傷病者が発生したとき、その付近に居合わせた人が適切な応急手当を速やかに行うと、 傷病者の救命率が一層向上することは、医学的見地からも明らかです。また、傷病者の治療経過にも、よい影響を与えます。 このようなことから、とっさのときの応急手当は大変重要なものです。
応急手当の目的には、救命、悪化防止、苦痛の軽減の3つがあります。
応急手当の一番の目的は、傷病者の命を救うこと、つまり救命にあります。 応急手当の知識と技術を習得し、すぐに処置ができれば、尊い人命を救うことができるのです。救急車や医師の到着を何もせずに待っていたのでは、手遅れになってしまいます。意識障害などの生命に直接関係するような症状があれば、その症状に応じた人工呼吸などの手当を優先的に行います。
応急手当は、ケガや病気を治すために行うのではなく、現状以上に悪化させないことを目的に行います。例えば、止血や骨折時の固定などは、その症状の悪化防止につながり、その後の治療を早めることにも役立ちます。
突然病気やケガをした傷病者は、心身の両方にダメージを受けています。適切な手当を行いながら、励ましの言葉をかけてあげます。

突然のケガや病気で倒れた人に、その場に居合わせた人が協力しあって、救急車が到着するまでに適切な手当をする必要があります。
神戸市内では、救急車が到着するまで平均5分程度かかります。しかし、この5分間の時間が、傷病者の生命を大きく左右することになります。
阪神・淡路大震災では、同時に多数の傷病者が発生しましたが、市民のみなさんの自発的な救護活動がいたるところで展開されました。
このような大震災時には、救急隊にも限界がありますので、みなさんが積極的に応急手当の技術を習得して、自主救護に努める必要があります。
傷病者が発生したとき、そのまま放置することなく、誰かがすぐに救いの手をさしのべるような社会にする必要があります。そのためには、まず、あなたが応急手当を身につけて、いつどこででも助けてあげられるようにしましょう。
また、応急手当を学ぶことによって、事故の防止や安全に対する意識を高めることにもつながります。市民のみなさんが安心して暮らせる健全な地域社会の形成をめざしたいものです。
長年、心肺蘇生法の普及活動にあたってこられた兵庫県立健康センター長 河村剛史先生のメッセージです。
命の危機管理は特別なことでなく、「どうしたのですか?」と声をかけることから始まります。そのちょっとした心がけが「お互いの命を守る社会づくり」に参加したことになるのです。
1 その場に居合わせた人
応急手当
2 救急隊員
救急処置
3 医師
専門治療
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