最終更新日:2022年11月22日
ここから本文です。
次世代シーケンサーを使用して、新型コロナウイルス遺伝子の全領域の配列を高速で解析します。そのことにより、変異株の監視および地域内の感染状況の把握が可能となります。
次世代シーケンサー
PCR検査で陽性となった患者様の唾液や咽頭ぬぐい液から抽出された新型コロナウイルスのRNAを使用します。
神戸市内の陽性患者の検体のうち50~60%が健康科学研究所に送られてきます。 保健所の職員が市内の陽性の検体を回収して運搬し ています(ゲノム解析までの流れ(PDF:205KB))。
検体からRNAを抽出し、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査を実施しRNAの量の確認をします(PCR検査参照)。コロナウイルスゲノム解析はRNA量(ウイルス量)が多くなければうまくいきません。
このRNAをDNAに移し替え(逆転写)、そのDNAを鋳型にして全長約3万塩基のコロナウイルスのゲノムを短くしてから、PCRで増幅します。この短い領域を次世代シーケンサー(NGS)で塩基配列を読み取ったのち、コンピューターによってウイルスゲノムを再構築させます。
再構築したゲノム配列を登録されている全世界のコロナウイルスの配列と比較することにより、変異を明らかにします。