調査の概要

最終更新日
2009年3月25日

1.1概要

神戸市では阪神・淡路大震災の原因を究明するため、神戸市地盤調査検討委員会を組織し、平成7年度から調査検討を進めてきた。この間、神戸市内でこれまでに行われた地質調査データを収集・整理し、地層を区分して地層構成を明らかにするとともに、被害データ等も収集し、地盤と地震被害との関係について検討を行ってきた。
ここに集積された各種のデータは、最新の地理情報システム(GIS)と地盤解析システムを統合した新しいシステム神戸JIBANKUNを開発して収録し、調査検討に活用してきた。このシステムは、GISと地盤情報、地盤解析システム、さらに震災被害情報をパソコンで容易に操作できるようにした画期的なシステムである。
さらに平成8年度から行われてきた活断層調査で明らかとなった神戸市域における活断層の分布や活動性に関する評価などを併せてとりまとめた。

1.2収集データ

対象とした地域は、震災によって大きな被害を受けた神戸市の東灘区〜須磨区の市街地である。収集しているデータの内容は表-1.1に示すとおりであり、GISの基本となる地図は、神戸市都市計画局が作成した1/2500縮尺のデジタル地図を利用している。

(1)地盤データ

地盤データは、これまでに神戸市が実施してきた地盤調査のデータや他機関より提供を受けたデータを用いており、柱状図の本数としては約5000本であり、柱状図データだけでなく、原位置試験結果や土質試験結果なども併せて収録している。また、神戸市街地は急傾斜の扇状地であり、複雑な地層構成となっているため、火山灰等を指標として各ボーリングデータ毎に地層を区分し、地層毎の土性検討も可能なものとした。

(2)地形データ

前述した1/2500の現地形図以外に、明治前期に作成された古地図と現在の地形図を対比することによって新たに作成した「旧海岸線、旧河道、旧ため池、谷埋め盛土地域図」、地形図や空中写真などをもとに山地丘陵、段丘、扇状地、低地、河川、人工地形などに区分した「微地形区分図」、さらに市街地を 20mメッシュに区切り、それぞれのブロックの平均的な地表傾斜角度を表した「地表面傾斜区分図」などを収録した。

(3)構造物被害 変位データ

平面的に分布する地震被害データを中心に収録している。これらはそれぞれレイヤーが分かれており、各種の被害および地盤データの自由な重ね合わせが可能である。

1.3神戸JIBANKUN

神戸JIBANKUNは、図-1.1に示すようにパソコンで扱える汎用的な基盤地理情報システムに、地盤情報解析システム、各種震災被害解析システム、液状化解析システムなどの各種専門アプリケーションを統合したシステムである。このシステムでは、任意の方向に地質断面図を作成したり、地下水位コンター図や液状化評価のためのPL値コンター図、さらに各種土質試験結果の相関図なども作成できるようになっている。
このシステムにより、被害と地盤の関係の検討という膨大な作業を効率的に進めることができ、必要とされる地盤情報等を地理情報システムの利用によるビジュアルな情報として表現することができる。