IHクッキングヒーター汚れ防止シートによる火災危険

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意外な出火原因

近年、多くのご家庭でIHクッキングヒーターが使用されていますが、IHクッキングヒーターは加熱中も炎が見えないことや、様々な安全装置を備えているという安心感があることから、火災に対する警戒心が緩みがちになっているのではないでしょうか。
今回は、そんなちょっとした油断と「意外な物」が引き起こした火災事例をご紹介します。

火災事例

IHクッキングヒーターで加熱中のサラダ油が発火した火災が、神戸市内の住宅で発生しました。
火災の原因を調べるうち、IHクッキングヒーターのガラストップに「汚れ防止シート」を使用していたことが、火災発生の要因となっていることが疑われたため、再現実験による検証を行いました

汚れ防止シートとは

汚れ防止シートとは、IHクッキングヒーターのガラストップを、吹きこぼれや油汚れ、焦げ付きによる汚れから守るために敷くシートです。硬質マイカ・シリコン樹脂・ガラス繊維シリコンなど様々な材質のものが、手ごろな価格で販売されています。

再現実験

  • 実験方法
    サラダ油の量とヒーターの出力を一定に定め、ガラストップ上に何も敷かない場合と、材質の異なる3種類の汚れ防止シートを敷いた場合のそれぞれで、サラダ油の温度変化を測定しました。(実験では、鍋底にくぼみのあるIH対応市販鍋を使用した。)
  • 実験結果抜粋
    実験の結果、素材により多少の違いはあるものの、汚れ防止シートを敷くと、サラダ油が発火温度付近まで上昇し、一部の実験では実際に発火することが確認できました。
実家結果表(抜粋)
鍋の種類 火災時に使用していた鍋(市販のIH対応鍋)
実験No. 実験1 実験2 実験3 実験4
汚れ防止シート シート無し 硬質マイカ製 ガラス繊維
シリコンコート製
シリコン樹脂性
IHクッキングヒーター出力 1300W 1300W 1300W 1300W
最高油温 約283度 約371度 約295度 約310度
発火状況 白煙のみ
発火せず
発火あり
11分58秒発火
白煙のみ
発火せず
白煙のみ
発火せず

※サラダ油の発火温度は新品で360度前後
※銘柄や使用状況で発火温度は低くなります。

汚れ防止シートの問題点

実験写真IHクッキングヒーターの過熱防止装置は、ガラストップを介して鍋底とセンサーが接触することで温度を測定しています。そのため、鍋底とセンサーの間に異物である汚れ防止シートが存在すると、正常な温度制御ができなくなり、サラダ油が設定温度以上に高温になります。

メーカー等の注意喚起

過熱防止装置に悪影響を与えることがないように、IHクッキングヒーターのメーカーは、取扱説明書の中に「鍋の下に汚れ防止シートや紙などを敷かないこと」「揚げ物調理には付属の専用鍋を使用すること」と記載しており、汚れ防止シートのメーカーの多くが「揚げ物料理には絶対に使用しないでください」と警告しています。
どうしても汚れが気になるという場合でも、揚げ物料理をする時には、絶対に使用しないで下さい。

火災を起こさないために

IHクッキングヒーターを含め、こんろ火災のほとんどが、調理中に目を離したことを原因として発生しています。
また、こんろには過熱防止機能などの火災を予防するための安全装置が多数備わっていますが、どんなに器機が進歩しても、火災は私たちのちょっとした油断を突いて発生するため、それらを過信しないようにして下さい。
大切なのは、火を扱っているという警戒心を忘れないことです。その場を離れさえしなければ、火災の発生を未然に防ぐことができ、万が一火災が発生しても、すぐに気づいて対応することができます。
火が消えたことをあなたの目で確認することが重要です。「少しくらい大丈夫だろう」と思わず、最後まで気を抜かないようにしてください。

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