区の紹介

最終更新日
2009年11月16日

酒蔵のまち

日本のこころが香る「懐かしさ」のまち 神戸灘の酒蔵

酒イメージ黒壁と黒瓦の酒蔵が軒を連ね、丹波と杜氏の酒造り唄が響く。目の前の海からは、江戸に向けて樽廻船が出発した かつての「灘五郷」。古き良き時代の香りがいまに続く“お酒のふるさと”には、ゆったりと流れる芳醇な時間が満ちています。

「灘の生一本」として全国的に知られる灘五郷。40数社の酒造会社がひしめく日本最大級の酒造地帯です。東から、今津郷・西宮郷は西宮市内に、神戸市内には、魚崎郷・御影郷・西郷の三郷があり、区内にはそのうち二郷が立地しています。

酒蔵地帯は阪神・淡路大震災で大きな被害を受けましたが、生産はいち早く立ち直り、現在の出荷量 は全国の約30%、うち灘の三郷では約16%と、清酒業界のトップを占めています。

立ち並ぶ酒造メーカーの看板、酒を熟成させるための巨大なタンク群。路地に漂うほのかな酒の香り。このまちには、酒づくりのまちならではの風情があふれています。古き時代の香りが今に続く“お酒のふるさと”へタイムスリップしてみませんか。

おいしい理由

1.宮水

酒イメージ灘の酒のおいしさの原点は、六甲山の湧水である宮水にあります。天保時代、魚崎郷の山邑太左衛門によって発見された宮水は、鉄分が少なく、リンやカルシューム・カリウムを豊富に含んだ硬水で、芳醇なお酒を生み出すのに適しています。

2.山田錦

そして、播州平野で育った山田錦。このお米は、大粒でやわらかいうえに、デンプン質が多く、良いお酒をつくる要求をすべて満たしてくれています。山田錦は、粒のまん中に心白と呼ばれる固まったデンプン質があって、宮水につけておくとゆっくり溶け、それでいて米の形がくずれない。このコシの強さが、灘のお酒の特色を生み出しているといわれています。

3.酒づくりに適した気候・風土

清らかなお酒をかもす必須条件は、お米の精白度と低い気温です。灘五郷は、六甲山系から海にそそぐ川を利用して、水車小屋を使って精米し、人力では及びもつかないほど精白度の高いお米を得、さらに、六甲おろしの寒風は、内海の影響によって相和し、寒造りに好適の気候をもたらしました。

4.杜氏の技

酒イメージ最後に忘れてはならないのは、確かな技術とチームワークによって酒を完成させる杜氏の存在です。杜氏は酒蔵で働く蔵人たちの長であり、工場長的な存在です。その技術に関しては蔵の主人さえ、口をさしはさむことはできなかったということです。この杜氏のもとに選ばれた蔵人たちが集まってひとつの集団としてはたらき、蔵ごとにお酒造りの技を競い合ってきたのです。その技法は杜氏から蔵人へ、連綿と後継者に受け継がれてきました。

このような諸条件がそろって出来上がる灘酒は"男酒"とも呼ばれています。これは香味とともに荒削りで舌ざわりがどことなく荒々しく男性的で押し味があり、腰がしっかりしているところからこのような名で呼ばれるようになったのです。しかし、この酒質も夏の貯蔵熟成を経て秋になると、香味が整い円熟味を増して馥郁とした香気とともに酒質は一段と向上し、清酒の五味(甘・辛・酸・苦・渋)の調和のとれたすっきりとまろやかな酒質になります。これがいわゆる"秋晴れ""秋上がり"と呼ばれるもので、古くから"灘の生一本"として他には見られない灘酒の一大特徴となっています。