「宴会での食べ残し削減」をやってみた話

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いよいよこの季節がやってきた。
ゆく年を忘れ、くる年を迎える、と称し、人々が宴を催す季節だ。

我々、廃棄物所管部署にとって、この季節は「宴会での食べ残しをなくしましょう」と訴えなければならない季節でもある。

しかし、こうやって呼びかけると、必ず聞こえてくる声がある。

「どうせ口先だけなんでしょ?」

とんでもない。
何を隠そうこのメールマガジンは「役立つ情報をお届けします」とうたっているのだ。
ここは体を張って、自分達の忘年会の場で、効果的な食べ残し削減策とは何かを実験し、読者のみなさまに役立つ情報としてお届けしようではないか。

ということで、これから紹介する内容が、今後忘年会や新年会などを予定されている方のお役に少しでも立てれば幸いである。

検証を進めるにあたり(前提条件の設定)

「食べ残しを減らしましょう」と前面に押し出しすぎるのは、せっかくの会をつまらないものにし兼ねない。
あくまでも‘裏テーマ’に留めることにする。
(そのせいでこのテーマが没ネタになった場合、筆者は締切が迫り来る中、一からネタを探す羽目になる...)

ステップ1:お店を選ぼう

食べ残しを減らすことを踏まえたお店選びのポイントは以下のとおりだ。

  1. 参加者の人数や構成によって、量や品数を調整してもらえること
  2. ドギーバッグでの持ち帰りに対応してもらえること
  3. 参加者の趣味嗜好に合ったメニューを提供していること

役所的には1.と2.に対応するお店を推奨したいところであるが、必ずしもそこが3.であるとは限らない。
食べ残しを減らすことは大切なことではあるが、それ以上に参加者が楽しめる宴でなければ意味がない。

我々も様々な候補が挙がり、最終的には鍋料理店を予約することとなった。
決め手は、具材の量を調整してもらえるということ(上記1.)、そして何より、鍋を楽しみにしている人が多いこと(上記3.)だ。

ステップ2:仕込み

いい宴会には、事前の‘仕込み’は欠かせない。
食べ残しを減らすという目標達成のためにも、作戦は慎重に練っていきたい。

食べ残しを減らすために宴会中にできる行動としては、以下のようなポイントが掲げられることが多い。

  1. 「30・10(さんまるいちまる)運動※」を呼びかける
    ※「宴会開始後30分と、終了前10分間は、自分の席に座り、料理を楽しみましょう」という取組みのこと
  2. メニューを前もって参加者全員に知らせておく
  3. 席を移動する際は、お皿と箸とグラスを持って移動するよう呼びかける
  4. 食べきれない料理は、周りで融通し合うよう呼びかける

1.は近年、農林水産省や各自治体からもアナウンスされており、耳にしたことのある方も増えてきているのではないだろうか。
一方で、それを直球で言われてしまうと興醒めするという声があるのも事実。
いかに自然に伝えるかがポイントとなる。
2.は目処を立てることで、各自がペース配分を考える参考となるという意味で有効と思われる。
また、3.と4.は酔っ払ってまで実践してもらえるのかという疑いはあるものの、実践してもらえればなかなかの効果が期待できるのではないだろうか。

我々は貪欲に1.から4.までをすべて実践してみることにした。
問題は「いかに押し付けがましくならないか」だ。
考えた末、各自の席上に、ちょっとした「仕掛け」を撒くことにした。

実際に席上に配布した紙

表面にはメニュー、裏面にはすごく...いや...少しふざけた表現で、心掛けてもらいたいことを書いた紙を各テーブルにそっと置いた。

紙を席上にそっと置いた図

「酔っても覚えておくこと3箇条!」

  • 其の一、席を移動するときは皿・箸・盃をお供させるべし!
  • 其の二、遠慮の塊を手にした者は神!
  • 其の三、〆(しめ)のときは這ってでも自席に戻るべし!

内容も書きぶりもなるべく押し付けがましくならないようにした、つもりだ。

これで準備は整った。

ステップ3:宴会当日

いよいよ本番である。(ここでしくじると筆者としてはかなり追い込まれるとあり、なかなかの緊張感である。)

座席は自由席にした。
(たとえば幹事で座席を決める場合なら、よく食べる人とそうでない人をバランスよく振り分けるという方法もある。
また、くじ引きで決める場合でも、くじの箱や配席を分けておけばよいだろう。
ただ、勝手に「この人はよく食べる」と決めつけられ気を悪くする人もいるかもしれないので、たくさん食べるかどうかを出欠確認と併せて自己申告してもらうのもいいかもしれない。)

司会者にも協力を仰ぎ、それとなく席上の紙の存在にも触れてもらった。
反応はというと...

「ふーん...。」

まぁ、最初から期待しないくらいでちょうどいい。

とはいえ、この紙切れも少しは意味があったようだ。
開始後、誰も席を離れようとはしないのだ。

「30・10運動だよね」

そういう声も聞かれた。
廃棄物所管部署という点を差し引いても、紙切れをきっかけに意識が少し高まったようだ。

そして開始から30分以上が経過。

誰も動かない。

それぞれのテーブルが、それぞれの話題で盛り上がっている。
何名かはお酒もいい感じに回っているようだ。
おそらくだが、最初こそ座っていようと心掛けていたものの、そのうち話に花が咲き、酔いも手伝いその場に根を張ってしまったのではないだろうか。

ある若手がお酒を注ぎに来た。
しかし、「あー、もういいよいいよ」と上司。
全体の動きが少ないからか、そういった動きも浮いてすら見えた。

結局、会の終盤までほとんどの人が動かなかった。

人々をその場に留めた理由は他にもある。

当日我々に割り当てられたスペースは、お世辞にも広いとは言えない広さだった。
筆者も、お店の人が料理を運ぶ度に体をテーブルに寄せていた程だ。
こうも狭いと、人は苦労してまで動こうとは思わない。
結果的に、この狭さが人々の動きを抑制したようだ。

付出しを始めとした鍋以外の料理も含め非常に美味しかったこともあり、皆箸が進んだようだ。
加えて店員の動きのよさが際立つ。

「次にくる料理は大きい皿なので、下げられるお皿は下げさせてください。」

なるほど、これは否が応でも残してはおけない。
かくして、終盤まで机が残った料理で溢れることはなかった。

いよいよ料理も終盤、雑炊である。
ここで各テーブル、機転を効かせる。

「4人グループだけど3人分で。」

メンバー間で確認し、量を調整する。
食べ残しをなくそうと自然と発生した行動であった。

序盤からペース配分に気をつけた人も多く、ほとんどの鍋が空っぽになった。

〆までしっかり完食しました!

まとめ

最終的にほとんど料理を残すことなく宴を終えることができた。

一方、宴の最初に置いた紙に書いた3箇条はというと、
其の一、席を移動するときは皿・箸・盃をお供させるべし!
→そもそもあまり席を移動する人がいなかった...

其の二、遠慮の塊を手にした者は神!
→鍋以外の料理のほとんどが一人分ずつ小皿に盛られて提供されたこと、お店側が次の料理を提供するにあたり、前の料理を食べるよう促してくれたこともあり、料理の残ったお皿が溜まっていくことがほとんどなかった。
また、唐揚げが大皿で提供された際は、最初に「ひとり○個ずつね」と分け合うテーブルもあった。

其の三、〆(しめ)のときは這ってでも自席に戻るべし!
→席を移動する人が少なかったとはいえ、〆まで食べなければという雰囲気になっており、多くの鍋が空になることに繋がった。

お店の広さなどの要因も大きいが、全体的には成功と言うべきではないだろうか。

いかがだっただろうか。

自分達自身、やってみてはじめてわかったことも多かった。
たとえば、自由に動き回れる空間が少なければ、人の往来が抑制され、結果として食事が進むことに繋がるようだ。
また、お店の人に協力してもらえるのであれば、お皿をこまめに引き上げてもらうのも効果があるだろう(声かけもあると尚良し)。

次の宴会でも、食べ残しが少なくなる工夫を無理なく続けていこう...と、幹事の人に言っておこう。

おわりに

没ネタにならなくてよかった。

 

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