電気火災と調査員の眼

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今回は今や生活になくてはならない「電気」が原因となる火災について、消防の火災原因調査の観点からお話しします。

電気の持つエネルギー

物を動かしたり、熱を発するためにはエネルギーが必要ですが、電気の場合、このエネルギーのことを「電力」といい、「W(ワット)」で表します。そして、この電力は「電圧」と「電流」によって決まり、電圧は「V(ボルト)」、電流は「A(アンペア)」で表されます。

電気は発電所から電線を通って配電され、ご家庭であれば室内のコンセントにプラグを差すことで、電気機器にエネルギーが供給されます。また、スマートフォン等の携帯機器はバッテリーに充電された電気エネルギーを消費することで動作しており、このエネルギー容量をAh(アンペアアワー)で表しています。

次に、電気が原因でなぜ火災が発生するのかご説明します。

抵抗による発熱

電源コード等を電気が流れる際の「流れにくさ」のことを「抵抗」と呼びます。そして、この抵抗が大きい部分を電気が流れると、そこでは発熱が起こります。この原理を利用しているのが電気ストーブで、抵抗として石英管等が発熱体に使用されています。発熱体の温度は800度にもなるため、電気ストーブに衣類や布団等の可燃物が接触すると、過熱され火災となります。

一方、意図せず抵抗が大きくなり火災になる場合もあります。

車の前方で車線規制していると渋滞が発生するのと同じで、電源コードでも一部が切れかかっていたりすると、その部分だけ電気が流れにくくなり(抵抗が大きくなり)、局所的に発熱します。このように電気エネルギーが熱エネルギーに変わることで火災の火種となりうるのです。

これらに共通することは電気が流れて発熱すること、つまり、機器が使用されていることが条件になります。

次は、短絡についてご説明します。

短絡って何?

短絡とは「電圧がかかっている部分で両極の導体が接触すること」でショートするともいいます。短絡すると瞬時に大きな電流が流れるため高熱が発生し、火花が発生します。この時、付近にほこりなどがあれば、着火し火災となります。

この場合は、電圧がかかっていることが重要で、電源プラグが差し込まれていれば機器の使用の有無に関係なく起こる可能性があります。

なぜ短絡が起こるのか

短絡が起こる要因として、両極の導体に外力が加わって絶縁被覆が破損し短絡する場合と、通電中の電線が切れかかっていたり、接続部の接触不良によって局部的に発熱し、絶縁被覆を溶融させて短絡する場合があります。

前者の事例としては、

  • (1)たんすの角や椅子でコードを踏みつけていた。
  • (2)ステップルや釘を打ち付け絶縁被覆を傷つけた。

後者の事例としては、

  • (1)コードを引っ張って電源プラグを抜いていて被覆内部で導線が切れかかっていた。
  • (2)自分で配線接続したが接続が緩かった。

等が挙げられます。また、犬がスマートフォンを噛んで、バッテリー内部で短絡し出火した事例もあります。

調査員の眼

配線の先端にできた短絡痕配線が短絡すると、その先端には「短絡痕」という痕跡が残り、出火箇所を判定するうえで極めて重要な要素となります。

火災調査では、機器の使用状況等を確認するとともに、焼け跡から右写真のような小さな痕跡を探し出して原因の究明をおこなっています。

火種は思わぬところにも

QRコード電気による火災は家庭内のどこでも起こりうる可能性を秘めています。こちらのQRコードからは、火災の実験映像がご覧になれます。

目には見えなくとも十分なエネルギーを持っていますので、

  • (1)たこ足配線や電源コードを束ねたままの機器の使用など、電源コードが発熱するような使い方をしない。
  • (2)コンセントは定期的に清掃し、使用しない電気機器のプラグは抜く。

等、日頃から気を付け、電気による火災を防ぎましょう。

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