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最終更新日:2022年7月25日

東灘区住吉宮町遺跡発掘調査現場の公開

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発掘調査で検出した古墳群

記者資料提供(令和4年7月26日)

1.発掘調査現場の所在地

神戸市東灘区住吉宮町7丁目2番6号(旧:神戸市立住吉幼稚園)
JR神戸線住吉駅から西へ徒歩10分

2.現地説明会の開催要項

【開催日時】令和4年7月30日(土曜日)13時30分~15時00分(雨天中止)
※雨天中止の場合は、当日の問い合わせ先へ照会ください。
【参加費】無料
【諸注意】足下が悪いため、汚れてもよい服装でお越しください。
【当日の問い合わせ先】住吉宮町遺跡発掘調査現場_090-5051-3054

3.住吉宮町遺跡の概略

JR神戸線住吉駅一帯は、「住吉宮町遺跡」とよばれる弥生時代から中世までの遺跡です。これまでの発掘調査によって、弥生時代の集落や古墳時代の古墳群、飛鳥~奈良時代の墨書土器(ぼくしょどき)・硯(すずり)などの官衙(かんが)関連遺物などがみつかっています。その中でも古墳群は、洪水で埋もれた状態で残っており、街中に残る埋没古墳群ということが判明しています。これまでに帆立貝形古墳(ほたてがいがたこふん)や方墳(ほうふん)、箱式石棺墓(はこしきせっかんぼ)などが100基近く確認されています。

4.今回の調査成果

だんじり会館等建設に伴い発掘調査を実施した結果、5世紀後半~6世紀後半の古墳群と飛鳥~奈良時代、鎌倉時代の集落を検出しました。

今回の現地説明会で公開するのは、古墳時代の遺構面(いこうめん)です。約650平方メートルの調査区に6世紀の洪水砂(こうずいさ)に覆われた状態で7基の古墳とそれに関連する遺構を検出しました。その委細は、以下の通りです。

①_平面形が一辺6m程度の5世紀の方墳(葺石あり)1基
②_平面形が一辺6m程度の6世紀前半の方墳(葺石あり)1基
③_平面形が一辺16m程度の6世紀前半の2段築盛の方墳(葺石あり)2基
④_詳細不明の6世紀前半の方墳(葺石あり)1基
⑤_平面形が一辺3mと6m程度の6世紀後半と推測される方形低墳丘2基
⑥_⑤の古墳を築造する際の整地面(せいちめん)


また、今回検出した古墳には、葺石(ふきいし)が施され、墳丘上に埴輪を設置し、古墳に埋葬されていた人物を安置する主体部(しゅたいぶ)なども確認されています。

特筆すべきは、6世紀後半に広範囲に整地を行い、墓域が整備されている事です。それ以前に築かれていた古墳を壊さず整地し、その整地面を利用して、方形低墳丘(ほうけいていふんきゅう)を築造しています。後代の古墳が先代の古墳と重複しないよう計画的に造墓(ぞうぼ)されていたとみられます。

方形低墳丘については、古墳を簡略化したものか、未完成の古墳なのかは、今後の調査にもよりますが、古墳時代の遺構面より上層で検出している飛鳥時代~奈良時代の遺構面では、官衙関連遺構や建物を多数確認していることから、この地に根付いた勢力が7世紀以降も連綿と続いていたことが伺えます。

5.学識経験者のコメント

神戸市文化財保護審議会長(大阪府立弥生文化博物館名誉館長)黒崎 直 氏

発見された古墳群は、5世紀から6世紀後半にかけて造られたもので、最も新しい時期(6世紀後半)の古墳は、洪水砂により埋没した未完成(低墳丘)の姿をとどめていた。類例のない貴重な調査成果といえる。また、洪水砂の下面では、先に造られた古墳の周囲を広範囲に整地した様子が見てとれる。そこから、先代の古墳を強調するように墓域を再整備し、その中に自らの墓を配置するという同族系譜の意識を読みとることができそうだ。

神戸市文化財保護審議会副会長(京都府立大学文学部教授)菱田 哲郎 氏

住吉宮町遺跡で検出した古墳群は、その造営過程が伺える事例といえる。方墳の方向を揃えているものと揃えていないもの、方墳の外表施設構造は、古墳を築造した際の時期差を反映しているし、築造過程に造墓集団の系譜意識が反映されている好例である。6世紀以降の古墳は、5世紀の古墳の間に形成されており、古墳の配置や構造からみていくと、大阪平野でみられる初期群集墳とは様相が異なる可能性があり、今後の調査成果が期待される。

奈良県立橿原考古学研究所共同研究員 森岡 秀人 氏

今回の調査地点では、飛鳥・奈良時代の建物遺構の下層から古墳時代の群集墳が検出され、古墳群の形成過程が判明する良好な成果をあげている。5~6世紀にかけての墳形・古墳の規模と外部構造(貼石の粗密、段築)が明確となり、古墳群の形成段階や変遷が判明している。特に墓と墓の間には、造墓する際の作業面や資材移動路、墓道など多様な機能が果たせる整地面が周溝底より高い位置で遺存しており、墓域形成途上期の空間利用の一面が把握できる希少な例と言える。墓域の空閑地には、低い墳丘ないしは墓関連施設と推定される方形の区画溝が構築されており、後世の洪水で埋没して墓域が廃絶するまでの墓域利用について、時間的間欠性があるにせよ、フルに利用している点が大変興味深い。古墳群の形成から終焉までをたどる上で重要な所見が得られたものと思う。

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