消費生活相談情報(令和3年10月)
1.相談事例から
事例①
買取業者から、不用品を高額で買取ると電話があり、自宅に来て貰った。あれこれと言われて洋服やブランドバック、更にダイヤのペンダントなど宝石・貴金属合計7点を買取ってもらった。洋服1,000円、バック35,000円と金額は聞いたが、宝石・貴金属の詳しい金額は聞いておらず、合計25万円を受取った。2枚つづりの契約書は受け取ったが、業者に契約書をすぐに小さく破るように言われ、破いた。あとから契約書を確認しようと思っていたが多忙のため、その場で確認しなかった。10日後に破いた契約書をつなぎ合わせて、業者名は確認できた。宝石類の買取り金額に納得できないので、返してほしい。(80代・女性)
2.関連の相談状況
事業者が消費者の自宅を訪問して貴金属・ブランド品・着物などを買取る「訪問購入」に関する神戸市の苦情相談件数は、2013~2017年度まで増加傾向が続きましたが、2018年度以降減少傾向に転じ、2019年度は64件まで低下しました。しかし、2020年度(72件)は再び増加し、2021年9月時点では前年度同様の相談件数となっています。
年代別では、60歳以上の高齢層の相談は全体の66%(2020年度)を占めています。
買取り商品別では、1位:貴金属、2位:着物・洋服などの衣類、3位:靴・かばんなどの相談が多く寄せられています。


3.神戸市消費生活センターからのアドバイス
〇突然の訪問で買取り勧誘は禁止されています。
特定商取引法では、業者が消費者の要請なしに自宅訪問し、買取り勧誘を行うことが禁止されています。事前に電話等で

買取りする物品の種類や訪問してよいかを確認することが定められています。
〇買取りを依頼したもの以外の勧誘は禁止。勧誘をされても断りましょう。
消費者が買取り依頼して来訪した場合、依頼していない物品について勧誘することは禁止されています。
買取り業者から予定していない物品を勧誘されて、考える時間もなく売却を承諾し、安価で買取りされてしまうことも
多いようです。
「貴金属やアクセサリーの査定だけでもしましょう」と言われても、大切なものは持ち出さず、「売りたくない!」と
きっぱりと断りましょう。
契約を断ったにもかかわらず、居座って勧誘を続けることも禁止されています。
〇売却する場合は、買取り金額を確認し契約書は必ず受取りましょう。
買取業者は、買取る物品の見積額を提示し、消費者の合意を取り付けることが定められています。買取り額に納得したうえで買取ってもらいましょう。
また、特定商取引法では、訪問買取業者は、契約書を交付することが定められています。
契約書に①物品名・種類・特徴など②購入価格③代金の支払い方法と時期④物品の引き渡し時期と方法⑤クーリング・オフに関する事項⑥事業者の名称・住所・電話番号・担当者名・契約日の記載などが必要です。
契約書の内容(①~⑥)が正しく記載されているか、その場で必ず確認してください。
〇買取りをしてもらいたい場合は、一人で対応せずに複数で対応しましょう。
訪問業者の強引な勧誘で、断り切れずに、予定外のものまで売却してしまったという相談者の多くは、高齢者となっています。
特に高齢者一人での対応は避けて、信頼できる人に同席してもらうようにしましょう。
〇「訪問購入のクーリング・オフ」が適用されます。
クーリング・オフ期間は、契約書を受取った日を含めて8日以内に、書面で申し出ることによって、受け取って

いた買い取り金額を返還し、品物を返してもらうことができます。
クーリング・オフを申し出ても、物品が戻らない場合もありますので、ご注意ください。
クーリング・オフ期間内は、契約をしても物品を引き渡さなくてもよいので、引き渡すか否かを考える期間もで
き、クーリング・オフした場合、既に物品が転売や処分されていたという事態を防ぐことができます。
〇どのような場合でもクーリング・オフができるわけではありません。
例えば、消費者が店舗に出向き買い取りをしてもらった場合、「いくらでもいいから買い取って」と消費者から
業者を家に呼び買い取ってもらった場合は、適用除外となります。
その他、クーリング・オフの適用除外となる物品もあります。
≪適用外物品≫
①自動車(二輪のものを除く) ②家庭用大型家電 ③家具 ④書籍 ⑤有価証券(無記名証券や商品券など)
⑥レコード、CD、DVD、ゲームソフト(音、映像またはプログラムを記録したもの) |