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更新日:2020年10月16日
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ガソリンを含む各種燃料は私たちの生活に深く関わっていますが、その取り扱いを誤ることで、火災の原因や被害の拡大につながることがあります。
名古屋市内の事務所ビルでの爆発や、北海道・苫小牧でのナフサタンク火災など、ガソリンに関係する事故が各地で発生しています。
そこで今回、ガソリンの危険性について紹介します。
ガソリンについて述べる前に、まず「燃焼現象」について説明します。
ものが燃えるという現象は、
以上の3つの要素により成り立っています。
皆さんも小学生の時、燃えているろうそくにコップをかぶせると炎が消えるという実験をしたことがあると思います。これは、コップ内の酸素が減ったことにより炎が消えたものです。このように、燃焼に必要な3つの要素のうち1つでも取り去ると、燃焼は継続しません。
また、物質が燃えるにはある一定の温度が必要です。
例えば、キャンプ用品の灯油バーナーは、極端に寒い場所ではなかなか火がつきません。
炎を近づけることで可燃性物質が燃焼することを「引火」といい、引火する最低の温度を「引火点」といいます。
また、可燃性物質を加熱するとその熱で自ら燃焼します。これを「発火」といい、発火する最低温度を「発火点」といいます。
ガソリンは火災予防上、消防法で規制される「危険物」です。
アセトンやガソリンなどは消防法の別表で「第四類第一石油類」に区分されており、引火点が21度未満の引火性液体です。
ガソリンの性状は次のとおりです。
ガソリンの引火点は、メーカーなどによっても異なりますが、私たちが生活している温度より低く、非常に引火しやすいものです。
また、水より軽いので、燃焼しているガソリンに水をかけると水の上にガソリンが浮いてしまい、水の広がりと共に燃焼している場所が広がることになります。そのため、消火に水は使用できません。
セルフサービス・方式の給油取扱所(セルフスタンド)でガソリンを給油された方は、計量機に「静電気除去シート」が設けられているのにお気付きでしょうか。
摩擦などの普段の動作で人体に静電気が蓄積(帯電)されるため、静電気を除去せずにガソリンタンクのキャップを開けると、体にたまった静電気が原因でガソリンに着火することがあります。こうした静電気による火災は、空気が乾燥しやすい冬季に多く発生していますが、一年を通して発生の危険性があります。
また、発生したガソリン蒸気は、空気より重いので溝のような低所にたまり、遠くまでその蒸気が広がることがあります。
工場などで、ガソリンを置いていた場所から蒸気が溝を通り、離れたところの電気機器の火花で着火したという事例もあります。
このように、ガソリンは保管場所から遠く離れたところでも火災を起こす危険性があります。
実際に、密閉した空間でガソリンを蒸発させ着火した際の写真を下に示します。
密閉した空間にたまった蒸気が一気に燃焼し爆発を起こします。そしてその後、皿のガソリンが燃焼します。
平成15年9月16日、名古屋市内で発生したガソリンによるビル放火火災では、爆発火災によって3人が死亡し、飛散した窓ガラスの破片で多くの方が負傷されています。
ガソリンは身近にある物質ではありますが、「非常に危険である」という認識が薄れがちです。改めてその正しい取り扱いに留意してください。
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