神戸市-KOBE-


「燃焼」と「消火」

 先月は、燃焼の3要素と種類についてお伝えしましたが、今月は燃焼が起こる条件と火災現場で起こる現象、また「消火」とはどういうことかについて、お伝えしたいと思います。

燃焼が起こる条件とは

 物が燃えるというのは、可燃物から発生した可燃性蒸気が酸素と結合する化学反応であることは先月ご説明しましたが、この反応が起こるには更に2つの雰囲気条件が必要になります。それは「濃度」と「温度」です。

燃焼範囲

 燃焼が起こるには、可燃性蒸気と空気がいい感じに混ざり合っている必要があります。可燃性蒸気が濃すぎてもダメ、薄すぎてもダメです。この範囲の事を燃焼範囲といい、爆発範囲とも呼ばれています。そして、その範囲の上限を爆発上限値、下限を爆発下限値といいます。
 この燃焼範囲は可燃物ごとに異なり、爆発下限濃度が低く燃焼範囲が広い物質は燃えやすい物質、言い換えれば火災の危険性の高い物質であると考えられます。

バックドラフト

 聞いたことがある方も多いと思いますが、耐火造等の気密性の高い建物での火災時にドアを開けると、一気に炎が吹き出す現象の事です。この現象は、可燃性蒸気はたくさん発生しているが建物の気密性が高いため空気の供給が追いつかず、可燃性蒸気が濃すぎる状態になっているところに、外部から空気が供給されることで燃焼範囲内に入り、一気に燃焼が再開することで起こります。

引火点と発火点

 燃焼が起こり始める温度には引火点と発火点の2つがあります。引火点とは火を近づけた際に着火する温度のことですが、もう少し具体的に言うと「可燃性蒸気が爆発下限値に達する温度」ということになります。つまり、引火点に達すると可燃物から発生している可燃性蒸気が燃焼に必要な濃度に達するので、火が着くのです。
 次に発火点ですが、これは空気中で他に火が無くても自ら燃焼を始める温度の事になります。

フラッシュオーバー

 火災現場で起こるもう一つの現象として、フラッシュオーバーがあります。先述したバックドラフトは燃焼範囲が関係していましたが、フラッシュオーバーは温度が関係しています。
 室内の燃焼によって大量に発生する可燃性ガスは全てが燃焼しているわけではありません。燃焼できなかった可燃性ガスは室内の上部に溜まりながらその温度がどんどん上昇していきます。そして、引火点又は発火点に達した際に一気に燃焼が起こり、急速な延焼拡大が引き起こされるのです。

消火とは

 ここまでは燃焼について説明してきましたが、ここからは消火についてご説明します。消火とは字のとおり「火を消す」ことですが、言い方を変えれば「燃焼を止める」ということになります。
 つまり、燃焼に必要な4要素のどれかを取り除けば、燃焼が止まり、消火できるのです。
 1 除去消火
  「可燃物」を取り除く消火方法を除去消火と呼びます。ガスコンロの火を消すのはガスの供給を止めて消しているので、この除去消火になります。
 2 窒息消火
「酸素供給体」を取り除く消火方法を窒息消火と呼びます。アルコールランプの火を消すときに蓋を被せるのは、この窒息消火になります。
 3 冷却消火
「熱源」を取り除く消火方法を冷却消火と呼びます。一番イメージしやすい消火方法ですが、火災の際に消防隊が放水するのは、もちろんこれが目的です。
 4 抑制消火
「燃焼の継続」を取り除く消火方法を抑制消火と呼びます。要するに連鎖的に起こる酸化反応を止める方法です。粉末消火器は前述の窒息効果とこの抑制効果で消火しています。

燃焼理論と消火理論

 モノの燃焼と消火には「燃える理由」と「消せる理由」がきちんとあります。一度、身の回りにある「火」について、この理由を考えてみてください。