現在位置
ホーム > 防災・安全 > 神戸市消防局 > 消防局広報 > 神戸市消防局監修 生活あんぜん・あんしん情報誌『雪』 > 生活あんぜん・あんしん情報誌「雪」バックナンバー > リチウムイオン電池の思わぬ危険性
更新日:2020年10月29日
ここから本文です。
新年、明けましておめでとうございます。本年も市民の皆さんの生活に役立つあんぜん情報を発信していきますのでよろしくお願いします。
私たちの身の回りには、今や携帯電話にデジタルカメラ・ビデオ、ノートパソコンなど携帯できる電子機器で溢れ、これら電子機器の充電池としてはリチウムイオン電池が大半を占めています。さらにこのリチウムイオン電池の生産性、安全性等の向上により、近年では電気自動車や飛行機のバッテリー等多岐にわたり使用されています。今や我々の生活に無くてはならない電池といえるでしょう。
電子機器の電池は、アルカリ、ニッケル水素電池が主流でしたが、高機能の電子機器の登場で小型で大容量の電池が必要となり開発されたのが、このリチウムイオン電池です。
この電池のメリットは、
デメリットとしては、
これらのデメリットより、以前から神戸市でも火災事例が報告されていました。
これら火災事例で共通していることは、そのほとんどが充電中に出火していることです。
リチウムイオン電池はデメリットでも書いた通り非常にデリケートな電池で、充電中にその影響が顕著に現れます。そのため電池にガス排出弁や保護回路が設置されています。保護回路には電圧・電流や温度を監視するセンサーや2セル以上の電池をバランスよく充電するバランサーなどのいずれかが設置されています。
充電中、万が一、リチウムイオン電池に異常があれば充電を中止してくれますが、エラーが出ているにもかかわらず無理やり充電した場合や専用充電器以外、また間違った設定で充電した場合など保護回路が正常に働かず、電池内部から発熱し出火に至ったケースがあります。
事例(1)、(6)は、電池本体の不具合による火災と判明しましたが、事例(2)、(4)、(5)は取り扱い不良と判明しました。
充電前や充電後に膨らんでいた場合や普段と違うと感じた場合は直ちに充電を中止してください。
また、長期間使用していない場合も、電池が劣化(過放電状態2・5ボルト以下)している可能性が高く、充電器で充電してもエラーが表示されますので、これらの異状の際は無理に充電せず使用を取りやめてください。
事例(3)のように、動物が噛んだり、高所からの落下衝撃により破損爆発することもありますので、保管場所及び取り扱いには十分注意してください。
また電池の充電、保管の際は、高温多湿下を避け、安全な場所で専用充電器を使用してください。他の諸注意も取扱説明書または注意書きに記載されていますので使用の際には必ず目を通すようにしましょう。
我々の生活の質を向上してくれる携帯電子機器ですが、消費者の危険知識の向上も望まれるところです。
お問い合わせ先
市政、くらし、各種申請手続でわからないことは神戸市総合コールセンターにお電話ください
電話 078-333-3330 Fax 078-333-3314