神戸市-KOBE-


無くならない子どもの火遊び

最終更新日
2011年3月17日

マッチで遊ぶ子ども火災原因のうち、毎年上位に名を連ねるものの中に『火遊び』があります。火遊びとは、火を点けるという行為から、放火の一種であるとも言えますが、行為者が子どもであるという点で、放火とは異なります。
今回は、「なぜ子どもは火遊びをするのか」という根本まで掘り下げて、大人の知らないところで起きている、子どもの火遊びについて考えてみましょう。

火遊びの定義

火遊びから火災に消防機関では、火遊びとは「義務教育以下の児童が、これといった目的も無く火をもてあそび、誤って可燃物に着火させること」と定義しています。行為者が『子ども』であることに加え、わかりやすく言えば『まさか火事になるとは思っていない』ことが条件となります。これは言いかえると、例え子どもであっても、火災になることがわかっていて火を放った場合は、それは火遊びでは無く『放火』になってしまうということです。火遊びは、放火と区別して考えられてはいるものの、その違いは紙一重であり、非常に危険な行為なのです。

火遊びによる火災の件数

平成21年の神戸市内における火遊びによる火災は、10月末日までで28件発生しています。近年の件数には、特に増減の傾向はなく、火遊びによる火災は毎年20〜30件程度起こっています。中には住宅が全焼した事案や、死傷者が発生してしまった事案もあり、その数は決して少ないものではありません。
また、火災に至らずとも、火遊びという『行為』自体を数えたとすれば、恐らくそれは莫大な数となることでしょう。「火遊びをするとおねしょする」といった戒めのための迷信があることからも、子どもの火遊びは昔からあったことが分かります。

火遊びによる火災件数
平成16年39件
平成17年25件
平成18年21件
平成19年22件
平成20年19件

火遊びをする子どもの心理

室内で火遊び

「都市型放火犯罪」上野 厚著 第2章参照 

幼児期の子どもには、火を点けたいという先天的な衝動があるという説があります。物体は生命を持つものと考え、雨・風・火のような自然の力による現象をじっと見守ることに喜びを覚えます。大人もそうであるように、火は色・暖かみ・動きを示し、心を落ち着かせてくれます。また、それは驚くべき速さで広がるにも関らず、一吹きで消せてしまう、魔法のように不思議な存在です。火に興味を持つことは、子どもとしてごく当たり前のことなのです。

少年期になると、火に対する考え方は少し変わってきます。火は、ヒーローが悪者を倒す最後の武器として描かれることも多く、少年達はその強い力に魅了されていきます。火遊びという行為に、はっきりとした喜びを見出すようになるのです。それと同時に、注意深く取り扱わなければ危険なものだということも認識します。

また、火遊びを行う子どもの約半数が、家庭に何らかのトラブルを抱えていたという研究結果もあります。

子どもは大人のまねをする

子どもは、必ず大人のいない所で火遊びをします。注意をすることは大事なことですが、火遊びをしてしまった子どもを後から叱ったのでは、基本的に予防とは言えません。子どもを責める前に、子どもの周囲にいる両親を含む大人達や家庭環境が、子どもの心理状態に大きな影響を及ぼしているということを、まずは大人達が知らなければなりません。そして、子どもが火遊びをしない環境を作ってあげて下さい。
最近の火遊びによる火災の発火源は、ほとんどが百円の電子ライターです。旧来の火打ち式のものに比べて、電子式はわずかな力で火を点けることができます。子どもは、たばこを吸う大人の動作などを普段からよく観察しており、教えずともライターやマッチの点け方を知っています。そういった類のものは、絶対に子どもの手の届かない場所に保管するようにして下さい。

子どもを火災から守ろう

子どもが起こしてしまう火災は、本当に不幸なものです。子どもの火遊びを防ぐためにできる工夫は色々ありますが、最も大切なことは、親が自分の子供に、火の『便利さ』そして『恐ろしさ』についてしっかりと教え、良き親子関係を築き上げることではないでしょうか。