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更新日:2020年10月1日

須磨琴(一絃琴)(すまごと・いちげんきん)

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須磨琴(一弦琴)とは

須磨琴

【写真提供:一弦須磨琴保存会】

  • 須磨琴(すまごと、すまことも言います)は、一絃琴(いちげんきん)とも、板琴(はんきん)とも呼ばれているように、1枚の板に1本の絃を張っただけの、日本独自の弦楽器で、極めて簡素で原始的な琴です。芦管(ろかん)と呼ばれる長短2本の爪を指先にはめて奏します。

須磨琴2

【一弦須磨琴保存会のホームページより転載】

  • 平安時代、在原行平(ありわらのゆきひら:※注1参照)が須磨に流謫(るたく:※注2参照)された時に、初めて一絃琴を作り、ひとりこれを弾じて(だんじる:※注3参照)、その寂寞(せきばく:※注4参照)を慰めたと伝えられています。
  • 近世に、河内国の金剛輪寺(こんごうりんじ:※注5)の僧侶・覚峰(かくほう:※注6参照)がその技を再興しました。以来、行平の風雅を追慕して習う者が相次ぎ、中でも伊予国出身の国学者・真鍋豊平(まなべとよひら:※注7参照)は最も熱心で、自ら多くの新曲を作曲、世に広めました。今伝わるものは、概ね、彼の門流(もんりゅう:※注8参照)に出るものです。
  • 一弦琴は、幕末頃に、京・大坂を中心として、隆盛をみました。明治になって、東京にも普及しましたが、次第に衰退し、現在では、東京、京都、兵庫、高知、神奈川などで、各地の保存団体が伝承しています。
  • 福祥寺(須磨寺)では、「須磨琴」のゆかりにちなみ、1965(昭和40)年、須磨琴保存会を結成し、一弦琴の再興と保存のために、京都の無形文化財保持者・倉知志ん(くらちしん)氏(素風:そふう)並びに、その門下である和田国子氏(玉邦:ぎょくほう)を招聘(しょうへい:※注9参照)して、その技の習得に努めました。
  • 小池美代子氏は、1969(昭和44)年に免許皆伝を受け、その後もその技を磨きつつ、師範として後進の指導に務め、諸方で演奏を行い、一絃琴奏者として第一級の評価を得ています。兵庫県指定重要無形文化財(芸能)技術保持者として認定されています。

【注記及び用語解説】

※注1:在原行平(ありわらのゆきひら)は、平安時代【818(弘仁9)年~893(寛平5)年】の公家で、歌人として知られています。阿保親王(あぼしんのう)の子で、在原業平(ありわらのなりひら)の兄にあたります。

※注2:流謫(るたく・りゅうたく)とは、罪によって、官位(かんい)を落とされ、都から遠く離れた辺境地や離島等へ追放されることです。配流(はいる)・遠流(おんる)や島流しと同じ意味です。

※注3:弾じる(だんじる)とは、弦をはじいて音を出すことで、弦楽器を演奏することです。「弾する」とも言います。

※注4:寂寞(せきばく)とは、心が満たされずに、もの寂しい様子を表しています。

※注5:金剛輪寺(こんごうりんじ)は、河内国・杜本神社(もりもとじんじゃ:大阪府羽曳野市駒ケ谷所在)の神宮寺(じんぐうじ:神社に付属して建てられた寺院や仏堂のこと)として、奈良時代頃に創建されましたが、南北朝時代に衰退し、戦国時代にも兵火を受けていました。江戸時代の宝暦年間(18世紀中頃)に、住職であった覚峰によって再興されましたが、1871(明治4)年の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって、廃寺(はいじ)となりました。

※注6:覚峰(かくほう)は、江戸時代【1815(文化12)年~1729(享保14)年】の僧侶で、河内国・金剛輪寺を再興しました。和歌や書道に優れており、一弦琴の技術を再興し、広く世間にひろめました。

※注7:真鍋豊平(まなべとよひら)は、江戸時代から明治時代【1809(文化6)年~1899(明治32)年】の伊予国宇摩郡上野村(現在の愛媛県四国中央市土居町)出身の神官で、詩歌に長じ、歌人としても知られています。足代弘訓(あじろひろのり:※注10)に、国文学や詩歌を師事しました。上洛して、一弦琴の家元となり、今日に伝わる代表曲の多くを発表し、一弦琴の奏法を確立する等、一弦琴の中興(ちゅうこう)の祖として、広く知られるようになりました。後に、大坂に移り、「水穂舎(みずほのや)」と号して、歌集を出版しました。

※注8:門流(もんりゅう)とは、一門の流派のことです。

※注9:招聘(しょうへい)とは、礼儀を尽くして(丁重に)人を招くことです。

※注10:足代弘訓(あじろひろのり)は、江戸時代後期【1785(天明4)年~1856(安政3)年】の国学者・歌人で、伊勢神宮外宮(げぐう)の神官でした。真鍋豊平をはじめ、多くの門下生を輩出しています。

兵庫県指定重要無形文化財(芸能)

  • 所在地:神戸市須磨区
  • 技術保持者:小池美代子(琴名:玉如)
  • 指定年月日:1976(昭和51)年9月3日

【神戸市文化財情報】

須磨琴(一弦琴)(詳細ページ)(外部リンク)

須磨琴(一弦琴)(地図ページ)(外部リンク)

参考資料

一弦琴について(一弦須磨琴保存会ホームページ)(外部リンク)

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