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更新日:2019年10月21日

山と海のあいだ「第6回 山のむこう、北区を巡る」

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「山と海のあいだ」がメインタイトルの本エッセイ。今回は山のむこうの神戸を探ってみた。三田市や三木市に隣接する神戸市北区にはあまり馴染みがないのだけれど、神戸に移住する前に訪れる機会があった地域でもある。
 

2016年に創刊された冊子「農す神戸(North KOBE)」(issue+design、英治出版)の出版記念プレツアーのときに、取材同行で北区を訪れていた。タイトルの通り、里山として、農的暮らしに重きを置いた取り組みや北区を拠点とする人々の活動や地域の文化が紹介された冊子。

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はじめて書籍を手に取ったとき、何より驚いたのは北区の大きさ。神戸市のおよそ半分を占めていて、山のむこうにそれほどの広さが広がっているのか、と。同じ神戸でも南側とは異なった景色があり、また北区と一括りにしても、ニュータウンの新興住宅地や里山エリアなどいろんなエリアがある。取材では、弓削牧場さんや茅葺き古民家のベーグル屋はなとねさんなどを巡り、特に新興住宅地のそばに急に棚田が広がっていたのは印象的だった。棚田といえば、能登の棚田や淡路島の棚田を訪れていたので、こんな住宅地にあるのかと、ここにかつて農的な営みがあったことを感じた。

 

神戸に住んでからはあまり北区を訪れる機会はなかったのだけれど、神戸市の移住施策や里山活用事業などでは北区に力を入れているのだなと感じる動きをポツポツと見聞きしていた。北区をもっと知ってみたいなと思っていた矢先、今年度実施されている神戸市の農漁業活性化事業に参加している神戸芸術工芸大学の学生と神戸で活躍するメンターさんが、北区在住で本事業を担う市役所の担当者さんに北区を案内してもらうということで、私も便乗して同行させてもらった。

 

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まず訪れたのは、山田町衝原にあるつくはら湖。呑吐(どんど)ダムの貯水池で、湖の周りはサイクリングロードになっている。かつての面影がそのままの休憩所もそばにあり、最近ニュースになっていた11月10日にリニューアルオープンする神出(かんで)山田自転車道のスタート地でもあり、ここからあらたな物語が生まれるのかな?という予感がした。緑が多くて静かで、散策も気持ちがいい。

 

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また、知らなかったのだけれど、山田町には日本最古(!)と推定される民家があって、その箱木家住宅を見学。確かに、北区を巡っていると、まだ茅葺屋根の民家が現存していて、かつて茅葺だったと思われる屋根の住宅も多く見かけたのでした。また茅葺の文化を継承し、新しい息吹きを起こしている場も。(偶然、茅葺職人さんにも出会えたのでした)。

 

 

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里山エリアでの移住施策では、空き家のマッチングの課題もあるということを聞きながら、何箇所か空き家も見学させてもらう。とはいえ、北区在住の担当者さんが、「この間淡河町の地域の運動会があって、そうですね500人くらい集まったかな」とさらりと言うので、根強い地域コミュニティがあることに驚かされた。

 

 

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古民家をリノベーションした本陣カフェを見学

 

 

 

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6月にオープンしたごはんやさんkimoriでランチ

 

 

 

車窓からの風景は、里山の穏やかな田園風景が広がっていて、稲穂はもうどれも収穫間近。遠くにニュータウンの建物群が見えるのも独特な風景。地域によってはバスや電車もあるので三ノ宮や大阪のアクセスに不便はないのだそう。

 

 

 

 

古くからの営みや風土を感じられる場所や、名もないただそこにある風景を含めて、さまざまなエリアやスポットを巡っていき、小さくも生まれているいろいろな活動を教えてもらうと、「ないものは作る、ないから始められる」。そんな意識が生まれてきた。自分たちで作って行く面白さが際立っていて、自ずと興味が湧いてくる。貸し農園があったり、シェアハウスなんかも実現可能で、神戸の街でもできることだけれど「北区のフィールドを遊ぶ」という発想が面白いのかなと思った。とても大きな面積の北区のほんの一部だし、見えにくいかもしれないけれど、北区にはわざわざ訪れたり、わざわざ関わることの面白さがあるのだろう。

 

 

 

 

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そんなことを考えながら巡った翌朝、弓削牧場で購入したフロマージュ・フレと、はなとねさんのもちもちのベーグルに、なんだかとてもほっとさせられた。こだわって安心できるものだけで作られた食。じんわりとした心地よさを味わいながら、昨日のことを振り返ってみる。コツコツと自分たちのフィールドを作るというのも面白いなあ、もっとそんな暮らしを試していってみたいなと感じた。

 

 

 

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そして次こそは、以前お会いした方々に美味しいと教えてもらった満月堂さんのお饅頭も食べてみたい!そしてもっと、わざわざ足を運んで、丁寧にこのエリアを巡ってみよう。

 

文と写真 岩崎雅美

2年前から神戸に暮らし、ときどき横浜・東京との二拠点生活を送る主婦。 編集したり書いたり、人やコトやモノをつなぐ仕事をしています。

プロジェクトディレクター/地域コーディネーター/編集者/ライター
東京では、CSR・SDGs関連のコンサルティング・レポート制作会社の株式会社クレアンにて企画編集を担当。その後、株式会社umariにて地域や分野を横断する0→1を作るさまざまなプロジェクトデザインに携わる。雑誌「TURNS」の企画・地域コーディネーター・編集を担当後、神戸に移住。移住後はフリーランスで活動中。

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