神戸市-KOBE-


【事例2】団体の基礎ヂカラ向上講座 テーマ:「団体の世代間移転」

 NPO等が課題と感じているテーマを設定し、ゲストにお話を伺いながら解決の糸口をみつけていく、団体マネジメントの「基礎ヂカラ向上講座」を開催しました。当日お話いただいたゲスト団体の貴重な事例を一部紹介します。

概要

日時:平成29年8月27日(日曜)
場所:ふたば学舎
テーマ:団体の世代間移転
ゲスト:特定非営利活動法人福祉ネットワーク西須磨だんらん 事務局長 宗政美穂 氏 
     特定非営利活動法人多言語センターFACIL 理事長 吉富志津代 氏、事務局長 李裕美 氏
     社会福祉法人えんぴつの家 事務局長 山田たけし 氏

ゲスト団体の事例紹介

福祉ネットワーク西須磨だんらん

法人について

宗政さん 福祉ネットワーク西須磨だんらんは、地元自治会の福祉活動から生まれたNPOで、地域住民同士で助け合いながら、安心して暮らせる福祉のまちづくりを目指しています。主な事業として、地域助け合い事業(生活支援サービス)、ミニデイサービス、居場所づくり、他の福祉施設の支援などを行っています。

世代間移転についてのポイント

現在、世代間移転の途中段階。6つのポイントがあると考えています。
 1 まず後継者を見つける ・・・ ニュースレターを欠かさず発行など常にPR
 2 理念を共有する ・・・ 進む方向を同じものに!
 3 仕事を「見える化」する ・・・ できればマニュアルを作り、伝えていく
 4 オンジョブトレーニング ・・・ 一緒に仕事をしながら引き継ぐ
 5 運営会議など決定の場に参加 ・・・ 自分も運営側であると感じてもらえるように
 6 交流の場を設ける ・・・ 会議だけでなく、楽しく交流できる時間を大切に

世代間移転をすることで・・・

 世代間移転をすることで、まず必要とされているのか、継続すべきかどうかを考え直す機会になり、団体を再評価できます。また、団体の問題を再認識できたり、仕事を見直すことで効率化できたり・・・。 細かいことを言いすぎると、移転される側も戸惑うので、人が変わればカラーも変わるということを念頭に置いて進めていくことが大事です。

多言語センターFACIL

法人について

李さん 多言語センターFACILは、阪神淡路大震災において「ことばの壁」により情報難民になった在日外国人が多いという現実を受け、多言語での情報提供を始めたことがきっかけで組織化しました。国籍・出身関係なく、住民すべてが安心して暮らせるまち、多文化共生のまちづくりに寄与することを目的に活動しています。主な事業は、翻訳・通訳(企業のパンフレット、観光ガイドなど)や様々なコンテンツの多言語化(WEBサイトなど)です。

世代間移転について

 現時点で、まだ世代間移転というのはしていないが、理事長により着実に引継の準備は進んでいる気がしますが、自分自身、まだ引き継いでほしくないと思っています。阪神淡路大震災当時にNPOを設立した方のカラー(理念・強さなど)が強く、それを引き継ぐのは難しいし、自分が思うままに変えてもいいよと言われてもなかなかできることではないと感じています。【李さん】

組織体制について

 18年ずっと代表を務めており、以前は、個人商店主みたいに、マネジメント等1人でやっていたが、それではダメだと思い、管理体制が1人だったものを2人に増やすなど体制を見直しました。また、基盤をつくることが大切だと思い、1人ではなくみんなで規約を作りました。そのほか、人数が多いと、ひとりひとりの意識レベルが下がってしまうので、雇用人数を減らすといった取り組みもし、組織の体制を変えていきました。【吉富さん】

えんぴつの家 山田さんのお話

法人について

山田さん 障害者がまちで共に生きていくということを理念に掲げて、学校の先生である初代の理事長が立ち上げて30年ほどになります。現在は2代目。社会福祉法人でないとできない事業をするためなど、様々な個別バラバラの障害者の団体が、えんぴつの家に集まり、組織が大きくなっていきました。

世代間移転について

 団体が大きくなりすぎていて、全体がまとまっているとは言えない状態なので、このまま引き継ぐのは難しいと思っています。また、最近入ってきた人と、以前からいる人で仕事に対するギャップがあり、事業に対する思い等をどう伝えるかが課題だと思います。そのため、各事業所とのこまめな連絡調整や交流、研修を行ったり、外部組織と関係をもって刺激を受けてもらえるようにしたり・・・と、色々な取り組みをしていますが、成果がみえたりみえなかったり・・・と悩ましい状況は続いています。一緒に悩み、考え、さまざまなバトン(理念、歴史、技術、情熱、思い、組織、雰囲気など)を渡していき、その受け取ったバトンをさらに育てていくことが大事だと感じています。

グループワーク

 各団体の事例紹介を聞いた後、世代間移転について、グループに分かれて意見交換をしました。

世代間移転についての意見(一部)

意見交換・世代間移転について考えることは、組織そのものの体制を考えることになる。
・世代の交代は、権力の動きというより文化の動き。世代をとびこえて、団体をどう引き継いでいくかを考えなければならない。
・働き方についてそれぞれが納得してもらうことが大切。
・全部を担うリーダーではなく、メンバー自身が自覚をもつことが大事。
・大きく変わる社会・人の変化を、バランスをとりながら見ることも大事。
・他団体とのつながりでカバーする、連携することで団体としての機能を残すこともできる。 

ゲスト団体のホームページ