神戸市-KOBE-


ガスコンロから漏洩したガスにより出火した事案            −誤った掃除方法が火災を引き起こした−

最終更新日
2011年4月26日

1年の最後を締めくくる12月。それは新たな1年をスタートさせるための最後の準備期間とも言えるでしょう。 
きっと、皆様のご自宅でも、年末最後の大掃除が行われているのではないでしょうか?
そこで今回は、掃除を始められる前に是非とも知っておいて頂きたい、誤った掃除方法がもたらした、1件の火災事例をご紹介します。

就寝中に火災が発生

その火災は、ある共同住宅の台所で発生しました。
午前5時半頃に家人が目を覚ますと、台所のガスコンロから炎が出ていたため、消防へ通報しました。
現場に到着した消防隊により火災はすぐに消しとめられましたが、この火災により、ガスコンロ周辺の物品、レンジフード、エアコンが焼損しました。
そして、この火災の原因を調査した結果、大変珍しい出火原因へと辿りついたのです。

なぜ、使用していないガスコンロから炎が・・・?

まず、台所の焼損状況からみて、ガスコンロから出火していることは容易に判断できました。しかし、火災発見時、家人はガスコンロを使用しておらず、最後にガスコンロを使用したのは前日の午後9時頃であることから、なぜ使用していないガスコンロから火災が発生したかは不明でした。
また、家人は普段からガスコンロで料理は作っておらず、お湯を沸かす時に使用する程度であったため、ガスコンロに燃えカスや油等の汚れが堆積している様子もありません。
そこで、ガスコンロの製造メーカーと共に、後日、ガスコンロを詳しく調査することになりました。

ガス配管に穴!

配管の腐食箇所詳しい調査の結果、ガスコンロ内部が異常なまでに腐食し、ガス配管に穴が開いていることがわかりました。つまり、火災発生時、ガスコンロ内部ではガス配管に開いた穴から、ガスが漏洩していたのです。 

そこで、製造メーカーにガスコンロ内部で漏洩したガスに引火することがあるのか、さらに、なぜ異常に腐食が進行したのか、といった分析を依頼しました。   
製造メーカーによる実験の結果、ある条件(穴の大きさや、向き)の下では、ガスコンロ内で漏洩したガスに、お湯を沸かすために点けた炎が引火し、ガスコンロの炎を消した後も、燃焼が継続することが判明したのです。

つまり、火災発見前日の午後9時頃、お湯を沸かすために点けた炎がガスコンロ内部で漏洩していたガスに引火していたのです。

ガスコンロの内部で静かに燃える小さな炎に、家人は気づかず就寝してしまいました。しかし、燃焼の継続によりガス配管の穴が拡大することで炎は勢いを増し、家人が目を覚ます頃には周囲へと延焼拡大してしまっていたのです。

なぜ、穴が開くほど腐食したのか?

ガスコンロ裏面では、なぜ穴が開くほど腐食が進行したのでしょうか。
それは家人が長年続けていた、ガスコンロの清掃方法に問題がありました。

腐食部分の分析結果から、アルカリ性洗剤に含まれる成分が検出されたのですが、今回火災のあったガスコンロの配管は酸性、アルカリ性に弱く、取扱説明書にも中性洗剤の使用を推奨していました。
しかし、家人は長期間に渡って、弱アルカリ性の台所用洗剤を使用してガスコンロの掃除を行っていたのです。

今回の火災の原因となったガスコンロの腐食を引き起こした要因に、
1、製造メーカーの推奨する洗剤を使用しなかったこと。
2、洗剤に記載された使用方法に従わず、使用後、水拭きをしなかったこと。
の2点が挙げられます。

正しい掃除で安全安心な新年を

掃除をすることは火災を予防する点でも非常に重要ですが、その方法を誤ると、この様に思いもよらない危険があることを忘れないで下さい。

また、火災を未然に防ぐために、ガスコンロ使用後には元栓を締める、という行為が重要であることを忘れてはいけません。
最近ではシステムキッチンの設置が普及していますが、ガスの元栓がどこにあるのかはご存知でしょうか?今までのガスコンロとは違い、わかりにくいところに設置されているものもあるようです。

では皆さん、正しい方法で大掃除をして、安全で安心な新年を迎えましょう!