神戸市-KOBE-


なぜ起きる!? 天ぷら油火災

最終更新日
2011年3月15日

はじめに

前回に引き続き、今回も天ぷら油火災についてのお話です。

天ぷら油火災は、一体なぜ起きるのか、皆さんはご存知ですか?今回は、その原因について考えていきたいと思います。

天ぷら油が発火する条件

現在市販されている天ぷら油は、温度が370度前後になれば、油そのものが発火し、燃焼を始めます。

家庭用ガスコンロを用いて、400ccの天ぷら油を強火で加熱し続けた場合、次のようになります。

新品の天ぷら油を使用する場合は、再利用を繰り返して劣化した天ぷら油を使用する場合に比べて、発火するまでの時間は短くなります。しかし、再利用する天ぷら油に揚げ物かす等が多く残っている場合は、それが灯芯となって、場合によっては200度前後で発火してしまうこともあります。

また、天ぷら油の中でも、近年『健康油』とされている油は、通常より低い温度でも発火するとの実験結果も出ています。

火災発生の原因

平成20年中に神戸市内で発生した天ぷら油火災35件の出火原因を調査したところ、35件中34件に共通していたことは、天ぷら油を加熱している間に調理者が調理場から“離れている”ということです。逆に、調理場にいながらにして火災に至ったケースは、35件中1件だけです。調理場を離れた理由はさまざまですが、中でも多かったのは以下の理由です。

いずれにしても、他の何らかの用事をしているうちに調理中であることを忘れてしまい、そのまま過熱することによって火災に至っています。つまり、天ぷら油火災は、調理器具の故障などによる機械的な原因ではなく、人的な原因によって引き起こされるケースがほとんどであるということが分かります。

なお、調理場にいながらにして起きた火災は、電磁調理器(以下IH)での調理にも関らず、IH対応の調理器具を使用せずに少量の油を加熱したため、極めて短時間で突然発火したというケースです。これもまた、人的な要因であると言えます。

調理中じゃなくても・・・

天ぷら油火災は、調理中以外のときも多数発生しています。

調理後は弱火で・・・そのクセが落とし穴

調理中は絶対に火から離れないという人でも、調理後、食事をするときはいったん調理場から離れます。その際に火を消し忘れて火災に至るケースがあります。最初は強火でも、調理が終わり、揚げ物を取り出す時には弱火にし、そのまま消したつもりになってしまうこともあるようです。

油凝固剤・・・余熱で使ってますか?

古くなった油を凝固剤で固めてから捨てる場合、油の温度が80度以上であれば、火を止めた余熱の状態でも凝固剤を使用できるとされています。しかし、凝固剤を実際に使用するのは調理直後ではなく、片付けのときや翌日に再加熱して使用する場合が多いようです。ここに落とし穴があります。調理中ではないため、火を使用している意識が薄れ、そのまま忘れてしまい、火災に至ってしまうケースもあるのです。火を使用する場合はその場を離れないことを大前提として、凝固剤の使用はできるだけ余熱で行うことをお勧めします。IHなどの調理器具であっても同様です。

また、固まった油をゴミ袋などに捨てる際は、十分に熱を冷ましてから捨てるようにして下さい。油の熱でゴミ袋等が溶融し、出火へと至ったケースもあります。

最近の傾向として

近年、冷凍食品の普及により、天ぷら油を使用する機会が増えています。特に、一人暮らしの方にはごく少量の油で揚げ物をするケースもみられ、その場合、天ぷら油が発火に至る時間はさらに短くなります。
ほんの少しの油断で火災を引き起こしてしまうことがないよう、十分に注意して調理するよう心掛けてください。