布引の滝は、下流(新神戸駅に近い方)から「雌滝」「鼓ヶ滝」「夫婦滝」「雄滝」の4つの滝の総称です。
落差19メートルの雌滝は、その優美な姿に魅了されます。右の丸い建物は、浄水場へ水を送るための取水施設です。
滝の音からその名が付けられたそうです。鼓の音に耳を澄ませてみてはいかがでしょう。
雄滝下の滝壷から2つに分かれて流れる滝が1つになることからその名が付けられました。
布引の滝の中では一番大きな雄滝は落差43メートル。巌頭から5段に折れて落下しており、それぞれに甌穴があり、竜宮伝説も伝えられています。
布引の滝は、日光華厳の滝・紀州那智の滝とともに、日本の三大神滝と呼ばれています。
明治のはじめ頃「花園社」という市民団体が、平安時代から江戸時代に詠まれた布引の滝の名歌の碑36基を建てました。これらはその後、散逸してしまいましたが、平成19年春に全て復元され「歌碑の道」として整備されています。
「名水百選」は、全国に多くの形態で存在する清澄な水について、その再発見に努め、広く国民にそれらを紹介し、啓蒙普及を図るとともに、優良な水環境を積極的に保護すること等を目的として環境庁(当時)が調査を行い、昭和60年3月に発表されました。
神戸市では、この「布引渓流」が、「市街地から数分のところに自然が残っている箇所として貴重であり、渓谷美がすばらしく、市ヶ原近辺の河原は四季を通じ行楽地としてにぎわっている。子供会、婦人会等から組織される“布引・市ヶ原を美しくする会”が保全活動を積極的に行っている。」として選定されました。