たばこが原因となる火災

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今回は少し専門的な表現もありますが、たばこが原因となる火災について、消防の原因調査の観点からお話しさせていただきます。

微小火源とは

火災が発生するには、その火災の始まりとなる「火源」が必要です。火源となりうるのは、ライターやガスコンロ、電気ストーブ、たばこ等、日常生活の中にあるごくありふれたものです。そして、それらの火源の中で「炎のない無炎燃焼を呈しており、その燃焼部分の形状及び見かけ上のエネルギー量が極めて小さい火源」を微小火源と呼んでいます。代表例として、たばこの火や線香、火の粉等が挙げられます。

微小火源の出火メカニズム

微小火源による火災は、初めから炎が立ち上がるのではなく、布団や紙くず等の着火物が無炎燃焼を続け、ある程度燃えこんだ後、空気の流動等の周囲の条件によって有炎となり一気に燃え上がります。この無炎燃焼は科学的には「くん焼」といわれています。

たばこの燃焼性状と温度

たばこは一度火を付けると、表面の燃焼部及び未燃焼部から酸素の供給を受けて無炎燃焼が継続します。そして、燃焼部の温度は状態と部位によって異なり、放置した状態で中心部が700から800度、表面で200から300度になるといわれています。さらに、吸引時は900度近くに達します。

出火に至るまで

温度だけを考えれば、いとも簡単に可燃物に着火しそうですが、実際は火源としては小さく、周囲への放熱や拡散によってすべての温度が可燃物に伝わることはないため、他の条件が重ならない限り火災には至りません。では、どのような条件が重なれば火災に至るのでしょうか。

たばこを綿布団の上に落とす

布団のくん焼綿布団の上に火の付いたたばこを置くと、たばこが接した部分を中心に、ほぼ円状に布団の無炎燃焼が継続します。この状態で布団上に紙類等の燃えやすい物を置いていたり空気の流動等があれば有炎となります。

吸い殻が溜まった状態のガラス製灰皿にたばこを入れる

吸い殻が溜まった状態のガラス製灰皿に火の付いたたばこを挿し込むと、灰皿内の他のたばこと共に無炎燃焼が継続し、やがて灰皿が割れます。これは無炎燃焼によって高温になった灰皿の内側が膨張しようとするのに対し、外側は比較的低温のため、引張応力が生じてガラスの強度を超えるため起こります。すると、灰皿内の吸い殻がこぼれ落ち、下に布団等があれば、そこでさらに無炎燃焼が継続することになります。

ガラスの灰皿内でたばこがくん焼

ガラスの灰皿が割れた状況

ごみ箱に吸い殻を捨てる

数分後にごみ箱の中から発火灰皿がいっぱいになったからといって、たばこを吸い殻と共にごみ箱に捨てたりしていませんか。これはたばこの放熱を防ぎ、かつ周囲を可燃物で覆う非常に危険な行為になります。ごみの量や空気の流動状況にもよりますが、早ければ10分ほどで出火します。

小さな火と油断するなかれ

QRコードこのように、たばこが原因で火災になる場合、必ず人の行動が介在しています。また、無炎燃焼という過程を経るため、出火するまで時間を要し、発見が遅れる可能性が高いという特徴もあります。さらには、出火に至らなくとも無炎燃焼によって有害な一酸化炭素が多量に発生し、人体に及ぼす影響も甚大なものになります。こちらのQRコードから、たばこから出火し、建物全体に延焼する火災の実験映像がご覧になれます。小さな火と油断せず、火災のない良い1年にしてください。

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