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更新日:2020年10月29日
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一酸化炭素は無色・無臭・可燃性の気体で、吸いこむと血液中の酸素運搬が阻害され、体の各組織に酸素が効率的に行き渡らなくなってしまいます。血液中には酸素と結びついて全身に酸素を運ぶ役割を持つヘモグロビンというたんぱく質があります、一酸化炭素は酸素と比べ200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っています。このため一酸化炭素を吸い込むとヘモグロビンは酸素と結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下して、酸素不足に陥ります。これがいわゆる一酸化炭素中毒です。
軽度の一酸化炭素中毒では、頭痛、吐き気、めまい、集中力の低下、嘔吐、眠気、体調不良が起こりますが、多くの場合、新鮮な空気を吸うことで回復します。
しかし、一酸化炭素中毒が危険なのは、眠気を中毒の症状だと認識しないところにあります。そのため軽度の中毒のまま眠ってしまい、重度の中毒や死に至るまで一酸化炭素を吸い続けてしまう危険性があるのです。
また、火災以外でも住宅内で一酸化炭素中毒になる事例があります。それは今の時期、閉め切った室内で石油ストーブ等の暖房器具を使用した場合です。昔の日本家屋に比べ、今のマンションは気密性が高いため、「まさか」と思うような状況でも事故が起こる可能性が潜んでいます。
前述したように、一酸化炭素は無色・無臭のため、その存在に気付かず、危険を認識できません。
また、火災時には必ず発生し、換気不良の状況下では短時間で高濃度に達します。そして、高濃度の一酸化炭素を吸った場合は、軽度の中毒症状とは違い、一呼吸で昏睡状態となり、死に至ります。実際、統計にも表れているように火災で多くの方が亡くなられています。
静かなる殺し屋(Silent Killer)の怖さをもう一度考えてみてください。
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