絶滅が危惧されている野生生物種等をまとめたレッドリストに対して、地域の生態系を破壊したり、そこに暮らす在来種の存続を脅かすような重大な被害を与えている種、もしくはそのおそれの大きい種のリストを、ここではブラックリストと呼びます。
生物多様性の第三の危機として、外国から持ち込まれた動植物が我が国固有の生態系や生きものに大きな影響を与えています。また、国内産の種であっても他地域や異なる水系から持ち込まれることによって、同じ種であってもその地域の個体群に遺伝子レベルでの攪乱を与えていることがあります。もともとその地域には分布しなかった種が持ち込まれ、これまでの生物分布情報に混乱を与える場合もあります。
このブラックリストは、市民の皆様に外来種や国内移入種の問題を広く知っていただくために、また今後の駆除対策を立案する上での参考資料として活用するために、レッドリストを検討する中で得られた情報をもとに作成しました。
原則としてレッドリストの対象とした生物群を基本に、一部クモ類、貝類等を含め、下記の生物群としました。
○動物:哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫類、クモ類、甲殻類、軟体動物類
○植物:シダ植物、種子植物
ブラックリストの作成にあたっては、レッドデータブックの検討委員及び協力者のほか、外来生物に造詣が深い専門家の方々から分布情報や助言をいただきました。
| 専門 | 協力者氏名 |
| 哺乳類 | 石井克彦 |
| 軟体動物 | 増田修 |
| 植物 | 植村修二 橋本佳延 水田光男 |
環境省が外来生物法で特定外来生物に指定している種や、環境省が要注意外来生物として公表している種のうち、被害に係る一定の知見が得られている種のほか、神戸市域の在来種や生態系に著しい被害を与えている又は与える恐れのある種などのリストアップを行いました。
また、過去の情報や文献から被害等の状況等を把握し、検討委員や協力者から得られた最新の分布情報などを合わせて、リスト掲載種の選定を行いました。
| 区分 | 選定基準 |
| ブラックリスト選定種 | 海外から侵入して生態系に著しい被害を与えている、または与える恐れのある動植物で、すでに駆除等の対策が講じられているか、今後の実態把握に努めて対策を検討する必要のある種。 |
| 国内産放流種 | 放流のかたちで国内の他地域から移入されたことにより、生態系や遺伝子レベルでの悪影響が懸念されることから、情報を提供して注意を喚起する必要のある種。 |
| 緑化・植栽種 | 国内他地域や国外から緑化・植栽の目的で移入されたことにより、生態系や遺伝子レベルでの悪影響が懸念されることから、情報を提供して注意を喚起する必要のある種。 |
| 分類 | ブラックリスト選定種 | 国内産放流種 | 緑化・植栽種 | 合計 | 環境省による指定・公表 | ||
| 特定外来生物 | 要注意外来生物 | ||||||
| 動物 | 哺乳類 | 2 | 0 | ― | 2 | 2 | 0 |
| 鳥類 | 1 | 0 | ― | 1 | 1 | 0 | |
| 爬虫類 | 2 | 0 | ― | 2 | 1 | 1 | |
| 両生類 | 1 | 0 | ― | 1 | 1 | 0 | |
| 魚類 | 4 | 3 | ― | 7 | 3 | 1 | |
| 昆虫類 | 1 | 1 | ― | 2 | 1 | 1 | |
| クモ類 | 1 | 0 | ― | 1 | 1 | 0 | |
| 甲殻類 | 1 | 0 | ― | 1 | 0 | 1 | |
| 軟体動物類 | 3 | 0 | ― | 3 | 1 | 2 | |
| 植物 | 23 | 0 | 16 | 39 | 11 | 14 | |
| 合 計 | 39 | 4 | 16 | 59 | 22 | 20 | |