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更新日:2020年10月29日
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新年あけましておめでとうございます。本年も火災予防に関する情報を届けさせて頂きますので、宜しくお願い致します。
年末年始にかけて、おせち料理や鍋料理など長時間、コンロ火を使用する機会が増えてくると思います。長時間の使用により火を消し忘れて火災危険が高くなることはご存知かと思いますが、他にもの私達の目の届かない部分で火災が発生する非常に危険なケースがあります。
それが『伝導過熱火災』です。
伝導過熱火災とは、コンロ火の熱が近くのタイルやステンレス板等から壁体へと伝わり、壁体のベニヤ板や木ずりなどの木材が長期間、過熱され続けることで、突然発火に至るというものです
危険要因としてまず、いつ発火するかが分からないことです。
発火に至るメカニズムは、まず、コンロ火から壁体へ伝わってきた長期間の熱により木材の含有水分が徐々に蒸発し、炭のように多孔質化することで断熱性が上がり蓄熱しやすい状態に変化していきます。すると、本来の発火温度(260~416℃)にならずとも100℃近くで発火に至るようになりますが、コンロから木材までの距離や壁体の構造など環境は家庭により様々であり、火を消した後も壁体内で蓄熱が継続するのでいつ発生するのか掴めません。
もう一つの危険要因として、火災がひとたび発生すると広範囲に燃え広がってしまうことです。目の届かない壁体内からの出火であるので、火災警報器も鳴動しにくく、発見までに時間を要することも少なくありません。発見する頃には壁体内部や小屋裏などの内部空間で、木材が熱分解により大量の可燃性ガスを充満させ、区画を超えて燃え広がっている危険があります。
以上のように、店舗で使用する火力が強い業務用ガスコンロだけでなく、家庭用コンロやトースターなどでも出火に至ることから身近でも発生する可能性は十分にあります。
発生の予防策は、『コンロ火と壁体の離隔距離をとること』です。
具体例として、
安全装置付きのコンロは、過熱防止センサーが作動するため、一回の使用では長時間の過熱には至りませんが、壁体内の木材は時間をかけて少しずつ炭化して発火に向かっていきます。安全装置だけでなく、もう一度使用状況を見直すことが火災防止へと繋がります
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