森づくりの歴史

本多静六氏の講演

六甲山の植林について助言した
本多静六氏

東京帝国大学教授であった本多静六氏は、明治期以降の六甲山の緑化に当初より様々な提案を行うなど、六甲山の緑化に関わってきた。
昭和13年、神戸は阪神大水害という大きな災害に見舞われた。災害後に開かれた講演会において本多氏は、植林事業を進めていてもその後の手入れが不十分であったり、無秩序な開発が行われたりすると災害が発生する、また六甲山では単なる森林保全をするだけではなく、観光やレクリエーション利用など人との関わりを十分に考慮した森づくりが必要である、といった主旨の発言をしており、今進めようとしている六甲山整備戦略の先駆けともいえる先見性を持っていた。

災害の原因

  1. 多量の雨
  2. 六甲山の風化しやすい地質(花崗岩)
  3. 六甲山がはげ山であること
  4. 山腹が急傾斜であること
  5. 山頂部、山麓部の住宅、道路などの開発に伴う安全対策の不備
  6. 市街地河川や排水口の容量不足

対策

  1. 無立木地の造林
  2. 谷部に堰堤を設置
  3. 山頂の平坦部の新たな開墾を禁じ、樹林地とする
  4. 道路排水は必ず渓間に導く
  5. 重要な地区は、風致地区に指定し、下草落葉、伐採、土地の形質の変更などを制限
  6. 山麓と市街地の間に40m以上の樹林帯を設け、森林公園とする
  7. 市街地の河川は二重断面とし、河川幅の2倍以上の広さの低緑地帯を造り、低緑地帯は洪水時の河川となるよう整備する
  8. 地震と津波に備え、市街地に避難場所となる公園を設置、海岸線は住宅地になる前に緑地帯を造り、耐震、耐火建築物にするなどの都市計画の重要性(大地震とその後の豪雨災害対策)