最終更新日:2020年4月23日
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市長定例会見の模様をお届けします。
1.新型コロナウイルス感染症対策に伴う補正予算【0分0秒】
質疑応答:発表項目①【15分5秒~】
2.神戸発!コロナウイルス感染拡大で浮かび上がる社会課題への挑戦 スタートアップ育成プログラム「500 Startups Kobe Accelerator」の参加企業を6月より募集開始【43分50秒~】
質疑応答:発表項目②【50分32秒~】
その他質疑応答【53分20秒~】
新型コロナウイルス感染症対策に伴う補正予算 リリース資料(PDF:165KB) スライド資料(PDF:684KB)
神戸発!コロナウイルス感染拡大で浮かび上がる社会課題への挑戦 スタートアップ育成プログラム「500 Startups Kobe Accelerator」の参加企業を6月より募集開始
久元市長:
よろしくお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症対策に対する緊急補正予算を取りまとめましたので、ご説明を申し上げます。総額1,624億円の補正予算を近々に、議会に提出をしたいというふうに考えております。
国による緊急事態宣言が発令されまして2週間が経過いたしましたが、終息のめどは立っておりません。市民の皆さんにおかれましては、見えない不安と恐怖を抱えながらお過ごしのことと思います。そうした中、医療関係者をはじめ、この感染症の治療、あるいは予防に最前線で奮闘していただいている皆様方に対しまして、改めて感謝と御礼を申し上げたいと思います。
神戸市では、3月3日に第1例目の感染患者が発生いたしました。市内学校園が臨時休校となり、現在も休校が継続しております。4月7日には神戸市を含む7都府県に緊急事態宣言が発令され、16日からはその対象が全国に拡大されました。4月14日からは、保育所などを特別保育に移行するとともに、15日からは兵庫県による休業要請が出されました。感染拡大を防止するという観点で、市民や事業者の皆様方にご協力をお願いしているところです。
一方、感染者の発生状況は、上のグラフにありますとおり、3月の下旬から4月に入って感染が拡大いたしました。近日におきましても、一定数の感染者が発生をしておりまして、現在、感染者の総数は225名となります。感染者の拡大防止に向けて、神戸市として全力で取り組んでいるところです。
今、まさに緊急事態下にある拡大防止に向けて、最大限の努力をする必要があるわけですけれども、この期間が長引くにつれまして、様々な課題が大きくなってきているということは紛れもない事実です。神戸市といたしましては、市民生活を守る、神戸経済を守るための対応が必要です。
こうした状況を踏まえまして、今回の補正予算は3つの柱で編成をいたしました。第1は、感染症の早期収束と医療崩壊を起こさないために感染症の拡大防止に全力を挙げるための施策です。第2の柱は、長引く外出自粛や臨時休校などによって影響を受けている市民の生活を全力で守るということです。第3の柱は、経済活動の急速な縮小により疲弊している市内事業者を全力で支援するということです。
それぞれの柱につきまして、ご説明を申し上げたいと思います。
医療提供体制を確保するという観点から、まず外来や入院患者を受け入れた医療機関が防護服などの資器材を確保するための費用といたしまして、入院1人当たり最大30万円、検体採取1件につき3,000円をそれぞれ助成するということにいたします。この助成は、医療従事者の皆様方の防護服など、医療資器材に充てていただくということを想定しております。
また、福祉事業者におきましても、感染予防のために様々な対応を取られております。高齢者や障害者へのサービスを提供する事業者の事業所の衛生用品の確保に係る費用といたしまして、1事業所につき20万円を助成することといたします。
また、これから感染が拡大すれば、ご家庭の事情によりましては、保護者が感染して、子供たちが取り残されるという事態も考えられます。保護者が感染されて、そのお子さんを養育することができない、そういう子供たちを一時的に預かる場所を確保いたします。民間の施設を神戸市が借り上げまして、子供たちをお預かりする、こういう対応を新たに行いたいと考えております。
2番目の柱は、市民生活を守るということです。市民生活を守るために、まずドメスティックバイオレンス、DVの相談体制を拡充いたします。家庭内の暴力に関する電話相談につきましては、これまで9時から17時までの対応としてきたものを、24時間体制に拡充をいたします。
また、休校中の家庭学習環境の確保といたしまして、ICT環境が整っていない家庭へのパソコンやWi-Fiルーターを無償でお貸しをするとともに、非認知能力向上のためのコンテンツの充実を図りたいと考えております。
加えて、ひとり親家庭の就労支援といたしまして、新たに就労に向けて、市主催の講座によりまして資格を取得した場合に、1人当たり5万円を助成することといたします。
3番目の柱といたしまして、神戸経済を守るということです。経済活動の急速な縮小によりまして、国内外の経済は甚大な打撃を受けております。こういう状況の中で、国は事業収入が大きく減少した事業者に対する給付金制度、また、兵庫県は、休業要請に応じた事業者の経営継続支援制度を打ち出しました。神戸市は、これらの制度に加えまして、様々な観点から総合的に支援制度を設けることで、広く市内の事業者を支え、神戸経済を守りたいと考えております。
まず、中小企業が事業継続や売上げ向上のために行う新たな取組に対しまして、最大限100万円を助成するということにいたします。これは、兵庫県が行った休業要請の対象となるか、ならないかにかかわらず、中小企業が自らの事業を継続する、あるいは持っている設備や資産などを活用して新たな挑戦を行う、様々な取組に対しましての助成をするということです。
2番目に、家賃負担を軽減するために、ビルなどのオーナーが店舗の家賃軽減を行った場合に、市が最大200万円の補塡をしたいというふうに考えております。家賃の助成につきましては、これはかなり強く各方面から要請を頂いていました。これはテナントに対して助成をするのか、オーナーに対して助成をするのかということについては様々に議論があったところですけれども、神戸市といたしましてはオーナーに対して助成をするということにいたしました。オーナーに対する助成といたしましたのは、この家賃は基本的には貸主と借手との、オーナーと、それからテナントの間の民・民の契約です。まずこの家賃の減額をしていただくということが非常に強く要請されるわけですけれども、これは最終的には両者の話合いに基づいてオーナーが判断をされるということになります。そして、このオーナーの判断を促していくためには、やはりテナント側からオーナーに対しまして、神戸市としてもこういうような制度を用意してもらっているので、これを活用して家賃を減額していただくというような交渉をしていただくということが重要ではないかというふうに考えたわけです。この点につきましては、1オーナー当たり最大200万円という形での助成を考えているところです。
それから、ICT技術を活用した事業者の支援といたしまして、リモートワークを活用した市内クリエーターなどのフリーランス支援や、先払い利用券による事業者支援も実施をしたいというふうに考えております。その他の事業といたしましては、先日お知らせをいたしましたニチイ学館など軽症者の受入施設の確保や、特別定額給付金などの項目につきまして、補正予算を編成いたします。補正予算の総額ですが、感染症を防ぐための予算が21億円、市民生活を守るための予算が1,570億円、神戸経済を守るための予算が27億円で、合計1,624億円ということになります。このうち国の事業、これは一律1人10万円の給付金が1,574億円ということで、神戸市独自のコロナ感染症対策としては、約50億円を見込んでおります。この50億円の財源ですけれども、この大半の44億円、これは財政調整基金の取崩しで充てたいというふうに考えております。財政調整基金は、現在残高が115億円ありますが、これがまさに今、緊急事態ということで、まずはこの財政調整基金の取崩しで対応したいというふうに考えております。
それから、今申し上げました特別定額給付金が、国において創設をされました。全国民1人当たり10万円の給付金が配布をされることになります。国におきましては、この給付金をできるだけ早く国民に交付をするということを強く求めておられます。こういう思いを神戸市もしっかりと共有をしたいというふうに考えております。できるだけ早くこの給付金を市民の皆さんに届けることは、今の神戸市にとりまして大変大きな任務だと、使命だというふうに考えております。そのため、本日市役所の中に特別定額給付金準備室を設置いたしました。福祉局に設置をいたします。国と神戸市の予算成立後に特別定額給付金室に改組いたしまして、順次組織横断的に体制を強化したいというふうに考えております。早急に対応を進め、5月中の申請書送付及び給付開始を目指していきます。
なお、神戸市で特別定額給付金に関するお問合せに対するコールセンターをつくることといたしまして、ゴールデンウイーク明けの5月8日をめどに開設を予定しております。詳細が決まりましたら、改めてお知らせをしたいというふうに考えております。
このウイルスという見えない敵との闘いは、先行きがなかなか見通せない、息の長い闘いとなります。市民の皆さんと一緒に、一丸となってこの試練を乗り切っていきたいというふうに考えます。そして、その裏づけとなるこの予算の提出を行うこととさせていただきました。
私からは以上です。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
記者:
まず補正予算の規模なんですけれども、国庫支出金がかなり多くを占めますけれども、規模としてはかなり大きいものになるんでしょうか。
久元市長:
そうですね。単独の、神戸市独自の対策としてはかなりの規模を用意させていただいたというふうに考えております。
記者:
それと、一般財源の44億円を、財政調整基金を活用するということなんですけど、これを使うというその考え方について、お聞かせください。
久元市長:
1つは、国のほうで用意をされている交付金があるわけです。約1兆円が財源として考えられるわけですが、現時点で神戸市にどれぐらい配分されるのかという見通しが立っておりませんので、現時点では考えられる財源としては財政調整基金が、まずはこれを用意したいということです。そして、国のほうの交付金が神戸市に配分されるということになればこれを充てて、財政調整基金の取崩しをそれだけ小さくするということになるというふうに考えております。
記者:
それと、具体的なところなんですけど、一番最初の感染症の拡大防止のところで、保護者が感染したときに子供を一時的に預かるための施設を確保ということなんですけど、具体的にその民間の施設というのは、どういう施設を想定していますか。
久元市長:
これ、今その所有者の、施設のオーナーと現在交渉中です。大体、うまくいけそうではないかというふうに考えております。
記者:
保育をする人は、市の職員が、イメージなんですけど、その民間の施設を借りて、保育をする人はどういう人を想定しているんでしょうか。
久元市長:
これはニチイ学館と違いまして、感染しているわけではありませんから、市の職員が対応することができるのか、あるいは民間施設の従業員の方にお願いすることになるのか、今現在、調整中です。
記者:
それとすいません、ちょっと話は戻って、一番最初のところなんですけど、この今の市内の感染状況なんですが、緊急事態宣言から2週間たって、今のこの状況、一定数まだ出ているということですけど、市長はこの状況について今どのように見てらっしゃいますか。効果が出ているのかどうかということも含めて。
久元市長:
そこは、感染者数が急激に増え続けているという状況ではありませんね、ご覧いただいたらわかりますように。もちろん日によって増減はありますが、大体10件弱から10件以上のところでずっと推移をしてきておりまして、予断を許さない状況だというふうに考えております。何回もこれはご説明しておりますように、外出抑制はかなり進んでいる面はありますが、特に平日における外出抑制についてはさらに徹底をお願いする必要があるというふうに思います。
さらに、これは国の昨日の報告でも示されたところですが、部分的に、例えば商店街とかスーパーとかにかなり人が集まっている、また公園も、公園は使っていただいたらいいわけですけれども、公園の中にはかなり密集した形でご家族連れや子供たちが遊んでいる姿も見られると。これについてはやはり注意をしていただかないといけないというふうに思っています。
記者:
あと、感染症の拡大予防のところに戻るんですけど、検査体制の強化というのも入っていたと思うんですが、市内で検査体制をどのように強化するのか、ちょっと具体的なところを教えていただけますか。
久元市長:
PCR検査につきましては、現在、環境保健研究所で対応しております。この検査体制の強化につきましては、それ以外の方法を取ることができないかということにつきまして、例えば東京都では東京都の医師会がそういう検査体制を取っているということがありますので、この点につきまして、神戸でも取ることができないかということにつきまして、現在、神戸市の医師会と調整中です。
ただ、東京と違うのは、神戸では、国のほうは民間の検査体制をつくったというふうに説明をされているわけですが、東京とそれ以外のところでは非常に大きな違いがありまして、神戸市内には現在のところ、このPCR検査、あるいはそれとは異なるようなタイプの検査をお願いする検査機関はありません。ですから、そういうことも含めて今、どうするのか医師会と協議をしているところです。
記者:
それと、今回これが第1弾ということなんですけども、第2弾以降なんですが、今の時点で考えられる内容ですとか、スケジュールですとか、今の段階でのお考えを聞かせてください。
久元市長:
今回は、例えば特に経済対策については、兵庫県、もちろん国の経済対策、それから兵庫県の対策も踏まえた上で、神戸市として今、民間の事業者の方々が置かれている状況ということをしっかりと、これを把握して、それに必要な対応を取ったつもりです。まずこれをしっかりと議会でご審議をいただいて、そのご意見も聞きながらまた次の手を考えたいと思います。
記者:
議会は4月30日の議会へ提出するということでよろしかったでしょうか。
久元市長:
はい、おっしゃるとおりです。4月30日に議案を提案させていただく予定になっています。
記者:
ありがとうございます。あと、ちょっと細かいんですが、休校中の子供たちへの支援のところで、ICT環境が整っていない家庭に対して、パソコンやWi-Fiルーターを無償貸与とあるんですけれども、これ、前回の会見でもおっしゃっていたと思うんですが、大体どれぐらいの規模を考えていらっしゃるのかというのをお願いします。
久元市長:
教育委員会のほうからお願いします。
職員:
今、台数については、各家庭のほうにICT環境の調査を行っているところです。現在、集計中になっておりまして、まだちょっとどれだけの需要があるのかというのが分かっておりません。現状のところ、まず2,000台の確保に向けて今回、予算を上げさせていただいております。以上です。
記者:
ありがとうございます。
記者:
経済を守るというところで、ビルのオーナーに対しての、この最大200万円というところですが、具体的に、業種は多分想定していないということだと思うんですけれども、どういうところからの申請が多いというイメージ……。あと、中小というのは具体的に何かもし基準というのがあれば教えてください。
久元市長:
まず、基本的な考え方は、中小企業事業者の方から、これはかなり早い段階から、例えば経済界の方々と意見を交換したときに、間違いなくこの固定費が発生する、売上げが激減したという場合でも家賃というものが必ず発生するので、ぜひこれに対する支援をお願いしたいということがありました。その後もそういう要請が大変続いたわけですね。やはりこれに対して何かしたいということと、神戸市としての単独の施策としてこれを行うわけですから、中小の事業者の方々に対する家賃の支援ということを行っていきたいということです。
具体的な中小企業の範囲ですけれども、これはちょっとまた後で補足をしていただければと思いますが、やはり非常に緊急の事態ですので、オーナーの方にもそれなりにこの負担は分かち合っていただく、そしてテナントの方につきましては、売上げが激減して大変厳しい状況にある、そして神戸市もこういう形で行政として支援するということで、やはりこの3者が今、非常に困難な状況を、それぞれの立場で負担をし合いながらこの苦境を乗り切っていくことができないかなと、そういう考え方で今回の予算を用意させていただいたということです。
職員:
中小企業については、中小企業法に基づく中小企業と、あと個人事業主を対象にしようと考えています。
記者:
今の家賃補助のところなんですけど、先日、飲食店の店主さんたちの集まりで、署名活動されて、署名を提出された方々の会見の中で、既にオーナーさんの中には、家賃をある程度軽減したりとか、期限を先延ばしにしたりとか、対策を打ってくれているオーナーさんもいらっしゃいますというお話もあったんですけど、これは、既に対策というか協力しているオーナーさんたちも対象にはなるんでしょうか。
久元市長:
4月からの減免後に対して対象としたいと思っておりますので、既に家賃を減額していただいている方も対象にするつもりです。
記者:
あと、保護者が感染したときの子供の預かり施設のことなんですけど、これ、大体何人ぐらい受け入れる施設というイメージで、どのぐらいの規模感ですか。
職員:
施設のほうと調整中ですので数はちょっとまだ読めていないんですけども、順次受入れをしていくという方向で考えております。
記者:
分かりました。
あと、ちょっと全体的な話で、これ、もろもろのいろいろな申請手続とか、いろいろ雑多になってくると思うんですけど、神戸市さんはなるべくオンラインでできるような形を市としては整えるということなんですね。
久元市長:
そうですね。非常に国の制度、県の制度、神戸市の制度ということにもなりますので、やはりできるだけ分かりやすく情報をお伝えするということが必要です。そういう観点から、昨日、神戸市のウェブサイトをかなり充実いたしまして、支援総合窓口をつくりました。市民の方の窓口、それから事業者の方の窓口ということで情報を再度整理しましたので、さらに今後はこの支援相談窓口の情報をできるだけ分かりやすくリニューアルしていきたいというふうに思います。
それから、あと、やはり事業者の皆さんから、これは中小企業家同友会の皆さんからもそういうご意見があったんですが、大企業の場合にはきちんと総務部があって、総括的ないろんな対応ができるわけですね。情報を独自に集めて。しかし、中小企業の場合には、オーナーや社長自らが様々ないろんな仕事をやらなければいけないというようなお話がありました。そこで、今回の予算の中で、神戸市役所の中に社会保険労務士など士業の方々に入っていただいて、この社会保険労務士など士業の方々は、実際に企業の皆さんと非常に密接にふだんから接しておられまして、いろんな悩みも分かっておられると思いますから、そういう方に入っていただいて、アドバイスをしたり、場合によったら相談に乗っていただく、そういう体制をつくりたいというふうに思っています。
それから、おっしゃったようなオンラインの手続もできるだけこれを入れていきたいというふうに思います。
記者:
定額給付金準備室のお話なんですけども、体制としてはどれぐらいの人数が入られるんでしょうか。
職員:
失礼いたします。おおむね10名程度でスタートしたいと思っております。課としては7名体制、それから、横断的に協力を求めていって、体制を組んでいきたいと考えております。
記者:
予算成立後に定額給付金室になると。これはまた人が増えるということなんですか。
職員:
状況に応じてですけれども、10名程度でまずはスタートさせていきたいと思っております。
記者:
あと、この準備室設置に伴う何か費用というのも今回の予算には含まれているんでしょうか。
久元市長:
給付金の準備に係る費用も予算に入れております。
記者:
そんなに高額というか、大きな額ではないという。
職員:
はい。大きくはなくて十数億円程度になっています。
記者:
ビルオーナーの家賃軽減するための支援事業なんですが、この最大200万円というのは、ビルオーナーで、複数のたな子さんというかテナントが入られていたりとか、いろんなケースがあるかと思うんですが、そういうのをトータルにして、1人のオーナーの枠として200万円という、そういう理解でよろしいでしょうか。
久元市長:
そうです。1オーナー単位で考えているわけです。例えば、ビルをお持ちで、それで自分で使っている部分、それから全国チェーンの会社に貸している部分、これは対象にならないわけですね。ですから、実際に今回対象となる中小事業者に貸している部分を対象として、そして、そこに対して一定の以上の家賃を減額した場合に神戸市が補助をすると、こういうことになるわけです。
記者:
先ほど少し話が出ました社会保険労務士等の専門家配置ですが、これは市役所内に配置するということですか。
久元市長:
そうです。市役所の中で、神戸市として、例えば任期付なり、あるいはそれ以外の資格で入ってきていただくということを考えています。
記者:
具体的に人数とかはどうですか。
久元市長:
そんなに多くはないと思いますが、数名ぐらいを考えています。
記者:
あと、ちょっと全般的な話で恐縮なんですが、特に今回、市単独の費用でいくと、経済対策が一番ボリュームあるわけですけれども、改めて、今、神戸経済が置かれている現状についての認識というのをお願いします。
久元市長:
これはどこの大都市も同じだと思うんですが、極めて厳しい状況に置かれていて、しかも先が見えないということですね。ですから、これは当面の苦境、危機をどうやって乗り越えるのかということとともに、この苦しい状態というのが、状況の変化はあるにしても、しばらく続くということを覚悟しなければいけないということだというふうに思います。神戸市は3月3日に第1号の感染者が発見されたわけですが、それ以前の状態に戻るにはかなりの時間がかかるということを覚悟しなければいけないのではないかということですね。
そういうことを考えれば、まず第1弾の考え方は、当面の危機を乗り切るということが主体になるわけですけれども、同時に、これが続くということを考えれば、今、非常に苦境に陥っている民間事業者の皆さんの知恵というか、あるいは発想というものをうまく使っていただくことを後押しする施策、視点というのも要るのではないかということと、それから、自動的にお金を配るというものではなくて、この家賃補助の考え方がそうなんですけれども、こういうような、私どもが用意をさせていただいたので、これを上手に使っていただいて、テナントの皆さんがオーナーの皆さんと交渉をしていただいて、一番最善の選択をしていただくことができるような、そういうお手伝いをすると、そういうような視点が大切ではないかというような考え方で今回の補正予算を盛り込んだわけです。
記者:
ちょっと話ずれるんですけど、先ほどおっしゃったみたいに、スーパーであるとか商店街とか、一定の公園とかに人が集まっている状況があるというお話だったんですけど、東京都とかでは、スーパーに入る人の制限を検討するみたいな話も出ているんですけど、何か具体的に、より密を避けるという意味で、何か市民にお願いする、具体的に何か考えていらっしゃることとかというのはありますでしょうか。
久元市長:
これは私どものほうから、大きなスーパーなどには状況を聞いたりして、個別にお願いをしておりまして、できるだけ、来られた来店者の間隔が狭められないような対応を既に取っていただいているところもありますが、これをぜひ改めてお願いをするということだと思います。ただ、一律に何らかの入場制限をするとか、そういうことについては今後の状況を見ながら考えていきたいと思います。
記者:
保護者の感染時における児童の緊急一時保護についてなんですけれども、現時点で、神戸市内において、児童を一時保護所等で既に預かっているというような事例があるのでしょうか。
久元市長:
これはまだありませんね。
職員:
はい。
久元市長:
まだないという。また、非常にお困りの状況がひょっとしたら発生しているかもしれませんが、神戸市に対して、感染者の方が、子供が困っているという具体的な相談はありません。しかし、おそらくそういうような事態は既に発生しているかもしれないし、これからも発生するかもしれないということを考えると、なかなかこれ、ほかの自治体でこういうことをまだやっていないかもしれませんが、我々としては、これは必要だというふうに考えたわけです。
記者:
ありがとうございます。
あと、PCRの検査体制についてなんですけれども、確認なんですが、現時点では最大48検体だったでしょうか。それを、この強化で何検体まで目指すという、もし目標値がありましたら教えていただけますでしょうか。
職員:
現在、神戸市の環境保健研究所でのPCR検査につきましては1日最大72件ということでやってございますが、患者数の増加に合わせて柔軟に対応しておりまして、最近では最大90件の検査をやってございます。
今回のPCRの整備につきましては、保険適用を行います市民病院機構の病院へのPCR機器の助成といったことと、環境保健研究所でのPCRの前処理の機械の更新ということですので、環境保健研究所の処理能力につきましては1日最大72件ということで変わりはございません。保険適用の部分で増加が見込めるという形になろうかと思います。
記者:
ありがとうございました。
記者:
1人10万円の特別定額給付金のことなんですけれども、自治体の首長とか政党の代表とかが使い方について発言して議論を呼んでますけれども、市長はどうお考えでしょうか。
久元市長:
これは、国が新型コロナウイルスの影響というのは、国民に広く及んでいる、影響を受けているということ、そういう考え方で全国民に対して一律10万円を交付するということですから、基本的には、全国民はこれを受け取る立場にあるというふうに思います。ただ、その上で、これをどういうふうにそれを使うのかというのは、例えばこれを、場合によったらどなたかに寄附をしたいということも考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは一人一人の国民、市民の判断に委ねられているのではないかと思います。
なお、公的立場にある者がこれを受け取るべきかどうかというのは大変悩ましいところですが、国においては閣僚がこれを受け取らないという考え方で臨まれるようですね。国と自治体は立場が違うかもしれませんが、国家財政と地方財政は非常に密接に関連をしていますし、それからもともとは、国民の税金でこれが賄われるわけですから、私は家族も含めてこの給付金の受け取りは辞退をしたいと思っています。
記者:
それとすいません、教育委員会のほうになってしまうかもしれないんですけど、授業時間の確保で、夏休みに授業時間を充てるというふうな自治体も出てきてます、方針を出してる自治体もありますけど、神戸市で今考えている、方針を考えていることがありましたら教えてください。
久元市長:
これはまた教育委員会からお答えいただければと思いますが、1つは、私の立場からこれは要請するということになりますが、やはり感染の状況と推移をしっかりと見極めて、子供たちが感染をしないと、そして感染が広がらないということを基本に考えるべきではないかということと、同時にそのことを大前提として、子供たちの学習の機会というものをどう確保していったらいいのかということ、これをしっかりと考えた上で、教育委員会で判断をしていただければと思います。ただ、学校の休校の再開のときもそうでしたけれども、やはりこれは客観的な情勢を全体的にどう把握するのかということですから、私なりの考え方もまた改めて申し上げて、最終的には教育委員会で判断をしていただきたいというふうに思います。
久元市長:
それでは「500 Startups」の今年度の取組につきましてご説明をしたいと思います。「500 Kobe Accelerator 2020」です。
「500 Kobe Accelerator」の取組は今年で5回目ということになります。振り返れば2016年に第1回を開催いたしまして、1回目から3回目まではデジタル領域全般を対象といたしました。去年の第4回は神戸医療産業都市と連携いたしまして、ヘルステック領域を対象としたプログラムを開催いたしました。去年の第4回は174社から参加希望をいただきまして、60%以上が海外からの応募となったわけです。神戸での「500 Startups」の取組に、世界的に関心が高まり、知名度もアップしているのではないかと思っております。
全体として、これまで71社が参加をし、100億円以上の資金調達に成功しています。3社がM&Aで買収をされている、それだけバリューがあるということですね。さらに8社が神戸での新たな活動拠点をつくっていただいております。こういう、着実に実績が積み上がっているプログラムですけれども、今年はやはり新型コロナウイルス感染症対策が求められているということで、対象領域を「COVID-19 Emerging Technology」と名付けまして、全てオンラインでこれを行うということにいたします。
「COVID-19 Emerging Technology」というのは、これは私どもの造語です。趣旨としては、コロナウイルス感染拡大で浮かび上がる社会課題を解決するためのテクノロジー、これをスタートアップの皆さんから提供していただこうということです。
コロナウイルス感染拡大は、健康を脅かすだけではなく、経済活動さらには都市機能の停滞を招きます。様々な課題がここから浮かび上がってくるわけです。そこで、求められる対応方策というのは多岐にわたると思います。逼迫する医療機関を支えるための遠隔医療、外出自粛に伴う在宅勤務や在宅学習など、テクノロジーの活用によって現状を乗り越えていくための取組、これが全世界で展開をされています。社会全体が抜本的な変革を求められている。コロナウイルスはそういう変革を私どもに迫っているということなのかも分かりません。テクノロジーを正しく有効活用できるのかが、今、問われているということだと言えます。
真に解決すべき課題をテクノロジーで解決することができたならば、コロナウイルス感染拡大がいつか終息したとしても、それらが不要になるというわけではありません。また新しいウイルスの脅威が将来出てくるかもしれないわけです。こういうような現在の混乱というものは、既存の人間の生活様式を変化させつつありますし、テクノロジーの活用によって新たな価値観というものが出現するかも分かりません。そして、それが次の社会のありように変化を与えるということにもなります。
今回のプログラムでは、新たな価値創造を志すスタートアップを支援することで、神戸発で世界の未来のためのイノベーションをつくり上げる、そういう一助にしたいと考えております。
このプログラムの対象領域ですけれども、2つあります。1つは、AGAINSTコロナ、WITHコロナですね。AGAINSTコロナとWITHコロナという観点から、遠隔医療、感染状況などに関する緊急の情報発信、あるいは、大量に流されるデマの防止などをサポートするテクノロジーが考えられないか。もう1つの視点は、AFTERコロナです。これは、リモートワークやリモート学習、オンラインイベントの開催といったような管理、個人の健康管理、こういったテクノロジーを対象といたします。ここの記載にあるような領域例に限らないで、スタートアップの皆さんが、このAGAINST/WITHコロナ、それからAFTERコロナというような視点に立って、様々な提案をしていただければと考えております。
このプログラムは6月に募集を開始いたしまして、大体20チームを選考して選抜し、8月から10月にかけて開催いたします。従来は、もちろんオンラインで募集して、実際に神戸に来ていただいて、メンターの方々が実際にスタートアップの皆さんに様々な指導をし、アドバイスをし、そして、デモデーイを神戸で開催して、東京で開催したこともありますが、そこで様々な資金調達なり、あるいは関連する企業からのサポートを得るというふうに、フェース・ツー・フェースでやってきたわけですが、こういうコロナ対策の状況ですので、このプログラム全体を全てオンラインで行うようにいたします。デモデーイもオンラインで開催する予定です。
ただ、今後、状況が劇的に改善するということになれば、神戸での開催も考えたいと思います。詳細なプログラムや応募方法につきましては、ホームページで公開いたします。
私からは以上です。
記者:
5年目ということなんですが、これまでは、神戸に来てもらって、実際に神戸というものの魅力を知ってもらって、それが拠点につながったという経緯が、6件か、8者あったということですけども、今回はなかなかそういうわけにもいかないのかなというところがあって、それでも神戸が開催する意義といいますか、そういうところの思いがあれば教えてください。
久元市長:
「500Startups」は、かなり各方面から注目されて、実績が上がっているプログラムなので、何よりもこれを中断したくない、続けたいということです。そして、これを今開催する意義というのはやっぱりコロナだろうと。そして、先ほど申し上げたようなテーマを立てたわけです。やり方としては、これはやはり、接触機会を極力ゼロにするということなので、全てオンラインにすべきだろうと。そういうようなことで、ぜひ開催したいということで、今回、こういうプログラムを用意したということです。
記者:
デモデイは、もし状況が変われば、リアルタイムというか、神戸で開催される可能性もあると思うんですが、ちなみに、プログラムのほうも途中でオンラインを変更するという可能性はあるんでしょうか。それとも、プログラムは完全にオンラインで行って、デモデイのみは、現地、こちらで開催する予定があるというような計画でしょうか。
久元市長:
結局これは、コロナウイルスがこれからどう推移するのかということによると思うんですね。可能性といたしましては、これはデモデイもなかなか開催しにくいかもしれない、ひょっとしたら。デモデイは開催できるかもしれない。可能性としては、やはり後の手続はやはりオンラインになる可能性が高いのではないか。あくまでも可能性です。状況の推移に応じて柔軟に対応したいと思います。
記者:
ありがとうございます。
記者:
定額給付金、市長はご家族を含めて辞退されるということに関してなんですけども、広島県の知事が、その後、撤回されましたけども、職員にも辞退させて、それを財源に施策を展開するというような趣旨の発言もあって、賛否両論というか、物議を醸したということがありましたけども、その辺り、職員に対しても同様に辞退を求めるとか、何かそういったところでお考えがあれば、お伺いできますでしょうか。
久元市長:
職員に辞退を求めるつもりはありません。これは全国民に対して一律交付をするというのがこの制度の趣旨で、国の考え方ですから、職員はこれを受け取る立場にあるわけです。受け取る権利があるわけですね。その上でこれをどう使うのか、寄附をすることも含めてどう使うのかというのは、個々の職員の皆さんが判断してもらえればと思います。
記者:
関西電力の社外取締役の推薦に関して、大阪市が元大阪市長の橋下徹さんを推薦したというように発表がありまして、まず、その点についていかがお考えかをお願いします。
久元市長:
6月に関西電力の株主総会が予定されておりまして、誰が出席するのか、どういう対応をするのかということについては、今、検討中です。
取締役の選任につきましては、これは前も申し上げたかもしれませんが、私どもとしては、具体的にこの人を推薦するというような予定はありません。他都市の提案につきましては、なおその考え方なりも分かる範囲で調べた上で、対応を考えたいと思います。
記者:
予算で、ごめんなさい、聞き忘れた点、よろしいですか。
「市民の生活を守る」の中で独り親の就労支援のお話がありまして、市主催の講座で資格を取得した場合に助成ということなんですが、その市主催の講座というのは、これに向けて、新しくオンライン講座ですとか、何かそういうものをつくられるということでしょうか。
職員:
現状では集合の研修というのは難しい状況ですので、eラーニングの講座を実施する方向で調整しております。
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