神戸市-KOBE-


電気製品からの出火と消防の火災原因調査 今後の火災予防のための貴重な資料

最終更新日
2005年4月1日

生活あんぜん情報 コンテンツ

タバコ

電気

火災事例

生活用品等

その他

はじめに

もし、ご家庭で使用している電気製品から出火した場合、あなたならどうしますか?
ほとんどの方が、まず119番に通報しますとお答えになると思いますが、決して自分で完全に消火したから大丈夫だとか、消防車が自分の家に来たらご近所にみっともない等と考えないで下さい。
いったん火災が発生すると思わぬところに火種が残っているかも分かりませんし、火災によって屋内配線が損傷しているかも知れません。
また、通報があるとないとでは、その後の事後処理が大きく違ってきます。

電気製品から出火すると

出火した冷蔵庫電気製品から出火したとされる場合の神戸市消防局の対応として、本当にその製品から出火したかどうかを実況見分状況から判断します。
そして、その確信(疑いも含む)を持つことができたら、製品の所有者に対して購入の経緯や使用状況、メーカー名などを詳しく聴取します。
さらに所轄消防署、または消防科学研究所において、メーカーの技術者立会いのもと出火原因究明のための鑑定を行います。その際、当該製品の所有者に、当該製品を鑑定した後の所有権の継続または放棄についての意思表示を書面で確認させていただきます。

鑑定が終了すれば、消防科学研究所の研究員または消防の担当者が鑑定結果報告書を作成するとともに、メーカー側にも報告書を提出するよう指示します。

出火原因が特定できれば、所有者にその結果を伝えます。このように1件の火災に対して詳細な原因調査を実施するわけですが、必要があれば経済産業省に報告したり、業界団体やメーカーに対して類似火災の防止対策を指導したりします。
火災が発生した場合は必ず消防に通報してください。通報がないと、以上のような事後処理が不可能になることから、1件の火災として計上できない場合があり、保険請求や雑損控除申告時に必要な「り災証明書」が発行できないことがあります。

PL法とメーカーの対応

皆さんは製造物責任法(PL法)についてご存知ですか?

この法律は平成7年7月1日に施行されました。簡単に紹介すると、製造物から出火した場合、同法の施行以前であれば、その製造工程や材料の不備や過失について、り災者が立証する必要がありましたが、同法施行後は製品の欠陥が立証されれば、メーカーに製造物責任が生じ、損害賠償が認められるというものです。その欠陥の立証こそが消防が行う火災原因調査であるともいえます。

しかし、製造物であれば、すべて損害賠償請求の対象となるわけではありません。
製造物は出荷後10年を経過するとPL法の対象からは除外されますし、火災が発生してから3年を経過すると時効が成立し、損害賠償請求はできなくなります。
また、製造物単体の損害であれば同法は適用されず、その他への被害拡大があることが条件となります。また、取扱説明書に明記されている遵守事項を守らなかったことが判明すれば、損害賠償請求が難しくなることがあります。

この法律が施行されてから、メーカーは自社製品に対する品質管理、消費者保護についてかなり敏感になっているように思われます。
ある大手電機メーカーによると、法規は最低基準であり、当社はそれより高い自主基準を設定し、同時に他社のレベル以上のものを目指している。消費者が非常に危険な使用をしない限り、事故は起こらないような安全基準を設定しているとのことです。

おわりに

出火にまで至らず、発煙だけで済んだような事例もあると思います。しかし、発煙だけでも必ず消防にご一報下さい。それも今後の火災予防のための貴重な資料となるのです。

電気製品は日頃のお手入れや点検にもよりますが、古くなればなるほど故障する可能性が高くなりますし、出火することがあるかも知れません。
しかし、古いものだからといって出火してもいいという理屈は消防の立場から認めることはできませんし、メーカーが道義的責任を免れるものでもありません。
古くなっても安全に故障するような製品を作るのがメーカーの責務であると思います。