消費生活相談情報(令和4年8月)
1.相談事例から
<事例1>
自宅に訪問があり、大手電力会社から来たと言われた。契約プランの改定があり、電気代が安くなると言われ契約した。しかし、調べてみると大手電力会社ではなかった。クーリング・オフしたい。(23歳・男性)
<事例2>
電力会社の代理店から電話がかかってきて、「手続きを代行する。電気代が今より10%位安くなる。」と言われ契約した。しかし、これまで月に3千円程度だった電気代が、7千円以上になった。解約したいが、3年未満の解約は9,800円の違約金が発生する。違約金を支払わなければならないか。(30代・女性)
2.相談受付状況
相談件数は増加傾向
平成28年に電力の小売全面自由化が始まり6年が経過しました。最近の電気代等の値上がりを受けて、電力会社の見直しを検討されている方もいらっしゃると思います。
神戸市消費生活センターには関連の相談が多く寄せられています。年度ごとの相談件数は増加傾向にあり、令和元年度は133件、令和2年度に減少したものの、令和3年度には再び増加し140件となっています。
高齢者に加えて若年者も注意を
令和3年度の相談を年代別で見ると、70歳以上の高齢者からの相談が多い一方、20歳代の若年者からの相談も多くなっています。特に、令和4年4月には成年年齢が18歳に引き下げられ、一人暮らしを始めた若年者などが、親の同意なく一人で契約をすることができるようになり、トラブルの増加が懸念されるため注意が必要です。
訪問販売・電話勧誘販売が約9割
また、販売購入形態が判明している相談のうち、訪問販売が約7割、電話勧誘販売が約2割であり、それらで全体の約9割を占めています。訪問販売・電話勧誘販売といった事業者からの不意打ち的な勧誘を受けて、トラブルになっているケースが多く見られます。
3.神戸市消費生活センターからのアドバイス
(1)会社名や契約プランをよく確認!
相談事例では、大手電力会社を名乗って勧誘するケースや、マンション全体の供給契約が変わるかのような説明を行うケースも見られます。勧誘してきた会社と新たに契約する会社の社名や連絡先、契約条件をよく確認しましょう。
契約プランによっては、現在よりも電気料金が高くなる可能性もあります。変更予定のプランが自分のライフスタイルに合っているか、現在の契約と比較検討し、メリット・デメリットを把握して納得した上で契約をしましょう。
(2)検針票はすぐに見せない!
検針票には、契約者の個人情報だけでなく、電力契約の切り替えに必要な顧客番号等が記載されており、それらの情報が分かれば電力契約の手続きができてしまいます。
契約の意思がないのに契約されてしまったというケースもありますので、検針票の取り扱いには十分に注意しましょう。
(3)クーリング・オフ等ができる場合も
事業者に言われるがまま契約してしまったとしても、電話や訪問販売で勧誘を受け、法定の契約書面を受け取った日から8日以内であれば、クーリング・オフができます。また、供給開始前であれば、契約をキャンセルできる場合もあります。慌てずに対処しましょう。
不安に思った場合やトラブルになった場合は、消費生活センター等に相談してください。