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更新日:2019年12月4日

廃棄物管理責任者研修会レポート ~ 「SDGsと廃棄物管理・JICAの国際協力による取り組み」について

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神戸市では、事業系一般廃棄物の減量・資源化等に関する理解を深めていただくことを目的として、毎年、指定建築物の廃棄物管理責任者を対象に研修会を開催しています。

平成30年度については、平成31年2月6日、神戸文化ホールにて開催し、多くの方にご参加いただきました。

今回はその中で、JICA(独立行政法人国際協力機構:ジャイカ)地球環境部の近藤 整さんにご講演いただいた「SDGsと廃棄物管理・JICAの国際協力による取り組み」の一部をご紹介します。

※当日の資料はこちらからご覧いただけます。本記事と併せてご覧ください。

SDGsとは?

SDGsは「自分ごとの目標」である

「SDGs」という言葉をご存知でしょうか。

SDGsとは「2030年までに貧困を撲滅し、持続可能な社会を実現しよう」という、先進国を含む世界共通の目標で、2015年9月、国連で採択されました。

17のゴールと169のターゲット等で構成されており、多角的な目標であることがわかります(この中に廃棄物に関する項目も含まれています)。

キーワードは「誰一人取り残さない」。
格差の解消を含め、世界で持続的な社会を構築することを目標にしています。

当日資料から~持続可能な開発目標(SDGs)とは

JICAは、日本政府と協力し、開発途上国の様々な課題を解決するための事業を実施する団体です。しかし、「SDGsはJICAのような機関だけでなく、皆さんにも関係のあるものです」と近藤さんは話します。
「SDGsは途上国、先進国を問わない世界共通の目標です。その達成には、政府・企業・大学・研究機関・市民社会といったあらゆるアクター(関係者)が取り組む必要があり、“自分ごとの目標”として考えていく必要があります。」

SDGsをとりまく環境

持続可能な開発を阻むもの

SDGsを進めていくにあたっては、気候変動、世界人口の増加、都市化といった問題にも対応していく必要があります。たとえば、日本は減少傾向であるものの、世界全体では人口は増加傾向にあり(2015年の73億人から2050年には90億人に達すると予想)、それに伴い食糧やエネルギー需要の増加への対応が必要です。

また、人口が都市に集中する傾向が強まっており、現在は世界人口の51%が都市に居住し、今後その数は更に伸びると予想されています。そうなると、廃棄物問題や大気汚染といった環境問題が顕著になるほか、激甚災害の発生に備えた対応にも注力しなければなりません。

企業活動とSDGs

SDGs自体は、国連、各国政府、日本政府、自治体でも積極的に推進していますが、民間企業でも積極的に取り組む流れが出てきています。

その理由のひとつとして講演で挙げられたのが「ESG投資の主流化」という点です。
「ESG投資」とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別して行う投資のことをいい、これはSDGsの内容にも多くの共通点があります。ESG評価の高い企業は事業の社会的意義、成長の持続性など優れた企業特性を持っていると評価され、このESG投資を、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が明確に考慮するとしたことで、企業でもSDGsへの注力が主流となりつつあります。

企業にとっては、従前のような財務的な成長だけではなく、社会的な企業価値をどう捉えるかという経営をする必要があるということです。

当日資料から~ビジネス界の動向

廃棄物とSDGs

廃棄物に関連するSDGsのゴール、ターゲット

SDGsでは、廃棄物に関連する主な項目として、廃棄物管理について(Goal 11)や、食品ロス、その他廃棄物の発生抑制について(Goal 12)、各々の目標が設定されています。このうえで、JICAの活動の場である途上国の廃棄物問題をご紹介いただきました。

当日資料から~廃棄物に関連するSDGsのゴール、ターゲット

途上国の実情

途上国から排出されるごみは世界の半分以上(56%)を占めています。また、特にアフリカ・南アジアでは引き続き人口の増加に伴いごみの量は増加し続け、世界全体では2050年までに170%増加する見込みとなっています。

また、ごみの量は経済の発展に伴って増加すると言われています。これは、ワンウェイ消費(使い切り)が経済水準の高まりに比例して増え、プラスチックごみなどが増えていく傾向があるためです。

これは、その国の一人当たりの総所得とごみの量が比例していることからも見てとれます。(なお、日本の1日あたりのごみの排出量は920g/日。先進国の中では高くはありません。)

このように、経済発展に伴いごみの量が増加すると、既存の処理体制だと処理が追いつきません。処理場の整備が整っていなかったり、そもそも収集車両がなく、非効率な運搬を余儀なくされている国もあります。処理しきれないごみは不法投棄され、環境の悪化や健康被害に繋がっていきます。

また、処分場に投棄されていたとしても、適切な埋め立て手順が取られず、劣悪な衛生環境にある場合が多々あります。たとえば、処分場内で資源回収を生業にする子供や靴を履いていない人が作業に従事していたり、人と車両が行き交うような危険な現場が存在したりします。また、分別のルールが未整備の場合には医療廃棄物などが一緒に含まれていることもあり、大変危険です。
2018年、モザンビークやエチオピアの処分場では、大量にごみを積み重ねた結果、大雨で崩れて多数の死者が出る事故も発生しています。

このように、途上国では基本的なごみ処理の仕組みづくり自体が課題となるわけですが、途上国では多くの課題が山積するなか、廃棄物の問題は優先順位が高くならない傾向があります。

本来的には、収集・運搬の適正化→最終処分の適正化(環境負荷を下げる)→資源エネルギー化(資源循環社会の構築へ)という優先順位で対策を取っていく必要がありますが、これには住民の協力も必要となります。
協力を求めるには、行政側・住民側とも、ルールの必要性への理解、廃棄物処理や環境に対する一定の知識が必要となってくることから、一定の民度の高さも必要となります。

このように、廃棄物の適正な処理の実現には長い道のりを経る必要があり、段階を踏んで取り組む必要があります。

当日資料から~途上国における廃棄物問題

パートナーシップによる課題解決

SGDsのGoal 17は「パートナーシップで目標を達成しよう」です。
日本国内の民間企業が途上国とパートナーシップを結び技術を提供するという取り組みが実際に行われています。途上国にとっては課題の解決に繋がり、民間企業にとっては海外への展開に繋がるという”Win-Win”の関係が成り立ちます。こういった動きをJICAでもサポートしています。

具体的な取組の例として、講演では

  1. ケニア都市部における、有機ごみから生成された炭化物を燃料や肥料として再利用した事例
  2. フィリピン・ダバオ市における、ストーカ炉式焼却炉を利用した廃棄物発電技術の提供
  3. 関西SDGプラットフォームによる地域でのネットワーク構築の試み

といった事例の紹介がありました。

おわりに

「SDGsとビジネスをどう絡めるのか、国内外の課題解決にどう取り組むのかという動きが加速しています。もはやSDGsは共通言語であり、『取り組むか取り組まないか』ではなく、『どう取り組むか』ということを”自分ごととして考える”という議論が主流化しています。」と近藤さん。

最後に、「廃棄物管理だけが業務という方はこの場にはほとんどいないと思います。普段の企業活動や業務は、SDGsとどう繋がっているのかを考えると、一段高い見方ができるのではないでしょうか。環境問題は世界中で共通する課題です。事業者として、市民として、自分ごととして何ができるかという視点を持って考えてみてくださればと思います。」とのメッセージが来場者へ送られました。

当日資料から~まとめ・メッセージ

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