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最終更新日:2021年8月24日

美容医療・エステサービスに関する相談

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記者資料提供(2021年8月24日)

消費生活相談情報(令和3年8月)

1.相談事例から

事例1(エステ契約とその他購入商品のクーリング・オフ)
4日前に、脱毛エステ店に行き、勧誘を断り切れず6か月13万円の契約を分割払いで契約をしたため、支払い総額が高額となった。脱毛エステとは別に家で使える美顔器があると勧められ購入することにした。合計で36万円になった。エステの内容が思っていた内容と違うのでクーリング・オフしたい。美顔器はまだ届いていないがキャンセルしたい。(20代・女性)

事例2(施術によるトラブル)
美容クリニックで顔の肌ケア(皮膚の活性化)の施術10回分の契約をして、4回目の時点で顔に赤みが出て治らない。看護師にそのことを伝えても「一時的なもの」と医師の診察なしに3か月間(3回)施術を続けられた。不審感が募りかかりつけの皮膚科で診察をしてもらうと「炎症が起きている。施術内容によっては合う人、合わない人があり、赤みが続いている時点で施術を止めるべきだ」と言われた。施術をしていない回数の一部でも返金してほしい。(20代・女性)

2.関連の相談状況

医療機関やエステティックサロンにおける美容関連サービスの相談は、医療
機関・エステティックサロンを合わせて、平成30年度以降年間140件前後
を推移している状況です。なかでも『脱毛』に関する相談の割合は約30%~
50%の状況です。(グラフ1参照)

エステや脱毛などの施術後にやけど・じんましん・内出血などのトラブルが発生した危害件数は、全体の約10%前後を推移している状況です。(グラフ2参照)

年代別では、美容に関心を持ち始める20歳代の相談が最も多く53%(H29~R3年7月末の件数)になっています。(グラフ3参照)

談内容別(表1)では、20歳代以上のすべての年代で「解約」、20歳未満では「未成年者取消」についての相談が1位となっています。また「施術不良」には20歳代以外のすべての年代で上位を占めています。


契約当事者年代別の主な相談内容

美容医療・エステに関する年度別相談件数
危害件数
年代別相談件数割合

3.神戸市消費生活センターからのアドバイス

①事例1のケースは、『脱毛エステ』と『美顔器購入』の2つの契約があります

『脱毛エステ契約』は、以下のⅰ・ⅱを満たしている場合、クーリング・オフの対象となります。

ⅰ契約書を受取った日から8日間以内
ⅱ【特定継続的役務提供取引要件】・・・契約期間1カ月を超えるものかつ金額5万円を超えるもの
エステティックサロンおよび分割契約をした信販会社にクーリング・オフの通知を書面で送付しておきましょう。

『美顔器の購入契約』は、

同時に購入契約をした美顔器については、「エステ契約とは関係なく自由に購入できる。ポイントで購入できるためクーリング・オフはできない」と説明を受けているため、未使用であっても原則的にはクーリング・オフの適用を受けるのは難しいです。一度事業者と交渉してみるのも良いでしょう。

〇関連商品もクーリング・オフができる場合

エステサービスを利用するために購入する必要がある商品、例えばエステサービスを受けるために化粧品や健康食品、美顔器など関連商品(政令で指定されたもの)を並行して使用することで効果が得られるなどと説明されて購入した場合、エステサービスと関連商品は一括でクーリング・オフができます。
関連商品の購入が必要な場合は、特定継続的役務提供取引の契約書に記載が必要とされています。契約書を確認しておきましょう。

事例2のケース

〇美容医療の中途解約について

美容医療サービスは、施術の契約期間内(施術の開始前も含む)で、以下の要件にあてはまる場合には契約の解除ができます。

要件

中途解約をする場合、消費者はクリニックに決められた解約手数料と提供済みのサービスの対価を支払えば、中途解約はできます。この点がクーリング・オフとの違う点です。
不当に高額な解約手数料などが請求されないよう、特定商取引法で解約手数料の上限が定められています。

美容医療の中途解約清算時の上限額は
契約後、施術を受ける前と施術を1回でも開始したあとでは、違いがあります。

中途解約清算時の上限額
中途解約の場合は、電話等での連絡は「言った、言わない」でトラブルにつながる恐れがあります。速やかに適切な処理がされない場合は、記録が残る書面で中途解約を申し出るようにしましょう

〇美容医療でもクーリング・オフはできます

美容医療においても、特商法の特定継続的役務取引の上記記載の要件にあてはまる場合には、契約書を受取った日から8日間はクーリング・オフができます。

 

③その他

〇未成年者の契約について

未成年者が親(親権者など法定代理人)の同意を得ないで行った契約は、契約者本人、親から取り消すことができます。取消しをすると契約はなかったことになります。ただし、20歳になった以降に代金を一部でも支払うと、追認行為があったとみなされ取消しすることができなくなります。
事業者とクレジット会社や信販に、未成年者契約の取消しを書面で通知しましょう。商品を受け取っていればそのまま返品してください。ただし、返送する時の送料は消費者負担となります。
注)民法の改正により、2022年4月から、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられます。

トラブル防止のために

①広告やインターネットホームページの情報だけでなく、医療機関やエステ店舗で詳しい情報を確認しておきましょう。
②その場で契約や施術をしないようにしましょう。
「今日契約すれば・・・割引がある」、「安いコースは出来ばえがよくない」と高額なコースを勧められるなどの場合には慎重に判断し、断ることも必要です。
③施術前に施術方法や身体への影響、副作用などを確認しておきましょう。
(痛みの程度・肌のトラブル、合併症・使用する薬剤の不適合など)
④契約金額が高いと思ったら契約をしないで断りましょう。
クレジット契約や信販会社での分割払いなどを勧められる場合がありますが、立替払い(借金)をしてまで、必要があるのか慎重に考えてみましょう。

不安に思ったとき、困ったときは、1人で悩まずに最寄りの消費生活センターまたは「188」にご相談ください。

神戸市消費生活センター

 

お問い合わせ先

地域協働局消費生活センター