神戸市-KOBE-


【事例1】はじめてのNPO法人 やさしく学ぶ設立の基礎

NPOの設立を考えている方々を対象に、NPO法人ふぉーらいふの副理事長・矢野良晃氏より、法人化されるまでの過程を事例としてお話しいただきました。

概要

【日時】平成29年7月1日(土曜)
【会場】NPO法人ふぉーらいふ 事務所
【講師】小嶋 新 氏(NPO法人しゃらく)
【ゲスト】矢野 良晃 氏(NPO法人ふぉーらいふ)
【参加者】20名

お話の内容

法人設立の経緯

平成9年、学校に行かない・行けない子ども達の学びを支援する「フリースクール」を有志で立ち上げました。同時に、発達障害児の学びと遊びのプログラムを開始。活動を続けていく中で、保護者の方の相談を受ける窓口の必要性、個人ではなく組織として活動を継続していく必要性、もっと多くの方に活動で得た蓄積を還元していくことの必要性を感じ、平成14年にNPO法人化しました。

スタッフの体制

常勤スタッフ1名、非常勤3名、ボランティア8名、NPO法上の社員は28名。任意団体の時代は、スタッフへの謝礼もその都度決めていたが、法人化の後は基準を作成しました。

フリースクールの特徴

子ども達が作ったガチャカリキュラムは、午前と午後でざっくりと大枠を決めているだけで、何をするかは子ども達が自ら決めています。入り口に置いてあるガチャは、美術の時間に子ども達が作成したもの。年間収益は1万円にもなります。

組織運営について工夫していること

ボランティアや非常勤スタッフの勤務日、勤務時間がそれぞれ異なり、情報伝達がうまくできないことがありました。そのため、データ管理やマニュアル整備を勉強し、スケジュールの管理・共有のできるソフトを使用し始め、執行部会議を月1回開催することとしました。また、大学の講師を招いてコンサル会議を月1回開催したり、具体的な数字で表現するようにしたりといった工夫をしています。

参加者からの質疑応答

セミナーの様子Q.思い以外で行動力の源は何ですか?思っていてもなかなか形に結びついていかないので。
A.小さなことで幸せを感じられる性格なため、ちょっとしたことが次へのチカラになっています。やったことが実った!という大きなこともあります。

Q.障害児や不登校児をお世話するという団体を運営していくうえで苦労することはありますか?
A.子ども達から、日々試される事が多い点です。例えば、分数の割り算をなぜひっくり返して掛け算にするのか、理由を説明せよ!など。

Q.基本的に17時から仕事が始まるとありますが、活動は両親が夜までいない子どもも対象にしていますか?
A.子ども達の活動時間中(10時から16時)は、あまり実務ができないため17時からとお話ししました。ちなみに、神戸市子ども家庭局から補助を受けて、ご質問の子どもさんを対象とした子どもの居場所事業を平成29年7月から始めます。そのため、仕事の開始はもっと遅くになるかもしれません。

Q.NPOと行政との定期的な会議はありますか?活動のチェックはありますか?
A.ありませんが、地域で活動させていただく中で、行政が関係する各種会議等に参加することはあります。活動のチェックは、総会後の手続き(事業報告書等の提出)といったことでしょうか。

Q.発達障害児支援は、年間何件(何人)くらいで、どこからの相談が多いですか?
A.毎週水曜日に放課後クラブという取り組みを通じて2、3名の子どもさんの基礎学習をサポートしています。今は垂水区内の相談が多いです。

Q.支援を必要としている子ども達は、どのようにしてふぉーらいふのフリースクールの存在を知るのですか?
A.インターネットやソーシャルメディアを通じて、情報を届ける努力をしているほか、紙媒体の情報も重要視しています。過去には、ぼろぼろのチラシを握りしめて相談に来られた方がいました。

Q.外部の識者などどのように探しつながっていくか、教えてください。
A.今日のような場に参画し、名刺を交換したりチラシを配ったりして、つながりを作ってきました。

Q.大学の先生にコンサルをお願いしているとのことですが、コンサルタント料をお支払いしているのですか?
A.お支払いしています。そのために助成金に挑戦して、採択されたものから財源を確保して謝礼をお渡しするようにしています。

Q.国からの支援をどれくらい、どのように調達されているか詳しく知りたいです。
A.国からの支援金はありません。文部科学省から過去3回委託を受けたことはありますが、これは自分達で情報を探し当てて申請した結果、受託までこぎつけることができたものです。

Q.助成金を開始するまでの方法は?
A.ひょうごボランタリープラザやつなごう神戸、日本財団などの助成金情報のまとめサイトにアクセスして、自分達がやりたい事業を助成してくれそうなものを、地道に検索するということからはじまります。

Q.企業からの助成金を受けるために何をしましたか?また助成の基準はどんなものですか?
A.自分たちがやりたいこと、思いを言語化し、なぜ助成支援が必要なのかを明らかにして、自分たちの活動や実現したい事業を相手に理解してもらえるように努め、申請をしていきます。基準は助成団体により異なるので、これというものは分かりませんが、具体的な数字を示すことがポイントかもしれません。

Q.NPO法人のお金の管理はどのようにしていますか?専門の職員がいるなど、お金を扱う人の管理はどうされていますか?
A.会計の専門家はいません。しかし現預金を異動するときは、必ず2人体制でチェックするようにしています。また、現場で取り扱う現金を少なくし、通帳で管理し、複数人で預金の異動を確認する体制を維持するように務めています。

Q.ボランティアは有償ですか?完全無償ですか?
A.完全無償です。私達の現場は、原則ボランティアへの交通費や弁当代などの支給はありません。

Q.ボランティアはどうやって募集するのですか?
A.ひょうごボランタリープラザやつなごう神戸のサイトを基本に、自団体のホームページやSNSで募集情報を発信しています。前者は50代以上が、後者は若い世代が見て問合せをしてくることが多いです。月に2件のペースで申し込みがあります。

Q.ボランティアは必要だと思いますか?また、どこまで責任を持たせていますか?
A.必要だと考えています。また、ボランティアには業務上の責任は持たせないようにしています。

Q.将来のための人材の確保や育成について、どう考えておられますか?
A.ボランティアの中でこの人は!という人が見つかったら、育てていくようにしています。そしてその人を雇用できるように、団体の組織基盤強化に取り組み、財源を確保している真っ最中です。そのために2年度前には600万円を繰越し、平成30年度職員採用に向けて、現在人材育成等の準備を進めているところです。

Q.不登校の子どもの負担金はあるのですか?市から補助が出ているのですか?
A.現在、不登校の子ども達への公的支援は全くない状態です。そのため各家庭に学費を負担していただいています。市からの補助などはありません。しかし、教育機会確保法という理念法が平成28年成立したことを受け、不登校の家庭に対し公的支援がされるよう、関係団体とネットワークを作って国や地方公共団体に働きかけているところです。

Q.職員に安定して給料を支払うことが必要ですが、安定した収入源はどうされていますか?
A.利用されている子ども達の学費に加え、助成金、寄付金を積極的に得るように努めています。平成28年は、助成金、寄付金とも年間で約120万円ずつ支援いただくことができました。

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