広げよう!シェアリングエコノミーの輪

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持続可能な社会づくりに向けた取り組みが国内外で進むなか、近年では過剰な生産・消費スタイルから脱却したビジネスに注目が集まるようになりました。
なかでもスペースやモノなどの利用サービスのみを提供し、資源生産性を高める「シェアリングビジネス」はスマートフォンなど情報通信技術の発達・普及により、広く一般市民にも利用が広がっています。
今回は、利用することで企業活動の環境負荷低減も期待できる「シェアリングビジネス」の事例をご紹介します。

環境・経済両面から注目されるシェアリングエコノミー

持続可能な社会を構築するためには、限られた資源を活かして生産性を向上させることが不可欠です。そのためには、3Rのなかでも特に2R(リデュース・リユース)を推進することが欠かせません。
この2R推進に貢献するビジネスモデルとして、シェアリングエコノミーに注目が集まっています。

シェアリングエコノミーはスマートフォンの普及やAIを活用した情報解析技術の発達により、従来の中古品リユースやレンタル業といった限定的なモデルから「個人・企業が保有する活用可能な資産に関する情報を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して共有しておき、必要に応じてそれを保有者ではない個人・企業が利用できる」新たなビジネスに発展しました。

そのため、単に資源生産性の向上といった観点だけでなく、まちづくりに貢献するビジネスといった観点からもその推進が進められており、国も「未来投資戦略2018」などにおいて、経済施策としてシェアリングエコノミーの推進を掲げています。
シェアリングエコノミーの市場規模は2016年度に500億円を突破し、2020年度には1000億円近くに達すると予測されています。

シェアリングエコノミーの国内市場規模の推移

移動手段を省資源化する「こうべリンクル」の取り組み

シェアリングエコノミーで共有する資産はモノ・人・空間などさまざまで、これを活用したサービスも多種多様です。省資源化・環境保全の観点から注目したい利用サービスは駐車や宿泊スペースなどの「空間」、使う機会などが限定される「モノ」や「移動手段」などの共同利用が挙げられるかと思います。

神戸市ではコミュニティサイクル「こうべリンクル」(愛称・こべリン)が市内で運用されており、自転車のレンタルという形で、交通機関などに代わる新たな「移動手段」を提供しています。

コミュニティサイクルは放置自転車の解消や地域活性化など自転車を活かした街づくりに寄与しますが、それだけでなく個人や企業でこの取り組みを活用することで、個別に車などを保有するのに比べて省資源性を確保した状態で「移動」というサービスのみを利用することができ、環境負荷の低減につながります。

神戸市内各所に設置されているこうべリンクルのサイクルポート(貸出、返却拠点)

「こべリン」は、神戸市中心部の複数のサイクルポート(貸出、返却拠点)で自転車を自由に借りたり、返したりできるシステムです。

あらかじめ会員登録が必要ですが、ウェブ上から簡単にできるため、借りたいと思った時にスマートフォンから登録することも可能で、交通系ICカードやいわゆる「おサイフケータイ」を使うなどして、時間単位で利用料金を支払い、自転車を借りることができます。ポートに駐車してある自転車の施錠・解錠もこれらのツールを使うことで、より気軽に利用しやすい仕組みとしています。また、万が一の事故への対応としては各種損害保険の付保による補償が準備されています。

ポートは主要な鉄道の駅前や観光地など市内15カ所に設置しており、登録者数は11月末までの累計で4万3648人。11月の利用者数は4856人でした。

「こべリン」は法人取引を行わないため、一般ユーザーのみの利用となっていますが、市内中心部とウォーターフロントとの回遊性の向上や、共同利用による自転車総量の抑制、それによる放置自転車の減少などに貢献しており、CO2の削減など環境負荷の低減にも大きな役割を果たしています。

ビジネス拡大に向けた課題への対応も

ここ数年で成長したシェアリングエコノミーは利用・運用ともに課題もあり、ビジネスとして拡大していくにあたってその課題解決に向けた取り組みも進められています。
たとえば先ほどの「こべリン」では、利用先での駐輪マナーや放置禁止区域での駐輪に対して、放置指導や利用時のマナー周知を徹底するなどしています。

運用面では、やはり提供されるサービスの品質確保などが課題の一つとなっています。
シェアリングエコノミーの活性化を目的として設立された「シェアリングエコノミー協会」では、シェアリングビジネスで提供するサービスの品質を担保する仕組みとして「シェアリングエコノミー認証マーク」の運用を行っています。
これは内閣官房IT総合戦略室がモデルガイドラインとして策定した「遵守すべき事項」を基にして、同協会が設定した自主ルールに適合した安全・安心なシェアリングサービスを認証するもので、サービスの品質担保によるビジネス拡大に期待が寄せられています。

多様な可能性を秘めるシェアリングサービス

シェアリングサービスはビジネスの現場や、生活シーンにより近い場所でも徐々に広がりを見せています。

たとえば工場設備・計測機器のシェアリングを行うサービスを提供する事業者もあり、計測機器や工場設備、物流・搬送設備などを必要に応じて近くの工場から借りるサービスの提供や、遊休資産となった機械設備の売却などを実施し、ビジネスにおいて重要な設備投資における新たな選択肢を提供しています。

また、多くの人が生活のなかで利用するコンビニエンスストアでの自転車・モバイルバッテリーなどのレンタル事業や飲料の自動販売機でのビニール傘のレンタルなどは、個人によるシェアリングサービスの利用を拡大するとともに、「所有」から「共有」「共用」への消費スタイル転換に効果を発揮していくのではと期待されています。

シェアリングサービスの利用が定着すれば、サービスの品質や利便性が向上し、利便性を大きく損なわない形で、より省資源なビジネス形態へのシフトが進められる。
こうしたことの積み重ねが、持続可能な社会の構築につながるのではと思われます。

INFORICHプレスリリースより ローソン店舗に設置されたレンタルモバイルバッテリー

シェアリングサービスの活用は、企業の事業活動そのものを大きく損なうことなく、その環境負荷を低減できる可能性を秘めています。
読者の皆さんも、持続可能な経済・社会に貢献しうるこうしたサービスの利用を、検討されてみてはいかがでしょうか。

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