただきます。
 まず、この運営共同事業体が行っていただく事業の重要なもの、これが共創ラボ交流拠点です。これを整備し、そして運営をしていただきます。場所はまた後で画像もご覧いただきますが、六甲山上駅から歩いて15分ぐらいのところにある隠れ家のような落ち着いた環境です。山上から抜群の眺望を楽しむこともできます。この共創ラボのコンセプトは、「“ワークインレジデンス”森の中で暮らして働く」、こういうコンセプトです。この共創ラボと呼んでおりますが、ワーケーションが可能なコワーキングスペース、さらに7室のレンタルオフィスを用意いたします。原則、会員制ということで、夜間も含めて宿泊利用時にはレジデンス・コミュニティーマネジャーが常駐をいたしまして、六甲ケーブル山上駅からの送迎も行います。来年の3月に開設を予定しておりまして、原則、毎月、体験型の短期滞在プログラム、ワークインレジデンス・プログラムを実施するということにしています。年間40組から50組ぐらいを募集して、この六甲山で滞在して仕事をする、そういうような体験をしていただき、六甲山の魅力を感じ、そしてこの六甲山にオフィスをつくっていただく、あるいは入居をしていただく、そういうような動きにつなげていきたいというふうに考えております。
 ちょっと細かくて見にくいかもしれませんが、この改修後のイメージです。全7室のワーケーションオフィス、それからコワーキングスペース、それからシェアキッチンもつくります。5室の個室、それから2棟のコテージも用意をいたしまして、ここで宿泊できるようにいたします。ワーケーションの利用に最適な新たなモデルになるのではないかというふうに思います。
 この施設の名前ですが、これは仮称ですけれども、「ロッコノマド」という名前を予定しております。このノマドというのは最近よく使われるようになりましたね。場所を限定することなく、複数の場所で仕事をしていく。ノマドというのはもともと遊牧民という意味でしょうか、そういうような内容にふさわしい愛称ではないかというふうに思います。
 この運営共同事業体が行う2番目のミッションが、進出企業の誘致です。都市部のコワーキングスペースとの相互連携を企画しておりまして、この共同運営事業体の中にエリアコミュニティーマネジャーも配置いたしまして、交流イベントやワークショップなどを定期的に開催したり、東京や大阪など、あるいは東京などのコワーキングスペースと相互に連携をして、ネット上で新たなコミュニティーが生まれるということも期待をしたいというふうに思います。さらに、六甲山の北側の里山地域あるいは農村地域などとの交流ということも考えられるのではないかと思います。
 3番目のミッションが、ワンストップ相談窓口です。「六甲山 森のオフィス」という名前の相談窓口を設置いたします。山上物権を知り尽くした地元不動産会社による相談窓口です。神戸R不動産を予定しております。山上でオフィス物件をお探しの方、有効活用したい物件を所有する方々の情報を収集し、物件の紹介、リノベーションを提案する、施工まで一体的なサービスを提供していきたいと考えております。
 4番目は六甲山の魅力発信、ブランディングの支援です。日本語と英語に対応いたしましたポータルサイトを12月頃に作成いたします。今年度の体験ツアーの模様を映像化して、Web上で六甲山で働く魅力を発信したり、あるいは動画、写真などでのコラム、インタビューを定期的に配信いたします。オンラインで六甲山で働く説明会を開催する、さらに、紙媒体での地図も組み合わせて、六甲山で働く魅力のブランディング、プロモーション、これを多角的に実施していきたいと考えております。
 先般、最先端の技術やデータを活用した事業を募集して技術実証・実装を支援するBe Smart KOBEのプロジェクトを発表いたしましたけれども、この中の六甲山関係のものが2件、六甲山観光株式会社、ミツフジ株式会社によるものです。こういうような形での実験も行いながら、六甲山に様々な取組みをしていきたいというふうに考えております。
 あと、六甲山上をこういう形で活性化をしていく、取組みをするためには、いくつかこれまで足りないところがありました。それは、光ファイバーがいっていなかったということです。これは神戸市が事業主体となって設置いたしまして、光回線によるブロードバンドが今年の12月25日にサービスを開始するということになります。登山道案内表示の整備、それから市バス106系統の直行便も運行するとともに、山上の水道料金体系も見直します。
 この直行便ですけれども、市バス106系統、これはJRの六甲道、阪急六甲、それから六甲ケーブルのケーブル下、これを直通で結ぶ便です。10月、既に運行を開始しているわけですが、9月の4連休から試験的に運行を開始し、今日も走っていますが、11月末までにJR六甲道、阪急六甲、それから六甲山のケーブル下までノンストップで運行いたします。9時から17時半まで30分に1本、18本直行便を運行いたします。帰りは、土日祝日はノンストップで運行するわけですが、平日は、午後からは六甲ケーブルの到着時刻に合わせて神戸大学の学生や教員の皆さんにも利用できるような通常便として運行をいたします。お客さんが多い場合には臨時便も増発いたしまして、六甲ケーブルへのアクセス、これを飛躍的に改善いたします。
 最後に、六甲山上の水道料金を大幅に引き下げることにいたします。六甲山の水道料金は、市街地の水道料金よりも高く設定されてきました。それは、利用形態が別荘や保養所といった避暑地的な利用が主であるということで、冬場の利用がなかなか見込めないということで高い料金設定をしてきたわけですが、このたび、送配水管のネットワーク整備で、市街地からここに送水できるようになります。そして、もう六甲山上も別荘地や保養所だけの六甲山ではない。ここでオフィスや工房を開設して、そこで住みながら仕事をする、こういうようになってきますと、別荘だから水道料金を高くする理由は希薄になってきました。そういう2つの理由で、水道料金を市街地と同一水準に引き下げます。
 例えば、事務所を設置して、そこにお住まいになる、お使いになる。口径20ミリ、1か月の平均的な水量で10立米を使用した場合、現在は3,450円ですが、これが880円に大幅に引き下げられます。それから、ホテルとして口径75ミリ、平均的な使用水量3,000立米を使用したといたしますと、現在は112万円余りですけれども、これが105万3,000円余りということで、年間80万円近く安くなるということになります。これを来年の4月から実施するということで、来年の2月市会定例会に必要な条例改正案を提出したいと考えております。六甲山上スマートシティ構想、これをつくったばかりですけれども、かなり具体的な動きが出てきました。
 六甲山は、神戸市民にとりまして大変大事な場所です。よく知られておりますように、明治の初め、六甲山は禿山だったんです。牧野富太郎博士の有名な観察記録というものも残されております。それを、初期の神戸市政は、この禿山の六甲山を、専門家を招き、本多静六博士、明治神宮の造営などにも携わった、一流のそういう専門家を招いて、六甲山にたくさんの種類の木を植えて植林をし、そしてこういう努力を延々と続けて、緑滴る六甲山にしたわけです。
 六甲山は、白神山地のような原生林ではありません。人が手を加えることによって、すばらしい環境ができてきたわけです。私たちは今後とも六甲山に、例えば干ばつなどで手を加え続けていく必要がありますし、先人がつくり上げてきた六甲山を、現在にふさわしい形でこれを保全し、そしてその恵みを受け取っていく、こういうことが私たちの使命ではないかというふうに考えております。
 六甲山上スマートシティ構想は、withコロナ時代に求められる働き方や暮らし方に沿ったものではないかというふうに思います。まだまだ試行錯誤の部分はありますが、今まで出てきているこの成果をさらに大きく花開くことができるように、全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。

クリエイティブラボ神戸(CLIK)10月よりオープン
神戸医療産業都市の新たな研究開発・オープンイノベーション 拠点の誕生

久元市長:
 3番目が、クリエイティブラボ神戸(CLIK)、これが既に10月からオープンをしております。神戸医療産業都市は、我が国最大級のバイオメディカルクラスターとして成長をしてきました。そして、たくさんの研究所あるいは企業が立地をしてきておりまして、既存のレンタルラボは高い入居率になっています。今後、新規進出企業の獲得あるいは既存の進出企業の拡充に向けたこのレンタルラボの受皿が必要です。スタートアップから大企業まで、あらゆる企業のニーズに対応できるようなレンタルラボ施設が求められてきました。
 そこで、今回整備をいたしましたクリエイティブラボ神戸、愛称CLIKは、神戸都市振興サービス株式会社が事業主体になって、京コンピュータ前駅、この名前は今後変えますけれども、神戸空港から僅か4分のこの駅に直結をしております。このCLIKの施設の概要ですが、地上6階建て、約5,000平米の敷地に約1万2,000平米の延床面積を持つ施設ということになります。
 この機能ですけれども、1つは、利用者の交流を促進するオープンイノベーション&コミュニケーションの場となるイノベーションパークを整備いたしました。カフェも萩原珈琲さんが運営をしていただくということでオープンしております。そして、全国から集まるライフサイエンス分野の皆さんに入っていただく、そういう場を用意するわけですが、そこに入っていただくスタートアップの皆さんが研究開発を加速する拠点を目指します。共用実験設備を完備いたしましたウェットラボ、これを用意いたしまして、スタートアップの皆さんの初期投資のコストの低減を図りたいというふうに考えております。
 この記念式典、ちょっと台風で微妙なところがありますが、10月10日土曜日に予定をしております。
 そして、このCLIKの中に次世代医療開発センターを整備いたします。これは、財団、神戸医療産業都市推進機構の設立20周年、そして、本庶佑理事長のノーベル生理学・医学賞の受賞を契機とした施設でありまして、このCLIKのビルの中に現在整備中ということです。来年の春に竣工を予定しております。共同研究ラボ、共用研究機器室、共用動物実験施設などを整備したいというふうに考えております。そして、このセンターの整備に、あるいはセンターの活動の資金を用意するために、本庶記念基金を設置し、幅広く個人や法人、団体の皆様にご寄附をお願いし、ここの施設での研究支援に活用させていただきたいとも考えております。この次世代医療開発センターから様々な研究が生まれ、幅広く人類の医学、そして医療の未来に貢献をしていただくことを期待申し上げたいと思います。
 私からは以上です。

質疑応答

記者:
 クリエイティブラボ神戸のことで、特にこの次世代医療開発センター、こちらのことなんですけれども、これは来春オープンということなんですが、具体的にどういった研究内容をするとか、あるいはどういったことをしてほしいといった、そういった期待はありますか。

職員:
 研究内容について、今後、内容を検討して考えていきたいと思いますので、まだ現在、どういう研究をするかというところは未定でございます。

久元市長:
 やはり本庶先生がノーベル賞を受賞されたということで、ぜひ本庶先生の思いをこの場で形にしていただきたい。本庶先生は非常に多方面で活躍をしておられますが、神戸医療産業都市が人々の命、健康に貢献をするということを大変念願されていまして、また、ご自身もそういう方向でこの機構も運営をしたいというふうに思っておられますことを私も何回か意見交換して承知をしております。本庶先生の思いが形になるような形で研究が進められていくということを期待したいと思います。

記者:
 六甲山についてなんですけれども、六甲山のほうに今誘致をしているということは承知していますが、一方で、三宮のほうでもオフィスの再開発を今進められておりまして、オフィス需要も、今つくっていこうとされているので、コロナ後、コロナ禍でもいいんですが、そういうすみ分けというか、都市の考え方というのがもしあれば教えてください。

久元市長:
 コワーキングスペースあるいはスタートアップの皆さんがビジネスをスタートし、これを成長させる場所を用意するということは非常に大事です。神戸の強みは、三宮もある、六甲山もある、里山もあるということです。ですから、これは、それぞれすみ分けをするというよりも、それぞれのスタートアップや、あるいはベンチャー企業の皆さんに多様な選択肢というものを神戸が用意することができるということが神戸の強みではないかというふうに思いますから、三宮はこういう業態やこういう業種、六甲山はこういう業種や業態というふうな形での機能分担、役割分担ということを設定するということではなくて、多様な選択肢を用意して、そこから選択をしていただくという考え方になるのではないかと思います。

記者:
 都心にもスタートアップがいてもいいし、郊外で斬新なアイデアをという、そういうやり方もありだということで。

久元市長:
 やはりこの都市型創造産業は様々な業種にわたっているし、それから規模も様々ですね、1人でやっておられるところもあります。そうすると、ご自身でオフィスを構えるという考え方もあれば、コワーキングスペースに入るというニーズもかなりあります。それから非常に最先端のICT機器などが使えるというような、最先端のオフィスで仕事をしたいというニーズとともに、神戸にもたくさんありますが、比較的古いビルで、そんなに設備は十分ではないけれども、とにかく賃料が安いというようなところもありますね。これはスタートアップという言葉で呼んでいいかどうか分かりませんが、20年、30年ビジネスをして、最初は古いビルの中で、本当に2坪か3坪ぐらいのところでスタートをさせて、そしてビジネスの成長過程に応じて広いところに入っていって、そしてビジネスを成長させてこられた方、たくさんいらっしゃいます。神戸はですから、そういうようなビジネスをスタートさせる皆さんに提供される選択肢というものを、六甲山も含めて、いろいろなタイプのものを用意するということ、これが強みでもあるんではないかと思います。

記者:
 もう1点いいですか、すいません。
 先ほどのCLIKの、本庶さんの記念センターも含めてなんですが、いよいよ稼働というかオープンをするということですけども、改めてこの医療産業都市内における拠点をつくった意義といいますか、これがどう将来的に影響あるか、あるいは未来像みたいなところを教えていただければと思います。

久元市長:
 そうですね、神戸医療産業都市はすごく集積が進みました。改めて繰り返すまでもないかもしれませんが、理研があり、富岳があり、大学があり、先端医療を提供できる病院、アイセンターも含めてですね、ある。そして医療産業や医療機器、医薬品などの様々な企業が集積をしている、これをより発展をしていくためには、つまり新しい研究開発が次々に起こっていくためには、やはりこのラボビルというのが必要です。これはおかげさまで、神戸市は次々につくってきたわけですが、これは相当入居率が好調です。ですからそういうような場所を用意するということと、あとは、先ほどもご説明をいたしましたように、共同利用ができるような最先端の設備を用意して、できるだけスタートアップの皆さんも初期投資を軽減してビジネスをスタートすることができるようにしていく、これがさらに神戸の医療産業都市を発展させていく有力な方向性ではないかと思いますので、こういうような考え方で今回CLIKをつくり、そして、たくさんの皆さんにこれを活用して、最先端の研究開発を行っていただければと思います。

記者:
 六甲山上の水道料金のところなんですけど、この市街地と六甲山上の水道料金の事業統合というのは、こういう、今回のスマートシティ構想とか六甲山の再整備とかをにらんだ対応だったんでしょうか。

久元市長:
 もう1回お願いします。

記者:
 この水道事業の統合は、今回のスマートシティ構想とか、六甲山が今やろうとしている再整備に向けた事業統合ということですか。

久元市長:
 もともと水道料金が高いということの問題意識は持っておりました。ただ、その理由が保養所とか別荘地ということなので高くしているということであったわけですが、それはやはり六甲山の性格というものが変わってくる、ですから答えは基本的にはそのとおりです。スマートシティ構想を展開して、六甲山が別荘地、保養地という性格も残しながら、それはそれで大事にしながら、六甲山で働き、六甲山で暮らす、言わばワーケーションの場所でもあるとするならば、それは水道料金にかなり差をつけるという理由は希薄になるはずですし、また、現実にそれを可能とする送水管設備もできることになったので、そういう2つの理由から、六甲山の水道料金を下げる必要があり、また、下げることができる体制、準備が整ったということです。

記者:
 すいません、今回の対象になる既存の施設はどれぐらいあるんでしょうか。

久元市長:
 つまるところ、六甲山にどれぐらいの数の施設があるかということと、どれぐらいの方がいらっしゃるかということですね、ちょっと具体的な数字ですので、後でまた提供させていただきます。(約400戸)

記者:
 今回、六甲山上スマートシティ構想で、事業者として選定されたのはどちらも神戸市内に拠点を構える会社だと思うんですけれども、市長が前々から重ね重ねおっしゃっていた、東京に人材が集中しているとか、大阪に、日本の中での大きな都市部の会社などを六甲山上に移ってきてもらって、また、ウィズコロナを意識した生活様式を送ってもらいたいとおっしゃっていたと思うんですけども、そういった東京とかの会社を誘致するために、これからどのように働きかけていくかを伺ってもよろしいでしょうか。

久元市長:
 この2社とも、2つの事業に関係する企業は、いずれも六甲山のことをよく知っている会社であり、六甲山のことをよく知っている人たちが企画をしていただいて、そして今回選定をされて、知り尽くしている方々が六甲山の魅力を発信していくというところからスタートするということは、これはこれで意味があることではないかと思います。あとは、様々な方々のアイデアとか発想とかをできるだけ取り入れて、そして、プロモーションや誘致活動をするということが大切だと思いますが、おかげさまで六甲山上スマートシティ構想を発表してから、ネットなどでもかなりこの構想に対する関心が集まってきて、そして現実に、先ほどもご紹介しましたように、シンガポールの方がかなりこの六甲山に投資をしていただき、また、最初からそんなに規模が大きいわけではありませんが、六甲山にも来ていただくという動きが出てきました。これをやっぱりさらに広げていくということだと思うんですね。
 それから、先ほども申し上げましたように、いろんな方々の知恵を集めて英語のサイトも含めたそういうプロモーションサイトも作りたいと思いますし、やっぱりこれから発信していくということが非常に大事です。
 それから、つい二、三日前も東京に配置をいたしましたエバンジェリストの職員とも意見交換をしたんですけれども、そういう個別に様々な情報発信をする、この六甲山上スマートシティ構想をネットで全体的に発信するということとともに、個別のアプローチということもぜひ見ていきたいと思います。

記者:
 さらに今回、水道料金の見直しであったり、直行バスの配置であったり、様々事業者を誘致するために取り組んでいらっしゃると思うんですけども、さらに取り組んでいくとしたらここに課題があるなとかお思いでしたら伺ってもよろしいでしょうか。

久元市長:
 バスの増便はこれはスマートシティ構想というよりも、今、六甲ミーツ・アートが行われていて、おかげさまでたくさんの方々に来ていただいていますので、そういう方々を対象とした、どちらかというとこれは観光客向けの対策です。ただ、こういうスマートシティ構想がずっと具体化をし、六甲山の山上人口が増えることになればバスの運行というものも、そういうような方々向けの対策として充実・強化をさせていくということはあり得るのではないかと思います。
 それから、今後やるべきことというのは、やはり六甲山の山上での移動手段ですよね。これは歩いて移動される方もたくさんおられるわけですが、まだ歩道が十分でないところがあります。それから、遊歩道や登山道、ハイキング道などが災害のために通行止めになっている箇所もいくつかあって、六甲山は崩れやすい山なので、メンテナンスということをしっかりやっていかなければいけない、これはかなり苦労している面もあるんですけれど、地道な分野ですが、そういうことをしっかりやっていくということも大事ではないかなと思います。

その他質疑応答

記者:
 先ほどのCLIKの説明の中で少し市長がおっしゃったんですけども、最寄り駅の京コンピュータ前駅の名前を変えないといけないというような話があったんですが、実際にどういった名前にするとか、いつ頃変えるというような話がもうあるんでしょうか。

久元市長:
 これは今調整中でして、しかし少なくとも「富岳」という名前は入れないといけないだろうと思っています。

記者:
 今、国が主導していわゆる判子レスというんですか、押印をできるだけ行政文書からなくそうというような動きが全国的、各自治体にも広がってきているのかなと思うんですが、神戸市も行政手続のデジタル化をこれから進めるというような方針も出されていますが、改めて市長のお考えとか何か目指すところがあれば伺えますでしょうか。

久元市長:
 判子に関心が集まっているわけですが、それは判子をなくすということは大事だと思いますし、神戸市もそういう方向で取り組んでいくと思うんですが、デジタル化というのは何も判子だけではありません。判子はごく一部分です。基本的にやはり市民や事業者の皆さんとの関係で言えば、紙による申請や届出というのをいかに減らしていくのか、電子申請や電子届にしていくのか、これはずっと昔からの課題なんですけれども、これが神戸だけではありませんが、大変遅れています。
 神戸も1,000以上の行政手続があるわけですけれども、1,000以上の行政手続のうち、電子化できているのは68しかないわけですね。これをできるだけ、7割程度は電子化しないといけないということが目標です。そして、基本的に電子化するということは、特に区役所がそうなんですけど、区役所に来られる方はたくさんいらっしゃいますが、かなりの方は住民票の写しとか、印鑑登録証明書とか、納税証明書を取りに来られる。これをマイナンバーカードでコンビニで取れるようにする。それから、自宅から電子申請や電子届出をできるようにする。
 こういうような形でのデジタル化ということを進めていくと。判子はそういうような取組みの中の結果として出てくるものであります。その中の一部を構成するものですから、そういうような方向性を持って進めていきたいと思います。

記者:
 市長がいろいろとSNSで発信しておられまして、9月25日のフェイスブックで神戸駅の周りでしょうか、歩かれたときにちょっとまだ整備が進んでいないということで、組織の批判的な内容とかを投稿しておられますけれども、「面的整備にしか関心を持たず踏ん反り返っている組織を廃止、解体、理屈系部局の抜本的再編を行う」とありますが、この真意といいますか、どういう意味合いで投稿されたのかということを教えていただけますか。

久元市長:
 私は、できるだけ駅前というのを見に行って、もっとスピード感を持って進めないといけないということを常々感じております。もちろん、たくさんの職員の皆さんが一生懸命やっていただいていて、特に駅前の112の駅全てに街灯を合計で2,000基程度増設するとか、駅前の植栽をしたり、ベンチを作ったり、これはものすごく一生懸命やってくれていますが、全体としての神戸の大きなまちづくりの考え方は、神戸が成熟都市であるということだと思うんですね。
 かつて、「株式会社神戸市」と言われて、山を削って、海を埋め立てて、そして、その両方に産業団地やニュータウンや空港や医療産業都市をつくってきた時代というものはとっくに終わっているにもかかわらず、どうしても大規模な面的整備というのが大事であるという発想が、特定の部局ということではなくて、やっぱりどこかに残っているという気がします。成熟都市でやらないといけないことは、丁寧にまちをリニューアルしていくということだと思うんですね。何百ヘクタールというような規模の新しいまちをつくるのではなくて、既にあるまちをどうつくり変えるのかという、やや細かい発想ということと、それから、1つの部局だけで対応するのではなくて、この駅前整備にしても、道路部局や公園部局や、あるいは全体を要する企画調整部局や、複数の部局が関わってやっています。
 ですから、そういうようなかつての面的整備がまちづくりだという考え方は、やっぱり頭を切り替えないといけない。既にあるまちをどうリニューアルするのかということを、それは駅前だけではなくて、まちの中に低利用、未利用、あるいは老朽化している建物がかなり集中している地区があって、そういうところは、やはりもう少し個々の区画に着目をした丁寧なまちづくりということをしていかないといけないのではないだろうかと、そういう思いで書いたところです。

記者:
 組織をどう変えていきたいみたいなことは、今、頭にあるんでしょうか。

久元市長:
 この組織の編成というのは、例年かなり副市長や局長も交えて議論をいたします。やはり、まちづくりの発想というものを大分ここ2、3年変えてきました。かつての「株式会社神戸市」の時代とは違うまちづくりということを、例えば、垂水や名谷や西神中央のまちづくりなどに見られるように変えてきましたから、それにふさわしい組織体制というのを年末から来年初めにかけてしっかりと議論をして、見直すべきところは見直していきたいというふうに思います。

記者:
 兵庫県知事の話にはなるんですけれども、県知事の公用車が、以前、レクサスを使っていたものが、センチュリーに変えることによってリース料が2倍以上になっているという話がありまして、これはちょっと市民からも「無駄なんじゃないか」という声も上がっているんですけれど、市長としては、これについて何かコメントがあったら。

久元市長:
 知事や、あるいは、こういう公用財産を管理している県庁部局でお考えになることですから、私として特にコメントすることはありません。私の公用車は今の公用車で十分だと思っています。

記者:
 今の公用車というと、燃料電池の車でしょうか。

久元市長:
 私の公用車はクラウンです。燃料電池を使った、水素エネルギーを使った自動車は「MIRAI」と、もう1台、たしか2台あったと思うんですが、これは、私は使ってはおりません。ひょっとしたら使ったほうがいいのではないかという気もしておりますので、ちょっと検討課題に今なっています。

記者:
 クラウンに乗っていても、乗り心地としてはいいですか。疲れないですか。センチュリーに乗る必要があるのかどうかと。

久元市長:
 私自身は今の車で十分です。

記者:
 灘区の特別養護老人ホームの「きしろ荘」で長期間にわたる不適切なケアが判明しましたけれども、監査指導する神戸市としてどう受け止めているかお聞かせください。

久元市長:
 これは、そういうような情報にも接しましたので、8月からこの施設に対して介護保険法に基づく調査を行っております。現在調査中で、調査がまとまり次第法令にのっとり厳正に対処していくことになるというふうに承知をしています。

記者:
 これまでの監査指導の中で、再三にわたり、法人監査の中で何度も指摘がされていたにもかかわらず、結局、長年こういった状態が放置されてしまっていると思うんですけれども、つまり、監査指導の効果が出ていないのではないかという指摘もあると思うんですが、それについて市として対応が十分だったかどうかというのはどうでしょうか。

久元市長:
 まず、この法人の運営施設、そして、つまるところ、この法人の運営の在り方の実態、これを今、調査中でして、この調査の中には神戸市のこれまでの対応というものも、これも当然のことながら、自分たちがやっていることですから含めて調査をし、それらを含めて、調査がまとまり次第公表させていただきたいと思っています。

 

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市長室広報戦略部