最終更新日:2020年5月18日
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市長臨時会見の模様をお届けします。
神戸医療産業都市における新たなPCR検査体制の構築に向け、神戸市、シスメックス、エスアールエルの三者が合意~官民連携による新たなPCR検査機関の設置は全国初~
久元市長:
神戸医療産業都市におきまして、新たなPCR検査体制を構築することができることとなりました。今日はシスメックス株式会社、家次恒代表取締役会長兼社長CEOにご出席をいただいております。また、東京からは株式会社エスアールエル、東俊一代表取締役社長にご出席をいただいております。こういう形で両者にご協力をいただきまして、我が国で初めてとなります官民連携による新たなPCR検査機関が設置される運びとなりましたことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
それでは、中身に入ります前に、現在の神戸市内の感染者発生状況につきましてご説明を申し上げます。
今日の12時時点では、神戸市内で延べ283人の感染が確認をされています。この1週間では5人ということで、この感染経路も全て判明をしております。一時のピーク時に比べれば落ち着きを見せているということは事実です。しかしながら、他国の状況などを見ますと、また、国の説明でも、決してこれで安心できる状況ではありません。予断を許さない状況が続いておりまして、今後、第2波、第3波が到来することも十分想定をし、体制を整えなければいけないというふうに考えております。
もう1つ、これも前段ということになるわけですが、感染から治癒の確定までの流れを、ちょっとおさらいになるかもしれませんが、もう一度確認をさせていただきます。
まず、帰国者・接触者外来等で検査が必要と判断された場合には、PCR検査を行っていただきます。PCR検査の結果、陽性であった方は、病院もしくは宿泊療養施設で入院、入居し、治療、療養に当たっていただくことになります。そして、症状が改善した後に、継続的にPCR検査を受けていただき、2回連続で陰性であれば治癒確認ということになります。したがいまして、このPCR検査は、感染しているかどうかを確認するという役割と、退院前に治癒したことを確認する、この2つの意味で重要な検査ということになります。
具体的な検査工程です。これは神戸市の環境保健研究所で実施している検査の工程です。まず、検査対象者から採取された検体は、検査機関であります環境保健研究所に搬送されます。環境保健研究所では、危険性の高い病原体を扱う際に求められるバイオセーフティーレベル3という高度な封じ込めの実験室内で、手作業により不活化処理、無害化処理を行います。そして、専用の装置にかけ、得られた結果を判定するわけですが、検体を受け付けてから結果報告まで、大体3時間から6時間が必要というふうにされております。それぐらいかかっているわけです。
検査件数の推移ですけれども、ちょっと見にくいかもしれませんが、オレンジ色のほうが新たな感染を確認する検査、水色のほうが退院前の治癒を確認するための検査を示しております。両方合わせましたこれまでの最大検査数は、1日の最大件数ですけれども、5月1日の171件でした。新規の感染者数が2桁となり始めた4月上旬以降、検査数が多くなりまして、4月中旬以降は退院前の治癒を確認するための検査数が増えてきているという状況がお分かりいただけるかと思います。
環境保健研究所では、通常、1日当たり72検体を検査することが可能です。体制を強化する、体制を集中させることによりまして、最大で142件検査をすることが可能です。これは行政検査として神戸市が実施をしている検査です。一方で、環境保健研究所以外に市内の4つの病院でPCR検査を実施しておりまして、これらを合計いたしますと、おおむね1日当たり200検体を検査することが可能になっているというのが現状です。
これまで、神戸市は検査体制の確保に努めてきました。ピーク時でも検査待ちを発生させずに検査を実施してきました。しかし、先ほど申し上げましたように、退院前の治癒確認のための検査件数が増えているというのが、これが現状です。
今後は、私たちはwithコロナの時代を生きていかなければなりません。この時代には、第2波がまたやってくる、第3波がやってくるということも十分予想されます。新たな検査の必要が出てきますし、また、治癒確認のための検査、こういうニーズが常に存在をすることになりますし、感染がどういう推移をたどるのかということは予想されませんから、常に余力を十分に保っておくということが重要です。そのために検査体制の拡充が求められてきたわけです。
これはこの前も記者会見で申し上げましたが、国はPCR検査の拡大に向けて、民間検査機関の活用をするようにということをおっしゃっているわけですけれども、首都圏と地方では検査機関に大きな違いがあります。(PCR検査を受託している)民間検査機関は東京など首都圏に集中をしておりまして、神戸には存在しません。我々が検査を依頼するには、検体を輸送する必要がありまして、検査結果の判明まで1日から3日かかる、これはこれまでも申し上げてきたところです。
そこで今回、十分な検査体制を確保するために、新たな検査方法ということが考えられないか、新たなPCR検査をする機関を神戸でつくることができないか、神戸医療産業都市の中核をなす企業でいらっしゃいますシスメックスさんにご相談を申し上げましたところ、非常に前向きなお返事を頂いたところです。そして、お返事を頂いた上で、既に民間検査機関としてPCR検査を実施しておられますエスアールエルさんにご協力をいただけることになりまして、このたび、神戸市内に新たなPCR検査機関を設置できることになりました。このように、官民連携による新たなPCR検査機関の設置は、全国で初めての事例になると承知をしております。
3者の役割分担ですけれども、神戸市が行政検査の実施主体となり、PCR検査全体を統括いたします。シスメックスさんにおかれましては、検査機関として、衛生検査所としてPCR検査を実施していただきます。エスアールエルさんには、検査業務全体の管理と検体の回収、運搬を担っていただきます。具体的な運用は神戸医療産業都市の神戸バイオメディカル創造センターの中にありますシスメックスBMAラボラトリー、ここが検査場所ということになります。ここで検査が実施されるわけです。ここのラボの改修をシスメックスさんが行っていただき、6月1日からの運用を予定しております。
この新しい検査機関の検査能力ですけれども、当初は1日当たり50検体で開始をいたします。必要な検査技師の確保などを図りながら、段階的に1日100検体まで強化していくことになります。この検査は、環境保健研究所で実施をしている行政検査を補完する位置づけでありまして、宿泊療養施設で実施している退院前の治癒の確認のための検査、この検査から開始をすることになります。ご覧いただきました治癒確認までの流れで申しますれば、このステップ4に当たる部分を担っていただくことになるわけです。
神戸市のPCR検査体制としては、行政検査の実施体制としてこれまで拡充に努め、1日当たり72検体、最大で142検体の検査が可能というふうに申し上げました。これが今回、新たな検査機関の設置によりまして172検体、最大で242検体まで検査が可能になる体制に拡充されることになります。
さらに、市内病院で検査が実施されていることに加えまして、神戸市医師会との間でPCR検査センターの設置に向けての協議も並行して進めております。こういう形で、神戸市といたしましてはwithコロナの時代の中で、市内の感染状況をしっかりと把握をするために必要なPCR検査体制の拡充に今後とも努めていきたいと考えております。
私からは以上です。
家次会長兼社長:
シスメックスの家次でございます。今般、神戸市様からPCR検査の拡充についてのお話をいただきまして、私ども、神戸で生まれ育った会社でありまして、その辺りも含めて協力をしていきたいということです。ご案内のように今、COVID-19が世界中で感染が拡大していますけれども、その中で今言われていますのは、日本は少しPCR検査が遅れているという話のところがあります。特に、それぞれの地域でもきちっとPCR検査ができるように、withコロナという話になりますと、各病院である程度、PCR検査ができるような仕組みが最終的な形かなと私は思っています。
そういうふうなプロセスの中で、私どもシスメックスは臨床検査の会社でございますので、COVID-19に対してどうチャレンジするかということで今、対応しておりまして、例えばPCRの検査キットですけども、これも日本国内で最初に厚労省から認可をいただいたというようなところもございまして、さらに重症度などのモニタリングをするという話だとか、いろんな新しい検査に対しても、今チャレンジしているところでございます。これはまだ研究段階でございますので、いずれにしましても、先ほど市長がおっしゃいましたように、COVID-19というのはやはり2波、3波と申しますか、まさにパンデミックで、これからも続いていくと。それに対して、今後どう対処するか。今だけの話ではなくてというふうなことを、考えておるというところです。
そういう中で、特に今後、地元にどう貢献するか。特に地元でPCR検査などを行うシステムをつくっていくというのは、これは非常に大事なことでございます。私ども、先ほど市長がおっしゃっていただきましたBMAラボというのがポートアイランドにありますけども、これは実は遺伝子の検査だとか染色体の検査だとか、どちらかというと研究向けにつくっている衛生検査所でありまして、衛生検査所の認可を頂いていますから、当然検査は、そういう形ではできるんですけども、そういう仕組みでありまして、そこでこれからのPCR検査をやっていこうということであります。
特に私ども、検査所だけでなくて、いわゆる研究開発のところでもPCRというのはよく使っていますので、そういう意味でいうと、そういうものもうまく使いながら全体でどうするかと、いわゆる設備投資そのものもある程度あるんですけれども、機械その他についてはかなり充実しているという中での展開ができるのではないかなというふうに思っております。
そういう中で、もう一方では、そうは言いながら、エスアールエル様というのはまさに日本で最大の検査センターで、こういう検体の扱いだとか、いろんな検査プロセスもそういう中での一番プロフェッショナルでありますので、エスアールエル様にも加わっていただいて、特にいろんなロジスティックの問題だとか、あと検査データの処理の問題だとか、そういうことも含めて、これはエスアールエル様の長い経験とノウハウをお持ちなので、それをうまく活用させていただきまして、神戸市様とエスアールエル様とシスメックスと、3者が組んで新たなラボを立ち上げるというふうなことでありまして、これで、市長がさっきおっしゃいましたように、1日、当初は多分50検体ぐらいから、最終的には1日100検体というふうな形での展開ができればなというふうに思っております。
そういう中で、特にエスアールエル様にはいろんな意味で教えていただけるというようなこともありますし、それから、どちらかというとやはり市長がおっしゃいましたように、地域ではあんまりラボというのはたくさんあるわけじゃありませんので、特にポートアイランドは今、まさにメディカルクラスターで病院も集積しているというふうな状況の中で、非常にこれはいい場所であるというふうに思っています。そういう中で我々はラボを立ち上げておりますので、それを最大限利用するという話と、それから、我々シスメックスにとって言えば、今度の新たなる、今チャレンジしているいろいろな目標と申しますか、研究開発目標も、そういうところでうまくできないのかなと。
いずれにしましても、これはもう日本だけじゃなしに世界的な問題になっていますから、そういうもので新たに、新しい検査も含めてそれにチャレンジしていこうと、そういう一環の中でこういうお話を頂いたというふうなことでございます。ぜひそういうものに対して、我々としては、地元だけじゃなくて日本国のためにどう協力するかということも非常に実は大事でございまして、1つの、私は新たな神戸モデルができるのかなというふうに、大変期待をいたしていますとともに、私ども企業としてもそういう努力を最大限していきたいと、私からは以上でございます。ありがとうございました。
東社長:
エスアールエル、東でございます。よろしゅうございますでしょうか。改めまして、よろしくお願いします。
最初でございますけれども、簡単に当社の概要を紹介したいというふうに思っております。よろしいですか。
東社長:
エスアールエルは1970年に創業いたしまして、受託臨床検査を行う会社でございまして、創業以来より高い技術を必要とする特殊検査の領域の強みを持ちまして、検査を通じまして医療の進歩に貢献してまいりました。もう1つの強みという形で、日本で最大規模の受託検査のネットワークがございます。全国の大病院から地域のクリニック、診療所までの多くのお客様に検査サービスを提供しております。当社はメインの検査ラボラトリーは東京都八王子市に構えています。特殊な装置や技術を必要とする特殊検査については、全国の各地から八王子ラボへ検体を輸送しまして、高い検査品質・技術で迅速に検査を行い、医療機関に結果をご報告するという検査体制を構築しております。
次に、当社の新型コロナウイルス感染症に関する取組についてでございます。このたびの新型コロナウイルス感染症につきましては、当社の八王子ラボと、子会社でございます京都の日本医学臨床検査研究所の検査ラボを中心にPCR検査を実施しております。特に八王子ラボに関しましては、本年の2月より厚労省感染研からの行政検査、保険適用された3月には医療機関からの検査の受託を行っておりまして、今現在、足元では1日約1,000件のPCR検査を担っております。民間の検査機関としてはいち早くPCR検査を行う検査体制を構築したことで、検査体制の構築、検査、品質、検体の輸送を含めたオペレーションに関してかなりのノウハウが蓄積できております。このたびの神戸市及びシスメックス様の事業について、検体の集荷と検査結果ご報告、いわゆるオペレーションの部分を担わせていただきますが、当社がこれまで培ってまいりましたPCR検査のオペレーションに関わるノウハウが生かせるものと考え、ご支援させていただくこととなりました。PCR検査の体制を強化するためには、いわゆる検査そのものだけではなく、医療機関から検体を適切にお預かりし検査ラボまで運ぶ、速やかに検査結果をお返しするというオペレーション、ロジスティクスの部分が検査品質を担保するためにも非常に重要であり、その重要な部分をお任せいただけますことに感謝申し上げます。
最後に、このような官民一体となってのPCR検査体制の構築というモデルは、今後の感染拡大防止に向けて非常に重要なモデルであると感じております。このような取組に参画させていただくことは非常にありがたく、意義あることと考えております。当社が担う役割においてしっかりと責務を果たし、本事業に貢献してまいりたいと思っております。本日はどうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
以上でございます。
記者:
まず久元市長にお伺いしたいんですけれども、全国初のモデルということでおっしゃっていましたが、そもそも官民の連携モデルがなぜよいのかというところと、なぜ他都市はできず神戸市ができたのかという話を2つ教えてください。
久元市長:
まず神戸では民間検査機関を活用しようにもなかなかそれが難しいと考えられていたので、そこで何か方法はないのかと。民間検査機関に検査を依頼すれば、こちらから送るのに1日あるいは2日かかる。検査機関の中でも一定の期間がかかるということで、厳密にはなかなかこれは難しいというふうに考えておりました。その一方で、何か別の方法はないのかということを模索している中で、シスメックスさんにお願いし、ご相談をしたところ、先ほど申し上げましたように、今回こういう方法が実現できたということです。行政検査の責任は行政のほうにあり、神戸市にこの責任があるわけですけれども、民間検査機関にシスメックスさんがなっていただいて、そして神戸医療産業都市の中のラボで検査機関が探求をすると。言わば神戸医療産業都市というものを展開していたから、そしてそこの中でシスメックスさんが中核的な役割を果たしていただいていたから、これが実現をすることになっただけで、神戸医療産業都市の成果だというふうに思います。
また、神戸医療産業都市の中で重要な役割を担っている中央市民病院、院内感染と闘っていますけれども、ここが重症患者を治療するというふうにもなりますから、医療産業都市の中でこういう連携ができるということは、医療産業としての成果だというふうに考えております。
記者:
シスメックスの家次社長にお伺いしたいんですけれども、このPCR検査事業を受けることによって、御社にとっての今後のコロナの検査あるいは治療薬の開発にとってこういう可能性が出てくるとか、事業の方向性に影響があるかどうかなどを教えていただけますか。
家次会長兼社長:
実際、陽性の患者さんの検体を扱うというふうなことですよね。我々、今いろんな意味で研究したり情報を得たりというような話のところでありますけれども、具体的な検体を扱えるというのは、我々のいろんなチャレンジにも非常に有効ではないかなというふうに思っております。一義的にまずPCR検査をきちっとやることは何よりも大事な役割です。それから、それに付随するような形で何かうまく使えないかということも含めてできるのかなというふうに思います。当然ながらインフォームドコンセントなどそういうことも必要になる場合があるかもしれません。それは、そのときにはきちっとそういうこともやっておるというふうに思っております。
以上です。
記者:
その付随する形というのは、具体的には治療の検査の方法と開発とか、そういうことをおっしゃっていますか。
家次会長兼社長:
先ほど申しましたような形での、1つは重症化をどういう形で、食い止めるためのサイトカインストームをどうするかというようなことがというのは今チャレンジをいたしておりますし、それから今、抗原検査がスタートしてという話ですけれども、我々は通常の免疫の、いわゆる化学発光法というかなり精度の高いやつでそれができるのではないかということで今チャレンジしておりますけれども、そういうふうなことも含めて、これは病院さんと一緒に、まあ言うと共同研究する話で、直接のラボとは少しつながりがないかもしれません。そういうことにもやっていこうというふうに思っています。
記者:
市長にお伺いしたいんですけれども、今回検査体制をこれだけ拡充されるということですが、これはそれに応じて検査の対象者の考え方もより広げていく、よりたくさんの方を診るということになるんでしょうか。
久元市長:
検査の対象は国からの指針も示されておりますし、その考え方に特段の変化はありません。現実にまず、シスメックスさんにお願いするこの新しい検査機関では、ニチイ学館に今入院をしている方、大分数は減ってきましたけれども、その方を対象としております。
ただ、今後第2波というものが襲来したときに、これだけ検査体制を拡充しておけば、それだけ検査をすることができる体制は強化することになりますから、やはりこれまで以上に検査能力は向上するということです。その際に、実際に検査対象を拡大するかどうかということについては、これはやはり国の指針などを待たなければいけないというふうに思います。
記者:
自治体によっては妊婦には全員検査するとか、そういうところも出てきていますけれども、例えばリスクの高い人を全員検査するとか、そういう独自の判断は今のところ検討されていないんですか。
久元市長:
それは、妊婦の方がどれだけ感染症のリスクがあるのかどうかということについての知見ということも踏まえながら対応していきたいというふうに思います。
記者:
それと、これまで多くても検査待ちを発生させずにここまで来ているということですけれども、今の現状の体制で何か具体的な課題、今の中で、検査待ちじゃなくても課題というのはどんなことがあるんでしょうか。
久元市長:
検査待ちは、神戸市の場合には感染がかなり拡大したときにおいても発生はしなかったということです。しかしそれは結果であって、これから当面は、先ほど申し上げましたように民間の療養施設の方を対象とするわけですから、第2波が来たときにどれだけ感染が広がるかだと思います。ですから、やはりPCRの検査体制というのは拡大をしていく必要があるというふうに考えておりまして、そのときに対応できるかどうかというのは、それはそのときの感染の状況を見て判断して、どういうふうに対応するのかということだと思います。そこはなかなか、誰も予測し難い面があるのではないかと思います。
記者:
今回の新しくつくる検査機関も含めてなんですけど、人員体制の確保という意味では、今のところ見通しは立っているんでしょうか。
久元市長:
厳密には、これはまず感染者、あるいは実際に診察をした医師等の対応は保健所で対応しておりまして、保健所の皆さん、大変頑張ってくれています。それから環境保健研究所で、行政検査としてこれまで対応してきたわけですけれども、これも環境保健研究所の職員の皆さんが大変、これは使命感を持って対応をしてくれて、そして検査待ちにならないような形で対応ができております。本来は72検体ですけれども、ピークのときには142検体の検査を行いました。それだけ人員体制を強化して対応ができたわけです。しかし、今回シスメックスさんの中で新しくできる検査機関は、シスメックスさんの社員さんが、専門的な経験、知識を持っておられる方が対応していただけるわけですから、新たに民間検査機関ができるということは、人員の面でも強化されるということを意味するというふうに理解をしております。
記者:
エスアールエルの東さんにご質問があります。ほかの自治体と地元企業の、検査ができるような地元企業との間で、今回のようなロジスティクスの部分を担ってほしいというような話、ほかの自治体からは、もう話が来てたりとかしますか、今回のような。
東社長:
エスアールエルの東でございますけれども、今現在の中ではロジだけというお話はございません。ただ、先ほど言いましたように、我々が医師会様と取引をしているので、PCR検査センターからの検査を担うといったところのお話はございます。ロジだけという形のものではございません、今のところ。
記者:
6月の1日から50検体で、段階的に100検体されていくっていうことなんですが、大体いつまでに100になるように目指すというのはありますか、スケジュールとして。
久元市長:
そこは未定です。
記者:
例えば、おおよそながらでも夏までにとか、あるいは年内にはとか、その辺りもまだ難しいですかね。
シスメックス担当者:
すいません、シスメックスでございます。一応、5月末の段階でPCR装置自体は2台設置して、キャパ的にはできる状態でスタートはいたしますけれども、今回我々、こういう行政検査を受託するというのは初めてになりますので、当面一、二週間は50処理をしっかり回すということの経験を積んで、神戸市様とご相談しながら増やしていきたいという状況ですので、設備のほうは準備万端でございます。
記者:
分かりました。現状、今回の100が加わることによって、現在、通常時72、プラス最大142で、これに100が加わることで、市としての部分が242、プラス病院、医師会のところの200ということで、最大で今442検体までは1日で何とか検査をするめどがついているという理解でよろしいんでしょうか。
職員:
失礼します。検査能力という点からしますと今おっしゃっていただいた数字が検査能力でございます。あと、やはりそれぞれ運用していく中でのいろいろな制約はございますが、検査のポテンシャル、能力としてはおっしゃっていただいた数字で間違いございません。
記者:
分かりました。最後にすいません、撮影に関して、ただし書で風評被害防止の観点から撮影は固くお断りしますと、一文ありまして、ただ、どうしても映像メディアなので、施設の外観であったりというのは撮影ができないかなと。先ほどのスライドで出てきたような建物の外観を撮影したいなと。場所であったりとかはもう、おおよそ分かりきってることなので、この点だけは、お断りしますといわれても難しいかなと思うんですけど、その点いかがでしょうか。
職員:
6月に向けての準備作業をシスメックス様のほうが行いますので、5月中につきましては、この資料にありますようにちょっと撮影等、ほか取材についてはお控えいただきたいと、あと、6月以降の段取りについてはまた改めて、シスメックス様と私どものほうでご相談をさせていただきたいと思います。準備段階においては、建物周りも含めての取材というのはちょっとお控えいただければと考えているところです。
記者:
外を撮影するのは具合悪いんですか。外を撮影するのは。
職員:
はい。ちょっと確認差し上げますが、それであれば特に近隣等の問題はないと思います。
シスメックス担当者:
すいません、シスメックスでございます。一応、中の映像は既に、まだ完成前の装置でありますとかは撮影しておりまして、ご提供させていただきます。あと、5月30日、最終形態が完成した後の本設置の撮影も弊社のほうで撮影いたしますので、それはまたご提供させていただくような形で今準備しております。
シスメックス担当者:
すいません、あと6月1日、スタート以降は感染物質を中で扱う形になりますので、中に入り込んでの撮影というのはできなくなりますので、我々の資料、映像をご活用いただければと思います。
記者:
すいません、家次社長にお尋ねいたします。今回、新たなPCR検査をされるというところの点で、まず1点は、リスクというところをどのように、何かお考えになる懸念の部分はあるかというのが1つ。それからこの検査を続けていく上で、1つ、逆に今度、うまくいけば1つの事業として確立していこうかという、そういうところまでお考えがあれば、お願いします。
家次会長兼社長:
はい、リスクは確かに、これは非常に感染リスクも含めてあるんではないかと、そういう意味では万全を期していきたいと思っています。私ども、社員には臨床検査技師もおりますし、それから遺伝子に非常に詳しい人たちとか、そういうのがおりまして、常々そういうものを扱っている人たちはおりますので、そういう意味でいうと、万全を期すということと、それほど大きく心配していないと。ある程度慣れているところが若干あるというふうに、まずは思っています。
それから、これをビジネスへというのは、基本的にはこれはエスアールエル様の仕事というようなことですから、我々が今やっていますのはアッセイラボというような形で、新しい検査なんかを、まだ研究段階のところでやる、そういうことというのをラボラトリーでやっていると、検査が一般化したやつを、それを受けて全てやるということは基本的に、これはちょっと業種が違ってくるというようなことで、それはやっていないということであります。
記者:
まず家次会長に質問なんですけれども、今回の検査は、国内初の販売承認を取得した検査キットを使うということで、今現在、全国的に行われている、神戸市もやっているわけですけど、そういう検査に比べて、能力であるとか検査の時間とか、そういうものに違いがあるものなのかどうかというのを1つお伺いしたいんですが。
家次会長兼社長:
それは基本的にはないんじゃないかと、今やられているやり方というのは。あと、そういうものをどれだけ短縮するかという話。例えば前処理のところを人間がやっているのをもう少し自動化していくと。これはシスメックス、我々が得意な分野ですけども、そういうふうなことだとか、プロセスをどういう形で生産性を上げてやっていけるかということに対してはチャレンジしていこうと思っています。結果として、検査結果が早く出るという可能性がないことはないと思いますが、それも我々のこれからのチャレンジだと思っています。
記者:
ありがとうございます。
あともう1点、家次会長にお尋ねします。
今回、検査はシスメックスさんがやって、ロジスティクスのほうはエスアールエルさんがやるということで、実際に人の動かし方としては、シスメックスさんはラボの中の、文字どおりそこの検査をシスメックスさんの社員さんがやられて、物を運んだりとかそういうところはエスアールエルさんの社員さんがこの神戸の地区で人を配置されて実施されるという理解でよろしいですか。
家次会長兼社長:
そうです。そのとおりです。
記者:
今回、検査のほうはシスメックスさんが担当されて、いわゆる運搬であるとかロジスティクスの部分をエスアールエルさんが担われるということなんですが、今現在、全国にネットワークを持っていらっしゃって運用していらっしゃるかと思うんですが、今回はこのために神戸市に人員を配置されて、そこの部分を担っていただけるという、そういう体制を取られるということでよろしいでしょうか。
東社長:
まず初めに、私どもエスアールエルグループという形の中でいくと、神戸市内に2つの集荷拠点を持っています。まず、2つ持っていまして、いわゆる神戸市内だけで、医療機関を含めて、大学病院から開業医まで含めたところでいきますと、市内のみで14コース、あと、市内と市外を含めた混合コースで10コース、24コースを私どもが神戸については網羅しています。この集荷ルートの中にこちらを組み入れるという形を考えております。
記者:
先ほどの追加の質問でちょっと聞こえづらかったところで、もう1点、東さんに質問なんですけれども、今回のようなモデルを同様にほかの地域で、ほかの自治体がエスアールエルさんにお願いしてきた場合、体制的には、地域にもよると思いますが、引き受けたり、相談に乗ったり前向きに検討することはできるものなんでしょうか。それとも、神戸が特別にルートとかが多くてできるというようなものなのでしょうか。
東社長:
まず初めに、神戸におけるこのモデルという形のものでいきますと、シスメックスさんが、事実上、免疫の機械を有しておりますよね。そして、神戸の中でその検査をやっておられるという形の中でいくと、ラボとしての機能を持っていると。これがほかの地域になりますと、その中にそういった検査を実施するところがあるかどうか、ましてや、私どもの場合は臨床検査を全国で約40カ所のメインラボ以外のところで持っています。ただ、これは、単純に申しますと(PCR等の特殊な検査を含まない)一般検査をTAT(Turn Around Time)が短い形でやっていると。ただ、今後、いろんな意味でそういうお話があれば、ケース・バイ・ケースの中でお話を聞いていきたいとは思っています。
冒頭にお話ししましたように、エスアールエルはPCRという形の検査は、今、東京都八王子で1,500件体制から、今、4,000件体制にしようとしています。京都は、今、京都の関連子会社の日本医学臨床検査センターというのがありますけども、ここは100検体ぐらいをやっていると。その他のところは、今回、PCRでこういう形で神戸モデルというのは初めてでございます。ただ、こういう場合が、もしお話があれば、地域地域ごとにケース・バイ・ケースの中でお話を聞いていきたいと思っています。
記者:
1点だけ確認なんですけれども、これは退院前の治癒確認ということで書いてあるんですが、例えば第2波、第3波が来たときに、最初の検査からこれを導入していく可能性というのはあるんでしょうか。
久元市長:
そこはそういうことも十分あり得ると思っております。
記者:
細かい話なのでシスメックスの担当の方に伺ったほうがいいのかもわからないんですけど、このラボラトリーの人員体制は何人で行うのか、社員だけになるんでしょうか。
あと、PCR装置は先ほど2台と。事前の自動拡散抽出装置、リアルタイムPCR装置、それぞれ台数も教えていただけますか。
あと、時間は通常時の3時間から6時間、まずは3時間から6時間程度かかると見ていいんでしょうか。
シスメックス担当者:
まず、PCRの装置は2台ということと、前処理に使います抽出装置も2台の体制でスタートいたします。当然、そのバックアップも含めて3台目を6月中に配備する予定でございます。検査を止めないということです。
もう1つは人員配置でございます。この工程を6名のメンバーでやります。実際、1日当たり4名から5名が検査に当たることになるんですけども、当面、月曜日から日曜日の検査をお受けすることになりますので、ローテーションを考えまして社員の交代制をしくということで、6名から最終的には8名から10名に増強しようと、今、計画しています。ですので、スタート段階では6名からスタートさせていただくことになります。
あと、時間に関しましては、お預かりする検体によりけりかと思いますので、環境研様と同じように3時間から6時間ぐらいなのかなと考えております。
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