わが国において、地方自治体レベルの市民参加が展開されるようになったのは、昭和50年頃からで、その背景として昭和30年代以降の公害の激化を契機に高まっていた公害反対運動があり、また都市施設の整備等に対する要求型の住民運動がありました。神戸市でも、昭和30年代には公害問題が顕在化し、昭和39年には公害対策課が設置され、住民参加による公害防止協定が締結されるなど、その後の参加行政の契機となっています。まちづくり協定締結の第1号である長田区真野地区でも昭和40年代の公害追放運動が後の活動のきっかけになっていますし、また同丸山地区では市街地のスプロール化を背景に幹線道路等の整備をめぐって激しい住民運動が展開されていたのですが、昭和46年からはじまった自治省モデルコミュニティ事業の選定を受けたこともあり、全国初のコミュニティボンド発行による丸山コミュニティセンターを昭和48年に建設するなど、住民参加によるまちづくり活動が芽ばえています。
一方、このころより神戸市でも市民参加の基盤としてのコミュニティ行政に力を入れ、市内の自治会結成率は昭和43年に4割にすぎなかったものが、昭和47年には7割、昭和49年には8割、昭和54年には9割にものぼっています。
そしてこのような時代背景の中で、昭和55年に創設された「地区計画」制度に対応するとともに、市民のコミュニティ活動をまちづくり活動に結実させるためのシステムとして、昭和56年12月「神戸市地区計画及びまちづくり協定等に関する条例(まちづくり条例)」を制定しました。各地区の発意によるまちづくりを、市民との役割を明確にした上で行政が支援しようとするものです。
その後平成7年の阪神・淡路大震災を経験して、地区住民等の主体的なまちづくりの必要性と気運は、ますます大きくなっています。
神戸市地区計画及びまちづくり協定等に関する条例(まちづくり条例)
昭和56年12月23日
条例第35号
改正 平成元年3月22日 条例33
第1条 この条例は,住民等の参加による住み良いまちづくりを推進するため,都市計画法(昭和43年法律第100号。以下「法」という。)第16条第2項の規定に基づく地区計画等の案の作成手続に関する事項及びまちづくり提案,まちづくり協定等に関する事項について定めることを目的とする。
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
第3条 市長は,住み良いまちづくりを推進するための基本的かつ総合的な施策を策定し,及びこれを実施しなければならない。
第4条 市長は,まちづくり提案の策定,まちづくり協定の締結等により,専ら,地区の住み良いまちづくりを推進することを目的として住民等が設置した協議会で,次の各号に該当するものをまちづくり協議会として認定することができる。
第5条 前条の規定による認定を受けようとする住民等の協議会は,規則で定めるところにより,市長に申請しなければならない。
第6条 市長は,第4条の規定により認定したまちづくり協議会が,同条各号の一に該当しなくなったと認めるときその他まちづくり協議会として適当でないと認めるときは,その認定を取り消すものとする。
第7条 まちづくり協議会は,住み良いまちづくりを推進するため,住民等の総意を反映して地区のまちづくりの構想に係る提案をまちづくり提案として策定することができる。
第8条 市長は,住み良いまちづくりを推進するための施策の策定及び実施にあたっては,まちづくり提案に配慮するよう努めるものとする。
第9条 市長とまちづくり協議会は,住み良いまちづくりを推進するため,次の各号に掲げる事項について定めた協定をまちづくり協定として締結することができる。ただし,地区計画等で定められた事項については,この限りでない。
2. 市長は,まちづくり協定を締結しようとするときは,あらかじめ,まちづくり専門委員の意見を聴くものとする。
3. 市長は,まちづくり協定を締結したときは,その旨を公告しなければならない。
4. 前2項の規定は,まちづくり協定を変更する場合について準用する。
第10条 住民等は,建築物その他の工作物の新築,増築又は改築,土地の区画形質の変更等を行おうとするときは,まちづくり協定の内容に配慮しなければならない。
第11条 市長及びまちづくり協議会は,まちづくり協定を締結したときは,当該まちづくり協定に係る地区内において,次の各号に掲げる行為を行おうとする者に対し,規則で定めるところにより,あらかじめ,その内容を市長に届け出るように要請することができる。
第12条 市長は,前条の規定による要請に基づき届出があった場合において,届出に係る行為がまちづくり協定に適合しないと認めるときは,当該届出をした者と必要な措置について協議することができる。
2. 市長は,前項の規定により協議する場合において,必要があると認めるときは,まちづくり専門委員の意見を聴くことができる。
3. まちづくり協議会は,第1項の規定による協議について,市長に意見を述べることができる。
第13条 本章は,法の規定により地区計画等の案の作成手続きに関して必要な事項を定めるものとする。
第14条 市は,地区計画等の案を作成しようとするときは,あらかじめ,その旨並びに当 該地区計画等の種類,名称,位置及び区域を公告し,当該地区計画等の案の内容となるべき事項(以下「素案」という。)を2週間公衆の縦覧に供しなければならない。
2. 市は,前項の規定により素案を公衆の縦覧に供しようとするときは,あらかじめ,素案の縦覧開始の日及び縦覧場所を公告しなければならない。
第15条 市は,素案の内容を周知させるため必要があると認めるときは,説明会の開催,広報紙への掲載その他の適切な措置を講じるものとする。
2. 市は,前項の規定により説明会を開催しようとするときは,開催の日前7日までに開催の日時及び場所を公告しなければならない。
第16条 素案に対する意見は,第14条第1項の縦覧開始の日から起算して3週間文書により提出することができる。
第17条 市長は,まちづくり協議会に対し,技術的援助を行い,又はその活動に要する経費の一部を助成することができる。
第18条 市長は,前条に規定するもののほか,住民等のうち住み良いまちづくりの推進のために必要な行為を行うと認める者に対し,技術的援助を行い,又はその行為に要する経費の一部を助成し,若しくは融資することができる。
第19条 市は,住み良いまちづくりを推進するため,まちづくり専門委員を置くものとする。
第20条 第9条第3項(同条第4項において準用する場合を含む。),第14条第1項及び第2項並びに第15条第2項の規定による公告の方法は,神戸市公告式条例(昭和25年8月条例第 198号に規定するところによるほか,当該まちづくり協定又は素案に係る地区内若しくは区域内又はその周辺の適当な場所に掲示して行うものとする。
第21条 この条例の施行に関し,必要な事項は規則で定める。
この条例は,規則で定める日から施行する。
(昭和57年2月15日規則第77号により昭和57年2月15日から施行)
この条例は,公布の日から施行する。